市振駅
市振駅(いちぶりえき)は、新潟県糸魚川市大字市振にある、えちごトキめき鉄道・あいの風とやま鉄道の駅である[3][6]。新潟県最西端に位置する駅である。 概要えちごトキめき鉄道の日本海ひすいラインと、あいの風とやま鉄道のあいの風とやま鉄道線が乗り入れている。会社境界駅であり、当駅から直江津方面が日本海ひすいライン[4][6]、富山・倶利伽羅方面があいの風とやま鉄道線となっている[4][6]。当駅は両社の共同使用駅で、えちごトキめき鉄道の管轄駅である[5]。あいの風とやま鉄道で唯一、新潟県に所在する駅である(ただし、あいの風とやま鉄道の管轄駅はすべて富山県に所在)。当駅の西側を流れる境川が富山県・新潟県の両県境である。鉄道資産上は県境付近が両社の境界だが、営業上では当駅が境界で、運賃体系も変わる。 元々は両路線とも西日本旅客鉄道(JR西日本)の北陸本線であったが、2015年3月14日の北陸新幹線長野駅 - 金沢駅間延伸開業に伴う並行在来線の経営分離により[7][6]、当駅を境に直江津方はえちごトキめき鉄道[2]、倶利伽羅方はあいの風とやま鉄道へ承継され[2]、駅施設もえちごトキめき鉄道へ移管された。 営業上の境界駅は当駅だが、運転系統上での境界駅は朝日町役場の最寄り駅である泊駅となっていて、あいの風とやま鉄道線の泊駅 - 市振駅間は、日本海ひすいラインと一体的な運用が行われている(ただし、糸魚川・直江津方面を結ぶ日本海ひすいラインの急行は当駅発着で運行される)。えちごトキめき鉄道の車両はあいの風とやま鉄道線内では泊駅までの運行、あいの風とやま鉄道の車両は日本海ひすいライン内では糸魚川駅までの運行である。なお、当駅での乗務員交代は行われず、えちごトキめき鉄道またはあいの風とやま鉄道の乗務員が通しで乗務する。 →詳細は「えちごトキめき鉄道日本海ひすいライン § 運行形態」を参照
あいの風とやま鉄道線ではJR西日本発行のICカードICOCAが導入されているが、当駅はえちごトキめき鉄道管轄である(えちごトキめき鉄道はICカードを導入していない)ため2023年時点で使用できない[8][9][10]。 歴史
駅構造島式ホーム1面2線を有する地上駅である[21]。駅舎側ののりばに富山方面の列車が、駅舎とは反対側ののりばに直江津方面の列車が発着する。ホームの親不知方の端は緩やかな坂になっており、ここから駅舎へ遮断機・警報機つきの構内踏切が伸びている[21]。駅は海岸沿いに設けられておりホームから海面をのぞむことができる[6][21]。ホームの両側の先に片渡り線が設置されており、急行は親不知寄りの渡り線を利用して折り返す。 JR西日本時代、新潟県ではJR西日本管内最西端の駅であり、当駅から東は糸魚川地域鉄道部の管轄であった[22][23]。 駅舎は1908年(明治41年)に竣工した古くからのもので木造平屋建ての建築物である。開業4年前に駅舎が竣工していたのは、かつて当駅が隧道建設の基地であったためであるという[24]。瓦葺き切妻屋根、回廊を巡らした造形など明治期の駅舎の様子が現存しており、屋根の上には雪下ろしの際に命綱を結びつける金具が残っている。駅舎内部には待合所と駅事務室があるが無人駅である[21]。 駅の構内には駅舎の越中宮崎方の脇にレンガ積みのランプ小屋が一棟残っている[21]。駅舎および付属のランプ小屋は、2023年2月27日に国の登録有形文化財に登録されている[20]。
のりば
利用状況2023年(令和5年)度の1日平均乗車人員は48人である[25]。
駅周辺駅の東側には市振集落が、西側には玉ノ木集落があり、特に市振の集落には市振郵便局がある。かつては郵便局の近くに糸魚川市立市振小学校も存在したが、児童数減少のために糸魚川市立青海小学校に統廃合された。現在は校舎が解体され、石碑が残っている。当地は古くは越後国と越中国の境となっており、関所(市振関)が置かれていたほか、難所親不知が市振の集落から東側に15キロメートルほど続いている[21][23]。「市振」の地名は松尾芭蕉の『奥の細道』に掲載された句(奥の細道#市振の関を参照)にも登場する。 新潟県では最西端の駅である。富山県との県境は近く、当駅の西1キロメートルほどのところで日本海に注ぐ境川が県境である。駅の東500メートルの長円寺には、芭蕉の句を記念する句碑が建立されている。 当駅前からあいの風とやま鉄道・泊駅まで朝日町「あさひまちバス」が運行されている[37]。 バス路線
隣の駅
その他1979年公開の映画「戦国自衛隊」のロケ地のひとつであり、岡田奈々演じる新井和子が、にしきのあきら演じる婚約者(菊池一等陸士)と駆け落ちするためにホームで待つシーンがある。 なお、劇中では、ホーム上の駅名が「いまぶり」に差し替えられている。 脚注
関連項目
外部リンク
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