第89回天皇杯全日本サッカー選手権大会(だい89かい てんのうはいぜんにほんサッカーせんしゅけんたいかい)は、2009年9月19日から2010年1月1日に開催された天皇杯全日本サッカー選手権大会である。
概要
1996年の第76回大会以来、Jリーグ全チームと都道府県代表にその他のシードチームを加えて最大82チームによるトーナメント戦を行い、その他のシードチームの出場枠により総チーム数を調整してきたが、2009年はJリーグに3チームが加盟した結果、従来のJリーグチームを上位シードとした組み合わせを実施することが困難となった。
そこで今大会からは、決勝大会の組み合わせ方法について以下のように見直した。
- シードとなるJリーグチームの初戦をラウンド32(=4回戦。J1の上位16チーム)およびラウンド64(=3回戦。J1の下位チーム及びJ2)から、ラウンド64のみ(=2回戦。J1・J2とも)に変更。
- 本大会での1チームあたりの最大試合数を8から7に変更(旧:5回戦の次が準々決勝、新:4回戦の次が準々決勝)。
これにより、シードを40チームとした88チームでのトーナメント実施が可能となり、Jリーグ36チームに加えて日本フットボールリーグ (JFL) 上位4チームを1回戦免除のシードとした。そうした変更について日本サッカー協会会長(当時)の犬飼基昭は「国内のサッカーレベル向上」と「番狂わせによる大会の質の向上」を期待する発言をしている。
なお、試合方式や優勝チームへの特典は前回までと同様。
ベガルタ仙台がJ2リーグ所属チームとしては第81回の川崎フロンターレ、第86回のコンサドーレ札幌以来、3チーム目のベスト4入りを果たした。
スケジュール
試合会場については後述の試合結果を参照のこと。斜体の日付は予備日(欄外「注」参照)。
1回戦
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9月19日、20日、21日 |
都道府県代表チーム、大学シードチームの出場
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2回戦
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10月10日、11日、12日 |
J1/J2チーム、JFLシードチームの出場
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3回戦
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10月31日、11月1日、11日[注 1]
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4回戦
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11月14日、15日 |
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準々決勝
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12月12日、13日[注 2] |
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準決勝
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12月29日 |
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決勝
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2010年1月1日 |
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注
- ^ 2009Jリーグヤマザキナビスコカップ決勝に出場するFC東京、川崎フロンターレが3回戦に進出した場合の当該試合が対象。
- ^ 準々決勝に残ったチームがFIFAクラブワールドカップ2009に出場していた場合、当該チームの試合を12月26日に開催する予定としていたが、これに該当チームがなかったため、同日は試合を行っていない。
出場チーム
J1リーグ
J2リーグ
JFL
第11回日本フットボールリーグの第17節(全34節)終了時点の上位4チーム。
大学
第33回総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント優勝校。
都道府県代表
試合スケジュール
1回戦
FC岐阜SECOND v JAPANサッカーカレッジ
福島ユナイテッドFC v 尚美学園大学
#8 2009年9月20日
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福島ユナイテッドFC
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3 - 3
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尚美学園大学
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Jヴィレッジスタジアム
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村瀬和隆 22分, 83分 時崎塁 36分
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山本恭平 6分, 7分 小谷駿介 63分
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PK戦
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金基洙 金功青 深澤幸次 金生谷仁
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山本恭平 海老澤宏樹 竹内隆平 金井靖記
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沖縄かりゆしFC v 徳島ヴォルティス・セカンド
#15 2009年9月20日
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沖縄かりゆしFC
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4 - 1
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徳島ヴォルティス・セカンド
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北谷公園陸上競技場
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櫻田真平 12分, 41分 浅野大地 35分 木島徹也 43分
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坂井優介 56分
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ヴェルフェたかはら那須 v 八戸大学
#23 2009年9月20日
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ヴェルフェたかはら那須
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4 - 3 (延長)
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八戸大学
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栃木市総合運動公園陸上競技場
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本田洋一郎 22分 高秀賢史 101分 種倉寛 107分 遠藤雄二 112分
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今野豪 87分 堀江成也 95分 佐藤裕平 114分
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2回戦
サンフレッチェ広島 v JAPANサッカーカレッジ
松本山雅FC v 浦和レッズ
#41 2009年10月11日
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松本山雅FC
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2 - 0
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浦和レッズ
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長野県松本平広域公園総合球技場
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柿本倫明 12分 阿部琢久哉 72分
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徳島ヴォルティス v 鹿屋体育大学
#48 2009年10月11日
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徳島ヴォルティス
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1 - 3
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鹿屋体育大学
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徳島市球技場
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倉貫一毅 3分
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桃井宏和 13分, 39分, 89分
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湘南ベルマーレ v 明治大学
#50 2009年10月10日
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湘南ベルマーレ
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0 - 1
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明治大学
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平塚競技場
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三田啓貴 61分
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3回戦
鹿島アントラーズ v アビスパ福岡
#57 2009年10月31日
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鹿島アントラーズ
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3 - 0
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アビスパ福岡
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カシマサッカースタジアム
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興梠慎三 22分 野沢拓也 35分 ダニーロ 42分
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ヴィッセル神戸 v 柏レイソル
#58 2009年10月31日
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ヴィッセル神戸
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1 - 0
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柏レイソル
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ホームズスタジアム神戸
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大久保嘉人 69分
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ガンバ大阪 v 福岡大学
#60 2009年10月31日
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ガンバ大阪
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6 - 1
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福岡大学
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万博記念競技場
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遠藤保仁 21分 ルーカス 33分, 53分, 64分 加地亮 58分 下平匠 87分
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永井謙佑 49分
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川崎フロンターレ v カターレ富山
#62 2009年11月11日
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川崎フロンターレ
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3 - 1
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カターレ富山
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等々力陸上競技場
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黒津勝 29分 木村祐志 70分 矢島卓郎 78分
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川崎健太郎 44分
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ジュビロ磐田 v 鹿屋体育大学
#68 2009年10月31日
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ジュビロ磐田
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3 - 1 (延長)
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鹿屋体育大学
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ヤマハスタジアム
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那須大亮 16分 イ・グノ 91分 前田遼一 119分
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中筋誠 89分
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モンテディオ山形 v 明治大学
#69 2009年10月31日
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モンテディオ山形
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0 - 3
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明治大学
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NDソフトスタジアム
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三田啓貴 27分 山本紘之 60分 阪野豊史 85分
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清水エスパルス v コンサドーレ札幌
#71 2009年10月31日
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清水エスパルス
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2 - 0
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コンサドーレ札幌
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アウトソーシングスタジアム日本平
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永井雄一郎 1分, 20分
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京都サンガF.C. v ヴァンフォーレ甲府
#72 2009年10月31日
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京都サンガF.C.
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1 - 2 (延長)
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ヴァンフォーレ甲府
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西京極陸上競技場
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豊田陽平 21分
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金信泳 35分 片桐淳至 107分
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4回戦
鹿島アントラーズ v ヴィッセル神戸
#73 2009年11月14日
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鹿島アントラーズ
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2 - 1
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ヴィッセル神戸
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カシマサッカースタジアム
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野沢拓也 55分 ダニーロ 88分
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石櫃洋祐 48分
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明治大学 v アルビレックス新潟
#79 2009年11月15日
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明治大学
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1 - 3
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アルビレックス新潟
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NDソフトスタジアム
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山本紘之 46分
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大島秀夫 16分 矢野貴章 40分, 64分
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準々決勝
鹿島アントラーズ v ガンバ大阪
#81 2009年12月12日
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鹿島アントラーズ
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1 - 2
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ガンバ大阪
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カシマサッカースタジアム
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15:04
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田代有三 44分
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公式記録 (PDF)
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山崎雅人 29分, 69分
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観客数: 11,053人 主審: 西村雄一
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ベガルタ仙台 v 川崎フロンターレ
#82 2009年12月12日
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ベガルタ仙台
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2 - 1 (延長)
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川崎フロンターレ
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ユアテックスタジアム仙台
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13:04
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中島裕希 35分 平瀬智行 108分
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公式記録 (PDF)
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村上和弘 89分
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観客数: 18,340人 主審: 東城穣
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名古屋グランパス v FC岐阜
#83 2009年12月13日
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名古屋グランパス
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3 - 0
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FC岐阜
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名古屋市瑞穂公園陸上競技場
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15:05
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ケネディ 44分, 67分, 81分
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公式記録 (PDF)
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観客数: 12,211人 主審: 佐藤隆治
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準決勝
決勝
2010年元日の決勝戦は、準決勝でJ2勢初の決勝進出を目指したベガルタ仙台を振り切り、5チーム目(6回目)の連覇を目指すガンバ大阪と、準決勝で清水エスパルスとの激闘をPK戦の末に制し、第79回大会以来10年振りの天皇杯制覇を目指す名古屋グランパスとの対戦となった。
前半6分にルーカス・セベリーノの右足のシュートが決まってG大阪が先制するも、前半は名古屋がゲームを支配、前半40分にはゴール前の競り合いから中村直志が頭で押し込んで同点に追いついて前半を終える。後半はG大阪ペースとなり、後半22分に遠藤保仁がドリブルで持ち込んで勝ち越しゴール、終了間際にも二川孝広と遠藤が立て続けに駄目押し点を挙げて、G大阪が4-1で名古屋を下し、2年連続3度目の優勝を果たした。
G大阪はJ1リーグ戦3位で既にAFCチャンピオンズリーグ2010(ACL)出場権を確保していたが、この優勝でカップウィナーとしての出場となったため、J1リーグ戦4位のサンフレッチェ広島が繰り上がりでACLへの出場権を獲得した。
脚注
関連項目
外部リンク
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※取り消し線は中止となった大会 |
1920年代 | |
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1930年代 | |
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1940年代 | |
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1950年代 | |
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1960年代 | |
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1970年代 | |
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1980年代 | |
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1990年代 | |
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2000年代 | |
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2010年代 | |
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2020年代 | |
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大会 - 予選 - 優勝 |