1971年イギリスグランプリ
1971年イギリスグランプリ (1971 British Grand Prix) は、1971年のF1世界選手権第6戦として、1971年7月17日にシルバーストン・サーキットで開催された。 レースは68周で行われ、ティレルのジャッキー・スチュワートが2番手スタートから優勝した。マーチのロニー・ピーターソンが2位、ロータスのエマーソン・フィッティパルディが3位となった。 レース前前戦フランスGPと本レースの間の7月11日に西ドイツのノリスリンクで行われたインターセリエスポーツカーレースで、ペドロ・ロドリゲスが借り物のフェラーリ・512Sで首位を走行中[3]に激しくクラッシュし、炎上するマシンに閉じ込められた。ロドリゲスは救助されたが数多くの重症を負い、数時間後にニュルンベルクの病院で亡くなった[4]。享年31歳。弟のリカルド・ロドリゲスも9年前の1962年メキシコGPの事故により20歳の若さで亡くなっている。ロドリゲスの死により、この年のメキシコGPは開催意義がなくなったためキャンセルされた[3][注 1]。 エントリーペドロ・ロドリゲスを失ったBRMはジョー・シフェールがエースに昇格し[5]、ハウデン・ガンレイと2台で参加した。ロータスはガスタービンエンジン搭載の56Bを再び登場させ、レイネ・ウィセルに与えた[4]。エマーソン・フィッティパルディとデイヴ・チャールトンは本レースからインダクションポッドが装着された72Dを使用する[6]。マクラーレンはこの年F1のレギュラーシートを失っていたジャッキー・オリバーが加わった[5]。マーチはアレックス・ソラー=ロイグをパフォーマンスの悪さと持ち込み資金が尽きたことにより解雇した。これによりアンドレア・デ・アダミッチは引き続きアルファロメオエンジンを使用し、ナンニ・ギャリはソラー=ロイグが使用していたDFVエンジン搭載の711を引き継いだ[6]。なお、ロニー・ピーターソンは1戦でDFVエンジンに戻った。地元出身のデレック・ベルはサーティースからスポット参戦する[4]。同じく地元出身のマイク・ボイトラーはクラーク=モーダウント=ガスリー・レーシングからマーチ・711を走らせる[6]。 エントリーリスト
予選フェラーリのクレイ・レガツォーニが大胆な走りを見せ、ポールポジションを獲得した[9]。レガツォーニの最速タイム(1分18秒1)は木曜日に記録され、ジャッキー・スチュワートは翌日に同じタイムを出したが、先に出したレガツォーニが上位となる。この2人からわずか0.1秒差のジョー・シフェールが3番手に続き、フロントローを獲得した[注 2]。さらに0.1秒差でエマーソン・フィッティパルディが4番手となり[6]、5番手のロニー・ピーターソンと2列目に並ぶ。3列目はジャッキー・イクス、ティム・シェンケン、デニス・ハルムが占めた[4]。 予選結果
決勝スターターが国旗を振るのが遅かったため[注 3]、スタートは混乱した[6]。後方でジャッキー・オリバーがグラハム・ヒルと接触し、オリバーは50ポンドの罰金を課せられた。クレイ・レガツォーニが首位をキープし、ジャッキー・イクスがジャッキー・スチュワートを抜き、フェラーリ勢の1-2体制となったが、2周目にスチュワートがイクスを抜き返し、ジョー・シフェールもイクスを抜いた。スチュワートは4周目にレガツォーニを抜いて首位に立つと後続との差を広げていった。レガツォーニは5周目にシフェールにも抜かれ、スチュワート、シフェール、レガツォーニ、イクスの順でレースは進行していく。エマーソン・フィッティパルディはスタートに失敗し、1周目が終わる頃に11位に後退していたが[4]、ロニー・ピーターソンとティム・シェンケンとともに記憶に残る入賞圏内争いを繰り広げる。シフェールは振動に悩まされ、17周目にレガツォーニに抜き返されたが[4]、レガツォーニの後方に留まり続けた。スチュワートはリードをさらに広げ、20周目にはレガツォーニに18秒の差を付けた。イクスは左フロントタイヤのゴムが剥離したため順位を落とし、シフェールも点火装置のトラブルでピットインしたため[6]、ピーターソン、シェンケン、フィッティパルディが3-5位に浮上する。 48周目にはタイヤの問題がレガツォーニにも起こり、タイヤの交換を済ませてピットアウトしようとした際にエンジンの油圧が低下してしまい、そのままリタイアした[6]。シェンケンもギアボックスに問題が発生してリタイアとなり、初めての表彰台のチャンスを逸した[6]。 スチュワートは母国グランプリで圧倒的な勝利を収めて連勝し、今季4勝目を挙げた[13]。ピーターソンは2度目の2位に食い込み[3]、フィッティパルディが3位表彰台を獲得した[4]。アンリ・ペスカロロはロルフ・シュトメレンにわずか0.5秒差で4位となり、ジョン・サーティースが6位に入賞した。 スチュワートはチャンピオン争いでも2位イクスとの差を23点に広げ、独走態勢に入った。 レース結果
第6戦終了時点のランキング
脚注注釈出典
参照文献
外部リンク
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