昭和四十六年 大久保清の犯罪
『昭和四十六年 大久保清の犯罪』(しょうわよんじゅうろくねん おおくぼきよしのはんざい)は、1983年8月29日の21時02分 - 22時54分にTBS系列で放送された、単発のテレビドラマ。副題は「戦後最大の連続女性誘拐殺人事件」である。 概要1970年代後半から80年代にかけて、土曜ワイド劇場『戦後最大の誘拐 吉展ちゃん事件』(1979年、テレビ朝日系、主演・泉谷しげる)を皮切りに、TBSの実録ドラマシリーズ3作が次々につくられた[1]。本作『昭和四十六年 大久保清の犯罪 戦後最大の連続女性誘拐殺人事件』、『イエスの方舟 イエスと呼ばれた男と19人の女たち』(1985年)、『説得 エホバの証人と輸血拒否事件』(1993年)がそれで、いずれもビートたけしが事件の主役を演じている[1]。制作発表会見は、1983年4月11日に行われる予定であったが、遺族や被害者からクレームが起こり、急遽中止となる出来事もあったが、実録ドラマシリーズ第1作となるこの作品は、筑波昭『昭和四十六年、群馬の春 大久保清の犯罪』(草思社)を原作に、群馬県で8人の女性を殺害した大久保清の半生を描いた[1]。 芸術家やコミュニストを気取って、白い高級車を乗り回し、若い女性を手当たり次第にくどく。そして強姦して殺害する[1]。この芸術家気取り(精神の高みへの願望)と醜悪な性の歪みは、どこからくるものなのか[1]。脚本の池端俊策は、その精神的分裂の根源を大久保清の家族関係のなかに浮かび上がらせた[1]。 この作品でプロデューサーデビューを果たした八木康夫は、お笑い芸人・たけしの毒に惹かれての主役への起用だったといい、その存在感への期待が実録ドラマシリーズを誕生させる[2]。その頃、たけしは『オレたちひょうきん族』(フジテレビ系)などで、人気絶頂のお笑い芸人であり[1]、フジの金曜ドラマシアター第1回放送作品である実録犯罪史シリーズ『金の戦争 ライフル魔殺人事件』(1991年)でも主役を演じ、金嬉老に扮した。 映像ゾフトとしては、ジャパンホームビデオからVHSで販売され(廃盤)、TBSチャンネル、BS-TBSで放送されたこともある。 因みに、たけし率いるたけし軍団に、かつて新大久保清というお笑いタレントが在籍していた。この芸名は、本作の制作時期に彼が弟子入りしたため、たけしの思いつきで付けられた。 キャスト
今西正男、木場剛、岡田和子、川村一代、草村礼子、久保晶、寺島幹夫、神山卓三、桑原一人 スタッフ
脚注参考文献
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