1967年のF1世界選手権(1967ねんのエフワンせかいせんしゅけん)は、FIAフォーミュラ1世界選手権の第18回大会である[1]。1967年1月2日に南アフリカで開幕し、10月22日にメキシコで開催される最終戦まで、全11戦で争われた。
シーズン概要
オランダグランプリでロータスは史上最高のレーシングエンジンの1つであるコスワースDFVを公開した。DFVはフォードの資金提供により開発されたエンジンで、F1では後に155勝を挙げることとなる。ジム・クラークはシーズンで4勝を挙げたが、タイトルはデニス・ハルムが獲得した。モンツァでクラークはタイヤ交換のためピットインし、再び首位を取るべく猛追したものの最後の一周で燃料切れとなった。そのドライブは彼が傑出したドライバーであることを裏付けるものであった。ダン・ガーニーのイーグルは1勝を挙げ、ペドロ・ロドリゲスは南アフリカグランプリで勝利した。このレースでは地元ドライバーのジョン・ラヴがロドリゲスに迫ったが、ロドリゲスはこれを抑え時代遅れと化したクーパーに最後の勝利をもたらした。
ハルムはF1史上初のシーズン中ポールポジションを獲得しなかったワールドチャンピオンとなった。1984年シーズン、ニキ・ラウダもシーズン中にポールポジションを獲得せずにタイトルを獲得したが、そのようなワールドチャンピオンは2023年現在この2名だけである。
開催地及び勝者
エントリーリスト
チーム
|
コンストラクター
|
シャシー
|
エンジン
|
タイヤ
|
ドライバー
|
出場ラウンド
|
ブラバム・レーシング・オーガニゼーション
|
ブラバム
|
BT20 BT19 BT24
|
レプコ 740 3.0 V8
|
G
|
ジャック・ブラバム
|
全戦
|
デニス・ハルム
|
全戦
|
クーパー・カー・カンパニー
|
クーパー
|
T81 T81B T86
|
マセラティ 9/F1 3.0 V12 マセラティ 10/F1 3.0 V12
|
F
|
ヨッヘン・リント
|
全戦
|
ペドロ・ロドリゲス
|
1-7, 11
|
アラン・リーズ
|
6
|
リチャード・アトウッド
|
8
|
ジャッキー・イクス
|
9-10
|
オーウェン・レーシング・オーガニゼーション
|
BRM
|
P83 P261 P115
|
BRM P75 3.0 H16 BRM P60 2.1 V8
|
G
|
ジャッキー・スチュワート
|
全戦
|
マイク・スペンス
|
全戦
|
チーム・ロータス
|
ロータス
|
43 33 49
|
BRM P75 3.0 H16 クライマックス FWMV 2.0 V8 BRM P60 2.1 V8 フォード コスワースDFV 3.0 V8
|
F
|
ジム・クラーク
|
全戦
|
グラハム・ヒル
|
全戦
|
エーピー・ウィーツェス
|
8
|
ジャンカルロ・バゲッティ
|
9
|
モイセス・ソラーナ
|
10-11
|
48
|
フォード コスワースFVA 1.6 L4
|
F
|
ジャッキー・オリバー
|
7
|
アングロ・アメリカン・レーサーズ
|
イーグル
|
T1F T1G
|
クライマックス FPF 2.8 L4 ウェスレイク 58 3.0 V12
|
G
|
ダン・ガーニー
|
全戦
|
リッチー・ギンサー
|
1-2
|
ボブ・ボンデュラント
|
4
|
A.J.フォイト
|
4
|
ブルース・マクラーレン
|
5-7
|
ルドヴィコ・スカルフィオッティ
|
9
|
ホンダ・レーシング
|
ホンダ
|
RA273 RA300
|
ホンダ RA273E 3.0 V12
|
F
|
ジョン・サーティース
|
1-7, 9-11
|
ロブ・ウォーカー/ジャック・ダーラッシャー レーシング・チーム
|
クーパー
|
T81
|
マセラティ 9/F1 3.0 V12
|
F
|
ジョー・シフェール
|
全戦
|
DW レーシング・エンタープライゼス
|
ブラバム
|
BT11
|
クライマックス FPF 2.8 L4
|
F
D
|
ボブ・アンダーソン
|
1-6
|
ヨアキム・ボニエ・レーシングチーム
|
クーパー
|
T81
|
マセラティ 9/F1 3.0 V12
|
F
|
ヨアキム・ボニエ
|
1-2, 4-11
|
レグ・パーネル・レーシング
|
ロータス BRM
|
25 P261 P83
|
BRM P56 2.0 V8 BRM P75 3.0 H16
|
F
|
ピアス・カレッジ
|
1-3, 6
|
クリス・アーウィン
|
3-11
|
ジョン・ラヴ
|
クーパー
|
T79
|
クライマックス FPF 2.8 L4
|
F
|
ジョン・ラヴ
|
1
|
サム・ティングル
|
LDS
|
Mk 3
|
クライマックス FPF 2.8 L4
|
F
|
サム・ティングル
|
1
|
スクーデリア・スクリバンテ
|
ブラバム
|
BT11
|
クライマックス FPF 2.8 L4
|
-
|
デイヴ・チャールトン
|
1
|
ルキ・ボサ
|
ブラバム
|
BT11
|
クライマックス FPF 2.8 L4
|
-
|
ルキ・ボサ
|
1
|
マトラ・スポーツ
|
マトラ
|
MS7
|
フォード コスワースFVA 1.6 L4
|
D
|
ジャン=ピエール・ベルトワーズ
|
2, 5, 10-11
|
ジョニー・セルボ=ギャバン
|
2, 5
|
ギ・リジェ
|
クーパー ブラバム
|
T81 BT20
|
マセラティ 9/F1 3.0 V12 レプコ 620 3.0 V8
|
D
F
|
ギ・リジェ
|
2, 4-7, 9-11
|
ブルース・マクラーレン・モーターレーシング
|
マクラーレン
|
M4B M5A
|
BRM P56 2.0 V8 BRM P142 3.0 V12
|
G
|
ブルース・マクラーレン
|
2-3, 8-11
|
スクーデリア・フェラーリ SpA SEFAC
|
フェラーリ
|
312
|
フェラーリ 242 3.0 V12 フェラーリ 218 3.0 V12
|
F
|
ロレンツォ・バンディーニ
|
2
|
ルドヴィコ・スカルフィオッティ
|
2-5
|
クリス・エイモン
|
2-11
|
マイク・パークス
|
3-4
|
ジョナサン・ウィリアムズ
|
11
|
アドヴァンス・マフラー/ブルース・ブルーム
|
イーグル
|
T1G
|
ウェスレイク 58 3.0 V12
|
G
|
リッチー・ギンサー
|
3
|
バーナード・ホワイト・レーシング
|
BRM
|
P261
|
BRM P60 2.1 V8
|
G
|
デヴィッド・ホッブス
|
6, 8
|
シャルル・ホーゲル・レーシング
|
クーパー
|
T77
|
ATS 2.7 V8
|
D
|
シルビオ・モーザー
|
6
|
バイエリッシュ・モトーレン・ヴェルケ AG
|
ローラ
|
T100
|
BMW M10 2.0 L4
|
D
|
ヒューベルト・ハーネ
|
7
|
ゲルハルト・ミッター
|
ブラバム
|
BT23
|
フォード コスワースFVA 1.6 L4
|
D
|
ゲルハルト・ミッター
|
7
|
ロイ・ウィンケルマン・レーシング
|
ブラバム
|
BT23
|
フォード コスワースFVA 1.6 L4
|
-
|
アラン・リーズ
|
7
|
エキュリー・フォード-フランス
|
マトラ
|
MS5
|
フォード コスワースFVA 1.6 L4
|
D
|
ジョー・シュレッサー
|
7
|
ロン・ハリス・レーシングチーム
|
プロトス
|
F2
|
フォード コスワースFVA 1.6 L4
|
-
|
ブライアン・ハート
|
7
|
クルト・アーレンス
|
7
|
ローラ・カーズ
|
ローラ
|
T100
|
BMW M10 2.0 L4 フォード コスワースFVA 1.6 L4
|
F
|
デヴィッド・ホッブス
|
7
|
ブライアン・レッドマン
|
7
|
ティレル・レーシング・オーガニゼーション
|
マトラ
|
MS7
|
フォード コスワースFVA 1.6 L4
|
D
|
ジャッキー・イクス
|
7
|
マイク・フィッシャー
|
ロータス
|
33
|
BRM P60 2.1 V8
|
F
|
マイク・フィッシャー
|
8, 11
|
カストロール・オイルズ・リミテッド
|
イーグル
|
T1F
|
クライマックス FPF 2.8 L4
|
G
|
アル・ピーズ
|
8, 10-11
|
トム・ジョーンズ
|
クーパー
|
T82
|
クライマックス FWMV 2.0 V8
|
-
|
トム・ジョーンズ
|
8
|
エキュリー・フィリピネッティ
|
クーパー
|
T81
|
マセラティ 9/F1 3.0 V12
|
F
|
アンドレア・デ・アダミッチ
|
9
|
イアン・ラビー・レーシング
|
マクラーレン
|
M2B
|
クライマックス FWMV 2.0 V8
|
F
|
トレバー・テイラー
|
9
|
1967年のドライバーズランキング
ポイントは1位から順に6位まで 9-6-4-3-2-1 が与えられた。前半6戦の内ベスト5戦および後半5戦の内ベスト4戦がポイントランキングに数えられた。
|
色 |
結果
|
金色 |
勝者
|
銀色 |
2位
|
銅色 |
3位
|
緑 |
ポイント獲得
|
青
|
完走
|
† 完走扱い(全周回数の90%以上走行)
|
規定周回数不足(NC)
|
紫 |
リタイア(Ret)
|
赤
|
予選不通過(DNQ)
|
予備予選不通過(DNPQ)
|
黒 |
失格(DSQ)
|
白
|
スタートせず(DNS)
|
レース中止(C)
|
水色
|
プラクティスのみ(PO)
|
金曜日テストドライバー(TD) 2003年以降
|
空欄
|
プラクティス出走せず(DNP)
|
除外 (EX)
|
到着せず (DNA)
|
欠場 (WD)
|
|
1967年のコンストラクターズランキング
ポイントは1位から順に6位まで 9-6-4-3-2-1 が与えられた。各コンストラクターとも最上位の車両にポイントが与えられた。前半6戦の内ベスト5戦および後半5戦の内ベスト4戦がポイントランキングに数えられた。
ノンタイトル戦結果
参照
- ^ FIA Yearbook, 1974, Grey Section, pages 117-118
- ^ a b 前半6戦の内ベスト5戦および後半5戦の内ベスト4戦がポイントランキングに数えられた。ポイントは有効ポイント、括弧内は総獲得ポイント。
外部リンク
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1950年代 | |
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1960年代 | |
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1970年代 | |
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1980年代 | |
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1990年代 | |
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2000年代 | |
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2010年代 | |
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2020年代 | |
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