二重星団 [ 3] Double Cluster ）はペルセウス座 にある散開星団 である。カシオペヤ座 との境界の近く、天の川 のほぼ中央に位置している[ 3]
1603年ヨハン・バイエル により西側の星団にh (h Persei)、東側の星団にはχ (χ Persei) のバイエル符号 が振られたため、h+χ （エイチカイ）と呼ばれることがある[ 3] NGCカタログ /Melカタログ でのカタログ番号は、西側の星団が NGC 869 [ 注 1] Mel 13 、東側の星団が NGC 884 [ 注 1] Mel 14 である。
なお、ペルセウス座にはペルセウス座χ星 (χ Persei) という6等級の恒星もある[ 6] ペルセウス座7番星 (7 Persei) と呼ばれる。
この2つの散開星団は、ペルセウス座OBアソシエーション の中核を成していると考えられ、誕生してから約1400万年が経過しているとされる[ 2] 赤色超巨星 となっている[ 7] 半規則型変光星 のペルセウス座S星 ・ペルセウス座T星 ・ペルセウス座RS星 ・ペルセウス座SU星 ・ペルセウス座AD星 は二重星団に属する赤色超巨星である[ 7]
肉眼でも存在が確認できるため、すでに紀元前からヒッパルコス により「恒星ではない、かすかな光のかたまり」として記録されていた[ 2] [ 3]
過去、hとχの符号がどの天体に付けられたのかについて混乱が見られた。1840年代以降はNGC884がχ、NGC869がhと看做されているが、元々ティコ・ブラーエ は2つの星団を1つのものと考えており、そのティコ・ブラーエの星表を元にバイエル符号を付けたバイエル が h Perseiとしたのは別の星であると考えられている[ 8]
この天体が2つの星団であると明確に認識したのは望遠鏡 によって観測したガリレオ・ガリレイ [ 3] ウィリアム・ハーシェル [ 2] [ 注 2]
目立つ天体ではあるが、シャルル・メシエ はメシエ番号 を与えていない[ 3]
^ a b 『ニュートン 』2014年10月号の記事では誤って「西側がNGC884、東側がNGC869」と記載されているが、正しくは逆である。
^ 藤井旭 によれば、ハーシェルは銀河の一部がとくに濃くなったところと考えていたようだという。
^ a b c d e f g h i j “Result for h Persei Cluster ”. 2014年8月29日 閲覧。
^ a b c d e 渡部潤一 「宇宙天体百科 二重星団」『ニュートン 』第34巻、第10号、ニュートンプレス、138-140頁、2014年。
^ a b c d e f g h 藤井旭 『全天星雲星団ガイドブック』誠文堂新光社 、1978年10月。ISBN 978-4416278000 。
^ a b Thayne Currie; Jesus Hernandez, Jonathan Irwin, Scott J. Kenyon, Susan Tokarz, Zoltan Balog, Ann Bragg, Perry Berlind, and Mike CalkinsLynne A. Hillenbrand (2010年2月). “THE STELLAR POPULATION OF h AND χ PERSEI: CLUSTER PROPERTIES, MEMBERSHIP, AND THE INTRINSIC COLORS AND TEMPERATURES OF STARS ”. The Astrophysical Journal. 2014年8月29日 閲覧。
^ a b c d e f g h i j “Result for Chi Persei Cluster ”. 2014年8月29日 閲覧。
^ “Result for Chi Persei ”. 2014年8月29日 閲覧。 ^ a b ロバート・バーナム・ジュニア 著、斉田博 訳『星百科大事典』（改訂）地人書館 、1988年2月10日、1215頁。ISBN 978-4805202661 。
^ Stephen James O'Meara; Daniel W.E. Green (2003-02), “The Mystery of the Double Cluster”, Sky and Telescope (Sky Publishing) 105 (2): pp. 116-119
