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この項目では、3次元コンピュータグラフィックスソフトウェアについて説明しています。植物のメタセコイアについては「メタセコイア」をご覧ください。 |
Metasequoia(メタセコイア)は、株式会社テトラフェイスが開発・販売しているWindowsおよびmacOS用3DCGソフトウェアである。略称はメタセコまたはmetaseq。
かつてはシェアウェアであり、機能が制限された無償版、 Standard 版、EX 版があったが、Metasequoia 4.9.0以降では、無償の Standard 版[2]と有料の EX 版の構成となった。[3]
Ver3.1以前は通常版と無償版のLEがあるが、現在はVer3.1のライセンスを購入することはできない。
本項では、開発・販売元の株式会社テトラフェイスについても解説する。
概要
1999年5月の初版リリース時からO.Mizno(水野修)が個人事業で開発やサポートを行っていたが、2012年5月から法人化の準備を進め、同年9月に株式会社テトラフェイスを設立[5][4]。Metasequoia上の表記は2012年10月公開のVer3.1 Beta7から法人名となった。なお、公式ブログでは「法人になったからといって開発や販売体制など実質的な面では何も変わらない」(2012年10月時点)と説明している[4]。
ポリゴンメッシュによる3Dモデルの作成(モデリング)に特化した3DCGモデラーである。
直感的でわかりやすい操作性、3DCGモデラーとしての機能性や扱いやすさ、入手のしやすさなど、日本における3DCGモデラーとして人気が高い。データ可搬性を重視しており、様々なファイル形式で入力・出力することができる。低価格であり、趣味で使用する個人ユーザーが多いが、プロが製作現場で使用することもある。採用段階でMetasequoiaの使用経験を認める企業もある[6][7]。
Metasequoia 4.3でボーンに[8]、4.5でモーフに[9]、4.8でパストレーシング(英語版)による物理ベースレンダリングに[1]標準対応するなど、これまでプラグインや別の統合ソフトと連携しなければ実現できなかった高度な機能も実装され始めている。
なお、Metasequoia自体は初版からC++ Builderを使って開発されていることが、公式ブログなどで言及されている[10][11]。
ファイル形式
Metasequoia ファイルフォーマット拡張子 | .mqo, .mqoz |
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開発者 | テトラフェイス |
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種別 | オブジェクトファイル |
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Metasequoia 4.7以降はMQOZ形式が標準形式となっている[12]が、この形式はモデルデータを含むMQO形式とボーンやモーフデータなどを含むMQX形式をZIPフォーマットでまとめたものである[13]。4.7より前はMQO形式とMQX形式が個別に保存されていた[12]。
外部ビューア
- 過去 (3.x以前)
プラグイン/スクリプト
開発者向けにC++用プラグインSDKを公開しており、シェアウェア版では外部開発者によるプラグインを利用することができるようになっている。32bit版のプラグインは64bit版のアプリケーションでは使用することができない。その逆もまた然りである。
プラグインのインターフェイス自体は基本的に後方互換性を持っているため、古いバージョンのSDKで作成されたプラグインであっても新しいバージョンのMetasequoiaで利用可能である。しかしMetasequoia 3.x以前は64bit版が存在しなかったり[14]、多角形ポリゴン (NGon)に未対応であった[14]ため、3.x以前のプラグインにもその制限が引き継がれている。
また、組込マクロ言語としてPythonを採用しており、簡単なバッチ処理などであればプラグインを作成・使用せずともPythonスクリプトを記述して実行することで素早く実現できるようになっている。Ver4.6.9時点でPython 3.6.7に対応[15]。各種モジュールを使用するにはそれぞれ対応する日本語版Windows用Pythonを別途インストールする必要がある。
レンダリング
Metasequoiaにはパストレーシング(英語版)による物理ベースレンダリング機能が搭載されている(Ver4.8以降)[1]。また旧来のスキャンラインやレイトレーシング (Ver4.0以降) を使うこともできる。
外部レンダラー
過去の外部レンダラー
以前は以下の外部提供レンダラーが使われていた。
キャラクターアニメーション
Metasequoiaは長らくボーンやモーフなどのキャラクターアニメーション向け機能を搭載していなかった。アントラッドはMetasequoia向けキャラクターアニメーションツールとしてMikotoをリリースしたが、2003年のMikoto 0.4fを最後にその更新を停止した。その後、mqdlは、Mikotoの後継として、Metasequoia用のキャラクターアニメーションプラグインKeynoteをリリースした。
2008年、樋口優によりキャラクターアニメーションソフトウェアのMikuMikuDance (MMD)がリリースされると、MMD用モデルの製作のためにMetasequoiaとPMDエディタ/PMXエディタの組み合わせが使われるようになった。2011年、MikuMikuDanceの開発終了が宣言され、MikuMikuDanceのクローンソフトウェアが多数登場した。
その後、Metasequoiaはバージョン4.xでボーンやモーフに直接対応し、MMD用のテンプレートも付属するようになった。
外部アニメーションソフトウェア
- 現行
- 過去 (4.6.x以前)
- Vixer Motion [5] / Vixar TransMotion [6]
- 過去 (3.x以前)
バージョン変遷
- 1999年5月10日 Metasequoia Ver1.0 [26]
- 2000年5月3日 Metasequoia LE Ver2.0
- 2000年5月4日 Metasequoia Ver2.0
- 2000年10月17日 Metasequoia Ver2.1.0
- 2001年7月22日 Metasequoia Ver2.2.0
- 2003年10月11日 Metasequoia Ver2.3.0
- 2006年7月25日 Metasequoia Ver2.4.0
- 2012年4月29日 Metasequoia Ver3.0.0
- 2012年10月25日 Metasequoia Ver3.1.0
- 2013年9月30日 Metasequoia 4[27]
- 2014年1月24日 Metasequoia 4.1.0[28]
- 2014年1月29日 Metasequoia 3.1.6(バージョン3系最後のリリース)[29]
- 2014年6月4日 Metasequoia 4.2.0[30]
- 2014年9月30日 Metasequoia 4.3.0[31]
- 2015年2月13日 Metasequoia 4.4.0[32]
- 2015年7月8日 Metasequoia 4.5.0[33]
- 2016年3月28日 Metasequoia 4.5.5(macOS版の初リリース)[34]
- 2017年08月21日 Metasequoia 4.6.0[35]
- 2019年04月24日 Metasequoia 4.7.0[12]
- 2021年10月19日 Metasequoia 4.8.0[1]
モデルコンテスト
2004年7月に、Metasequoiaに収録するサンプル用モデルデータを募集するため、モデルコンテスト2004が開催された。告知から応募締め切りまで1か月しか無かった上、MQOファイルとテクスチャ用ファイルを圧縮して1MB以内であること等の制約があったが、40件近い応募があった。現在Metasequoiaに収録されているサンプルモデルの内、日本橋麒麟像(NihonbasiKirin)、Tank、魔道少女(witch)、violin、meka、kame の6つは、このコンテストの最優秀賞および入賞作品である。
なお、このモデルコンテストの表題には2004と付いているが、コンテストが行われたのは2023年現在、まだこの1回のみである。
関連ソフトウェア
- 過去 (4.6.x以前)
- 過去 (3.x以前)
関連項目
出典
- ^ a b c d Metasequoia 4 (Ver4.8.0) リリース テトラフェイス 2021年10月19日
- ^ ただし公式Xでは「 Standard 相当」と表記されており、それまでの Standard 版と同一のものではない。
- ^ https://x.com/metaseq3d/status/1831535661498954131
- ^ a b c “株式会社テトラフェイスを設立しました”. metaseq.net (2012年10月17日). 2020年5月24日閲覧。
- ^ “会社概要”. 株式会社テトラフェイス. 2020年5月24日閲覧。
- ^ “採用情報”. ASH有限会社. 2020年5月24日閲覧。
- ^ ゲームエフェクトデザイナー(アートディレクター候補) JOBinJAPAN 2014年11月28日観覧
- ^ metaseq.net blog: Metasequoia 4.3の新機能(1) ボーン
- ^ Metasequoia 4.5の新機能:モーフ機能のチュートリアル | metaseq.net
- ^ C++Builder 2009 metaseq.net blog(旧公式ブログ) 2008年08月27日
- ^ C++BuilderXEへ移行中 metaseq.net blog(旧公式ブログ) 2011年06月12日
- ^ a b c “Metasequoia 4.7(Ver4.7.0) for Windows・macOSリリース”. 株式会社テトラフェイス (2019年4月24日). 2020年5月24日閲覧。
- ^ Metasequoia ファイルフォーマット テトラフェイス
- ^ a b エディション間比較
- ^ “バージョンアップ履歴”. 株式会社テトラフェイス. 2020年7月24日閲覧。
- ^ Pixar ships RenderMan 23.3 CG Channel 2020年5月20日
- ^ Metasequoia 4.5の新機能:RenderMan連携機能のチュートリアル | metaseq.net
- ^ 『メタセコイア4 マスターブック 3DCGモデリングの基本と応用』 海川メノウ 2013年12月20日 ISBN 978-4877833190
- ^ K.KINO『3D Character Animation Manual ローポリアニメーションのすべて』ソフトバンククリエイティブ、2009年。ISBN 978-4797352283。
- ^ 古俣信行『メタセコイアとPOV-Rayで始める3D CG』エーアイ出版、1999年。ISBN 978-4871937207。
- ^ 田崎進一『メタセコイアマスターガイド―Metasequoiaからつくる3DCG』ビー・エヌ・エヌ新社、2004年。ISBN 978-4861000072。
- ^ 横枕雄一郎、伊藤真健、むつきはつか『Metasequoia―3D CG メタセコイア入門』オーム社、2004年。ISBN 978-4274065729。
- ^ 原田大輔『新 メタセコイアからはじめよう!』技術評論社、2009年。ISBN 978-4774139982。
- ^ LuxCoreRender Bridge for Metasequoia 4 (2021年時点のキャッシュ) テトラフェイス
- ^ かこみ『Metasequoiaスーパーモデリングガイド』ビー・エヌ・エヌ新社、2007年、212頁。ISBN 978-4861004032。
- ^ “変形オブジェクトも楽々の国産3D CGモデリングソフト「Metasequoia」v1.0”. 窓の杜 (1999年5月13日). 2020年5月24日閲覧。
- ^ “Metasequoia 4を販売開始しました”. 株式会社テトラフェイス (2013年9月30日). 2020年5月24日閲覧。
- ^ “Metasequoia Ver4.1.0 リリース”. 株式会社テトラフェイス (2014年1月24日). 2020年5月24日閲覧。
- ^ “Metasequoia Ver3.1.6 リリース”. 株式会社テトラフェイス (2014年1月29日). 2020年5月24日閲覧。
- ^ “Metasequoia 4.2 (Ver4.2.0) リリース”. 株式会社テトラフェイス (2014年6月4日). 2020年5月24日閲覧。
- ^ “Metasequoia 4.3 (Ver4.3.0) リリース”. 株式会社テトラフェイス (2014年9月30日). 2020年5月24日閲覧。
- ^ “Metasequoia 4.4 (Ver4.4.0) リリース”. 株式会社テトラフェイス (2015年2月12日). 2020年5月24日閲覧。
- ^ “Metasequoia 4.5(Ver4.5.0)リリース”. 株式会社テトラフェイス (2015年7月8日). 2020年5月24日閲覧。
- ^ “Metasequoia 4.5(Ver4.5.5)for Windows・macOS/OS Xリリース”. 株式会社テトラフェイス (2016年3月28日). 2020年5月24日閲覧。
- ^ “Metasequoia 4.6(Ver4.6.0) for Windows・macOS/OS Xリリース”. 株式会社テトラフェイス (2017年8月21日). 2020年5月24日閲覧。
外部リンク
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景観向け | |
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可視化向け | |
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キャラアニメ | |
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点群・メッシュ処理 | |
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漫画・イラスト向け | |
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単機能 |
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開発停止中 |
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