大野郡(おおのぐん)は、岐阜県(飛騨国)の郡。
人口1,409人、面積356.64km²、人口密度3.95人/km²。(2024年11月1日、推計人口)
下記の1村を含む。
郡域
1879年(明治12年)に行政区画として発足した当時の郡域は、上記1村のほか、以下の区域にあたる。
- 高山市の大部分(国府町各町・上宝町各町・奥飛騨温泉郷各町・高根町各町・朝日町各町・久々野町久須母・久々野町柳島・久々野町大西・久々野町小屋名・久々野町辻を除く)
- 下呂市の一部(萩原町山之口)
歴史
近世以降の沿革
知行
|
郷
|
村数
|
村名
|
幕府領
|
灘郷
|
16村
|
○一之町村[2]、二之町村[3]、三之町村、片野村、○石浦村、花里村、○西之一色村、○千島村、○冬頭村、春国村、上岡本村、七日町村、○下岡本村、桐生村、本母村、江名子村
|
三枝郷
|
5村
|
前原村、赤保木村、下切村、中切村、○上切村
|
大八賀郷
|
11村
|
山口村(現・高山市大名田地区)、塩屋村(現・高山市大名田地区)、大島村、滝村、大洞村、岩井村、○三福寺村、松本村、松之木村、○五名村、○漆垣内村
|
小八賀郷
|
27村
|
小野村、根方村、白井村、芦谷村、板殿村、○日面村、日影村、駄吉村、○旗鉾村、久手村、岩井谷村、池之俣村、瓜田村、法力村、大萱村、○坊方村、○山口村(現・高山市丹生川地区)、大谷村(現・高山市丹生川地区)、塩屋村(現・高山市丹生川地区)、○町方村、桐山村、新張村、細越村、下保村、殿垣内村、○小木曾村、下坪村
|
河内郷
|
7村
|
○有道村、小坊村、引下村、木賊洞村、長淀村、渚村、阿多粕村
|
久々野郷
|
5村
|
○宮村、○山之口村、久々野村、山梨村、無数河村
|
川上郷
|
17村
|
下林村、○山田村、○新宮村、○下之切村、○八日町村、三日町村、○牧ヶ洞村、○藤瀬村、福寄村、○三ツ谷村、○下本村、坂村、○有巣村、二俣村、中野村(現・高山市清見地区)、○楢谷村、○大原村
|
小鳥郷
|
6村
|
江黒村、○大谷村(現・高山市清見地区)、○池本村、○二本木村、○夏厩村、○上小鳥村
|
白川郷
|
42村
|
森茂村、○六厩村、○三尾河村、○寺河戸村、○黒谷村、惣則村、一色村、猿丸村、町屋村、○新淵村、野々俣村、中畑村、牧戸村、○牛丸村、○岩瀬村、○赤谷村、○中野村(現・高山市荘川地区)、○海上村、○尾上郷村、○尾神村、○平瀬村、○御母衣村、○牧村、○福島村、○長瀬村、○木谷村、保木脇村、○野谷村、大牧村、大窪村、○馬狩村、○荻町村、島村、牛首村、○鳩谷村、○飯島村、○内ヶ戸村、○加須良村、○椿原村、○有家ヶ原村、○芦倉村、○小白川村
|
- 慶応4年
- 明治4年11月20日(1871年12月31日) - 第1次府県統合により、筑摩県の管轄となる。
- 明治8年(1875年) - 以下の町村の統合が行われる。(1町6村)
- 高山町 ← 一之町村、二之町村、三之町村
- 大名田村 ← 片野村、石浦村、花里村、西之一色村、千島村、冬頭村、春国村、上岡本村、七日町村、下岡本村、桐生村、本母村、江名子村、山口村(現・高山市大名田地区)、塩屋村(現・高山市大名田地区)、大島村、滝村、大洞村、岩井村、三福寺村、松本村、松之木村、五名村、漆垣内村
- 位山村 ← 宮村、山之口村、久々野村、山梨村、無数河村、有道村、小坊村、引下村、木賊洞村、長淀村、渚村、阿多粕村
- 清見村 ← 森茂村、下林村、山田村、新宮村、下之切村、八日町村、三日町村、牧ヶ洞村、藤瀬村、福寄村、三ツ谷村、下本村、坂村、有巣村、二俣村、中野村(現・高山市清見地区)、楢谷村、大原村、江黒村、大谷村(現・高山市清見地区)、池本村、二本木村、夏厩村、上小鳥村、前原村、赤保木村、下切村、中切村、上切村
- 荘川村 ← 六厩村、三尾河村、寺河戸村、黒谷村、惣則村、一色村、猿丸村、町屋村、新淵村、野々俣村、中畑村、牧戸村、牛丸村、岩瀬村、赤谷村、中野村(現・高山市荘川地区)、海上村、尾上郷村
- 白川村 ← 尾神村、平瀬村、御母衣村、牧村、福島村、長瀬村、木谷村、保木脇村、野谷村、大牧村、大窪村、馬狩村、荻町村、島村、牛首村、鳩谷村、飯島村、内ヶ戸村、加須良村、椿原村、有家ヶ原村、芦倉村、小白川村
- 丹生川村 ← 小野村、根方村、白井村、芦谷村、板殿村、日面村、日影村、駄吉村、旗鉾村、久手村、岩井谷村、池之俣村、瓜田村、法力村、大萱村、坊方村、山口村(現・高山市丹生川地区)、大谷村(現・高山市丹生川地区)、塩屋村(現・高山市丹生川地区)、町方村、桐山村、新張村、細越村、下保村、殿垣内村、小木曾村、下坪村、吉城郡折敷地村、大沼村、森部村、三之瀬村、柏原村
- 明治9年(1876年)8月21日 - 第2次府県統合により、岐阜県の管轄となる。
- 明治12年(1879年)2月18日 - 郡区町村編制法の岐阜県での施行により、行政区画としての大野郡が発足。「大野益田吉城郡役所」が高山町に設置され、吉城郡・益田郡とともに管轄。
- 明治16年(1883年) - 位山村が分割し、一部(宮組)が宮村、一部(無数河組・山梨組・久々野組)が久々野村、一部(山之口組)が山之口村、残部(阿多粕組・渚組・長淀組・木賊洞組・引下組・小坊組・有道組)が河内村となる。(1町9村)
町村制以降の沿革
- 明治22年(1889年)7月1日 - 町村制の施行により、荘川村(現・高山市)、白川村(現存)、宮村、久々野村、河内村(現・高山市)、山之口村(現・下呂市)、大名田村、丹生川村、上枝村、清見村、高山町(現・高山市)が発足。それにともない以下の変更が行われる。(1町10村)
- 清見村の一部(下林組・山田組・新宮組・下之切組・八日町組・前原組・赤保木組・下切組・中切組・上切組)が分立して上枝村が発足。
- 久々野村が益田郡朝日村の一部(久須母組・柳島組・大西組・小屋名組・辻組)を合併。
- 高山町と大名田村との間で境界変更が行われる。
- 明治25年(1892年)5月19日 - 大名田村の一部(上岡本・下岡本・松本・桐生・本母・冬頭)が分立して灘村が、一部(三福寺・松ノ木・五名・漆垣内・大洞・塩屋・山口・大島・岩井・滝)が分立して大八賀村(おおはちがむら)がそれぞれ発足[4]。 (1町12村)
- 明治30年(1897年)
- 4月1日 - 久々野村・河内村が合併し、改めて久々野村が発足。(1町11村)
- 8月1日 - 郡制を施行。郡役所が高山町に設置。
- 大正12年(1923年)
- 4月1日 - 郡会が廃止。郡役所は存続。
- 10月10日 - 大名田村が町制施行して大名田町となる。(2町10村)
- 大正15年(1926年)
- 7月1日 - 郡役所が廃止。内務省告示第82号により飛騨支庁が設置され、吉城郡とともに管轄。
- 10月1日 - 灘村が高山町に編入。(2町9村)
- 昭和10年(1935年) - 面積1,606.88平方km、人口58,937人(男30,571人・女28,366人)[5]。
- 昭和11年(1936年)11月1日 - 高山町・大名田町が合併して高山市が発足し、郡より離脱。(9村)
- 昭和18年(1943年)4月1日 - 上枝村が高山市に編入。(8村)
- 昭和25年(1950年)4月1日 - 益田郡朝日村・高根村の所属郡が本郡に変更。(10村)
- 昭和29年(1954年)4月1日 - 久々野村が町制施行して久々野町となる。(1町9村)
- 昭和30年(1955年)4月1日 - 大八賀村が高山市に編入。(1町8村)
- 昭和31年(1956年)8月25日 - 山之口村が益田郡萩原町・川西村と合併し、改めて益田郡萩原町が発足。(1町7村)
- 平成17年(2005年)2月1日 - 丹生川村・清見村・荘川村・宮村・久々野町・朝日村・高根村が高山市に編入。(1村)
変遷表
自治体の変遷
明治22年以前
|
明治22年 7月1日 町村制施行
|
明治22年 - 明治45年
|
大正元年 - 大正15年
|
昭和元年 - 昭和64年
|
平成元年 - 現在
|
現在
|
山之口村
|
明治8年 位山村
|
明治16年 山之口村
|
山之口村
|
山之口村
|
山之口村
|
昭和31年8月25日 益田郡 萩原町の一部
|
平成16年3月1日 下呂市の一部
|
下呂市
|
宮村
|
明治16年 宮村
|
宮村
|
宮村
|
宮村
|
宮村
|
平成17年2月1日 高山市に編入
|
高山市
|
阿多粕村
|
明治16年 河内村
|
河内村
|
明治30年4月1日 久々野村
|
久々野村
|
昭和29年4月1日 町制 久々野町
|
渚村
|
長淀村
|
木賊洞村
|
引下村
|
小坊村
|
有道村
|
無数河村
|
明治16年 久々野村
|
久々野村
|
山梨村
|
久々野村
|
益 田 郡
|
久須母村
|
明治8年 朝日村
|
大西村
|
柳島村
|
小屋名村
|
辻村
|
小谷村
|
朝日村
|
朝日村
|
朝日村
|
昭和25年4月1日 朝日村
|
甲村
|
見座村
|
立岩村
|
小瀬村
|
万石村
|
上ヶ見村
|
寺沢村
|
大広村
|
黒川村
|
浅井村
|
青屋村
|
寺附村
|
小瀬ヶ洞村
|
黍生谷村
|
一之宿村
|
桑之島村
|
宮之前村
|
西洞村
|
胡桃島村
|
猪之鼻村
|
明治8年 高根村
|
高根村
|
高根村
|
高根村
|
昭和25年4月1日 高根村
|
中之宿村
|
中洞村
|
池ヶ洞村
|
下之向村
|
日影村
|
上ヶ洞村
|
阿多野郷村
|
日和田村
|
小日和田村
|
野麦村
|
大古井村
|
小野村
|
明治8年 丹生川村
|
丹生川村
|
丹生川村
|
丹生川村
|
丹生川村
|
根方村
|
白井村
|
芦谷村
|
板殿村
|
日面村
|
日影村
|
駄吉村
|
旗鉾村
|
久手村
|
岩井谷村
|
池之俣村
|
瓜田村
|
法力村
|
大萱村
|
坊方村
|
山口村
|
大谷村
|
塩屋村
|
町方村
|
桐山村
|
新張村
|
細越村
|
下保村
|
殿垣内村
|
小木曾村
|
下坪村
|
吉 城 郡
|
折敷地村
|
大沼村
|
森部村
|
三之瀬村
|
柏原村
|
六厩村
|
明治8年 荘川村
|
荘川村
|
荘川村
|
荘川村
|
荘川村
|
三尾河村
|
寺河戸村
|
黒谷村
|
惣則村
|
一色村
|
猿丸村
|
町屋村
|
新淵村
|
野々俣村
|
中畑村
|
牧戸村
|
牛丸村
|
岩瀬村
|
赤谷村
|
中野村
|
海上村
|
尾上郷村
|
森茂村
|
明治8年 上枝村
|
清見村
|
清見村
|
清見村
|
清見村
|
三日町村
|
牧ヶ洞村
|
藤瀬村
|
福寄村
|
三ツ谷村
|
下本村
|
坂村
|
有巣村
|
二俣村
|
中野村
|
楢谷村
|
大原村
|
江黒村
|
大谷村
|
池本村
|
二本木村
|
夏厩村
|
上小鳥村
|
下林村
|
上枝村
|
上枝村
|
上枝村
|
昭和18年4月1日 高山市に編入
|
高山市
|
山田村
|
新宮村
|
下之切村
|
八日町村
|
前原村
|
赤保木村
|
下切村
|
中切村
|
上切村
|
一之町村
|
明治8年 高山町
|
高山町
|
高山町
|
高山町
|
昭和11年11月1日 高山市
|
二之町村
|
三之町村
|
上岡本村
|
明治8年 大名田村
|
大名田村
|
明治25年5月19日 灘村
|
大正15年10月1日 高山町に編入
|
下岡本村
|
松本村
|
桐生村
|
本母村
|
冬頭村
|
片野村
|
大名田村
|
大正12年10月10日 町制 大名田町
|
石浦村
|
花里村
|
西之一色村
|
千島村
|
春国村
|
七日町村
|
江名子村
|
三福寺村
|
明治25年5月19日 大八賀村[4]
|
大八賀村[4]
|
昭和30年4月1日 高山市に編入
|
松之木村
|
五名村
|
漆垣内村
|
大洞村
|
塩屋村
|
山口村
|
大島村
|
岩井村
|
滝村
|
尾神村
|
明治8年 白川村
|
白川村
|
白川村
|
白川村
|
白川村
|
白川村
|
白川村
|
平瀬村
|
御母衣村
|
牧村
|
福島村
|
長瀬村
|
木谷村
|
保木脇村
|
野谷村
|
大牧村
|
大窪村
|
馬狩村
|
荻町村
|
島村
|
牛首村
|
鳩谷村
|
飯島村
|
内ヶ戸村
|
加須良村
|
椿原村
|
有家ヶ原村
|
芦倉村
|
小白川村
|
行政
- 大野・吉城・益田郡長
代 |
氏名 |
就任年月日 |
退任年月日 |
備考
|
1 |
|
明治12年(1879年)2月18日 |
|
|
|
|
|
明治30年(1897年)7月31日 |
廃官
|
- 大野郡長
代 |
氏名 |
就任年月日 |
退任年月日 |
備考
|
1 |
|
明治30年(1897年)8月1日 |
|
|
|
|
|
大正15年(1926年)6月30日 |
郡役所廃止により、廃官
|
脚注
- ^ 領主から年貢免除の特権を与えられた土地。
- ^ 記載は壱之町村。
- ^ 記載は弐之町村。
- ^ a b c 大八賀村の読み方については『高山市史』など正しく扱われているものもあるが、平凡社・角川書店の地名辞典では「だいはちがむら」と誤っているので注意を払う必要がある。なお、河川の大八賀川も「おおはちが―がわ」が正しい[要出典]。
- ^ 昭和10年国勢調査による。国立国会図書館の近代デジタルライブラリーで閲覧可能。
参考文献
関連文献
関連項目