平沢勝栄
平沢 勝栄(平澤 勝榮[1]、ひらさわ かつえい、1945年〈昭和20年〉9月4日 - )は、日本の政治家、警察・防衛官僚。自由民主党所属の衆議院議員(10期)。 復興大臣(第11代)、自由民主党広報本部長、内閣官房長官秘書官、ワールドスケートジャパン会長などを歴任。 来歴・人物岐阜県大野郡白川村生まれ。生家は国の重要文化財に指定されている「旧大戸家住宅」(のちに下呂市の下呂温泉合掌村に移築)[2]。のちに父親の仕事の都合により福島県に転居。福島県立福島高等学校、東京大学法学部卒業。同級生に白川勝彦、早川忠孝がいる。なお、大学時代に安倍晋三の家庭教師を約2年間務めていた[3]。 1968年、東大法学部を卒業し警察庁に入庁[4]。警察庁入庁後15年ほどは、大阪府警配属、警察庁警備局外事課、在外研修(米国デューク大学修士課程修了)、福岡県警察本部警備部外事課長、警察庁皇宮警察本部護衛部付、警察庁皇宮警察本部護衛部護衛二課長、警察庁警備局公安第三課兼外事課長補佐(国際テロ対策課の前身)、外務省在英国日本国大使館一等書記官などを務めた[要出典]。 その後、防犯警察に転じ、刑事局保安部保安課長、警視庁防犯部長を歴任。岡山県警察本部長、警察庁長官官房審議官、防衛庁長官官房防衛審議官、内閣官房長官秘書官を歴任する[4]。 1996年、第41回衆議院議員総選挙に東京17区から自由民主党公認で出馬し、新進党(旧公明党系)の山口那津男を破り、初当選。出馬の際、面識のあった公明代表の藤井富雄から選挙区の変更か比例区への転出を要求されたが拒否[要出典]。後藤田正晴の勧めもあり、初当選後は平成研究会に所属した。同年11月8日、衆議院災害対策特別委員会委員に選任。 2000年の第42回衆議院議員総選挙では、東京17区から共に与党に所属している自民党の平沢、公明党の山口が出馬し、「与党対決」が全国的に注目を集めたが、再度山口を下し、再選。当選後、平成研究会を退会した[要出典]。 2001年、第1次小泉内閣で防衛庁長官政務官、2003年の第1次小泉再改造内閣で総務大臣政務官(郵政担当[5])に就任した。 2003年自由民主党総裁選挙では、高村正彦の推薦人に名を連ねる。同年の第43回衆議院議員総選挙で、民主党公認候補の錦織淳を破り、3選。 第44回衆議院議員総選挙では再度錦織を破り4選。総選挙後、北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員長に就任。 2006年9月、安倍内閣で内閣府副大臣(沖縄及び北方対策、科学技術政策、イノベーション、青少年育成、少子化対策、男女共同参画、食品安全及びIT政策等の担当[6][7])に就任[4]。 2007年12月、日朝国交正常化を目指す議員連盟「自民党朝鮮半島問題小委員会」を立ち上げ、同会の幹事に就任。 2008年には「パチンコ業界の位置づけを真剣に考えていく」ために、自民党内に「遊技業等の営業の健全化に関するプロジェクト会議」を立ち上げた[8]。 2009年の第45回衆議院議員総選挙で民主党の早川久美子を接戦の末破り5選(早川も比例復活)。 2012年、第46回衆議院議員総選挙で早川ら対立候補に比例復活を許さず6選。 2014年、下呂温泉合掌村の名誉村長になる[9]。同年12月、第47回衆議院議員総選挙で7選。 2017年、近未来政治研究会を退会し無派閥となり[10]、その後志帥会に入会した[11]。10月の第48回衆議院議員総選挙で希望の党が擁立した環境省職員の新人、日本共産党の新人らを破り8選[12]。 2020年9月16日、菅義偉内閣にて復興大臣、福島原発事故再生総括担当大臣として初入閣した。 2021年10月31日の第49回衆議院議員総選挙で9選。 2024年10月6日、石破茂首相が政治資金収支報告書に不記載があった議員のうち、「選挙における非公認」以上の処分を受けた議員を中心に10人以上の議員を第50回衆議院議員総選挙で公認しないことを発表。平沢も公認が得られない見通しとなった[13]。10月9日、自民党は第1次公認候補として、小選挙区265人、比例代表14人の計279人の擁立を発表した。裏金事件に関係した現職と元職のうち12人を非公認とし、その中に平沢も含まれた(ほどなく今村洋史が出馬を断念し非公認は11人となる)[14][15][16]。 10月27日の投開票の結果、東京17区では野党候補の乱立もあり平沢が10選を果たした[17]。 10月31日、衆議院の自民党会派に入会。一方、同日に自民党は党員資格があるものの非公認で当選した平沢と萩生田光一元政調会長の2名について、「党所属国会議員」の扱いとしないよう党内に指示した[18]。 騒動・不祥事統一教会との関係
→「世界平和統一家庭連合と政界との関係」も参照
年金未納政治家の年金未納問題が注目された際に年金の未納が判明した[29]。 2014年の政治資金関連2014年に、平沢が代表を務める党都第17選挙区支部は、平沢の事務所内にある政治団体「葛栄会」から7回にわけて受け取った寄付計509万円を記載していなかった。党支部の事務担当者は朝日新聞の取材に「12月にあった総選挙で収入と支出が頻繁にあり、日常的な寄付の記載が丸々抜けてしまった」と説明している[30]。 国会におけるやじ問題2016年3月に、「保育園落ちた日本死ね」と書かれたブログが衆院予算委員会で取り上げられた際に、「誰が書いたんだよ、それ」「本人に確認したのか」などとやじを飛ばし、のちに、「申し訳なかった」と謝罪したが、その後のテレビ放送で「これ、本当に女性が書いた文章なんですかね」「言葉が汚い」と、ブログの言葉遣いを批判した。その後ネット上では「言い訳にしか聞こえない」「論点すり替えてばっかり」などの批判が相次ぎ、国会前では「保育園落ちたの私だ」と書かれたプラカードを持った人々によるデモが行われ、2万7000筆以上を集めたネット署名が塩崎恭久厚生労働大臣に手渡された[31]。 LGBTについての発言2019年1月3日に、平沢は山梨県で開かれた集会で少子化問題に触れ、「LGBTで同性婚で、男と男、女と女の結婚、これは批判したら変なことになるからいいんですよ。もちろんそれでいいんですよ。でもこの人(LGBT)たちばかりになったら国は潰れちゃうんですよ」と発言をし、LGBTを差別していると批判が相次いだ[32]。LGBTアクティビストの東小雪は「少子化とLGBTの権利を守ることは全く別の問題」「どのような文化的背景、宗教の国にも性的マイノリティの人々は一定の数います。可視化が進んでも"LGBTばかりになる"ことはありえません」と批判した[33]。平沢は1月7日の電話取材で、同性婚については、自身の考えとして「憲法に保障された権利で、そもそも賛成・反対の話ではない。『やめろ』ということはできない」「同性婚などの話題はタブー視され過ぎていて議論が進まない。これがおかしい」と語った[33]が、謝罪も撤回もしなかった。 派閥からの収入計1080万円が政治資金報告書に不記載2023年12月1日、朝日新聞が、自民党5派閥の政治資金パーティーをめぐる問題で、清和政策研究会(安倍派)が、所属議員が販売ノルマを超えて集めた分の収入を裏金として議員側にキックバックする運用を組織的に続けてきた疑いがあるとスクープした[34]。 この裏金問題に伴い、95名超の自民党議員が政治資金報告書の訂正をする中[35]、平沢が代表を務める資金管理団体「勝栄会」も、「志帥会」側からの収入として2020年に288万円、2021年に792万円のあわせて1080万円を記載せず、2024年1月18日に訂正した[36]。 2024年4月4日、自民党は党紀委員会を開き、平沢を党の役職停止1年とするなど、安倍、二階両派の議員ら39人への処分を決定した[37]。 同年7月8日、東京地検特捜部は、政治資金規正法違反の疑いで告発されていた平沢について、派閥の収支報告書に虚偽記載した疑いについては嫌疑なし、議員側の政治団体の収支報告書に虚偽記載した疑いなどについては嫌疑不十分とし、いずれも不起訴処分とした[38][39]。 →詳細は「政治資金パーティー収入の裏金問題」を参照
同年10月の衆院選に関しては、10月9日、自民党本部は森山裕幹事長の名で、候補予定者に対し、政党交付金から公認料500万円と活動費1500万円の計2000万円をそれぞれの政党支部へ10日付で振り込むことを通知した[40]。10月19日、しんぶん赤旗のスクープにより、裏金問題で非公認となった11人の候補者のうち、平沢ら8人[注 2]が自民党選挙区支部の支部長のままであることが明らかとなった[42]。続いて10月23日、同紙は、2000万円が平沢ら8人と不出馬になった人が代表を務める政党支部に対しても支給されていたと報じた[43][40][41]。野党は「裏金議員の裏公認だ」「反省していない」とただちに批判を強めた[44][45]。 政策・主張公明党批判
パチンコ業界との繋がり
北朝鮮による日本人拉致問題への取り組み北朝鮮による日本人拉致問題に関し、拉致議連には草創期から関わっていた。 2004年4月、山崎拓が極秘に訪中し、拉致問題について北朝鮮高官を相手に直接交渉した際、山崎に同行した[47]。山崎・平沢の訪中は対北朝鮮交渉を政府間ルートに一本化するとの外交方針に反する可能性があるとして問題視された[47]。平沢については、総務大臣政務官在任中であること、事前の届け出なしに訪中したことが政府・与党内でも批判された[48][49]。 平沢は総務大臣政務官、拉致議連事務局長を辞任した[50]。拉致議連は、平沢の行動が「自らの功名のために拉致問題を利用する背信的行為」に当たるとの非難声明を出した[51]。また、救う会も山崎・平沢の行動を「拉致問題を政治利用している」と非難した[52]。 その他
選挙歴
所属団体・議員連盟
著書単著
共著
出演番組
脚注注釈
出典
関連項目外部リンク
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