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ウルトラヴォックス

ウルトラヴォックス
ドイツ・ベルリン公演にて(2012年10月)。左からウォーレン・カン、クリス・クロス、ミッジ・ユーロ、ビリー・カーリー
基本情報
出身地 イングランドの旗 イングランド ロンドン
ジャンル
活動期間
レーベル
公式サイト www.ultravox.org.uk
旧メンバー

ウルトラヴォックスUltravox)は、イングランド出身のロックバンド1980年代は、ポストパンクの代表的グループとして活動。その後、オリジナル・メンバー1人の時期を経て解散していたが、2008年に全盛期のメンバーが再集結し活動再開を果たした。

概要・略歴

黎明期

グループの創設者ジョン・フォックスが在籍した時期(1975年 - 1978年)は、ニュー・ウェイヴの先駆けとして活躍した。初期の名義である「Ultravox!」の「!」はドイツの音楽グループ「Neu!」へのオマージュであり(サード・アルバム『システム・オブ・ロマンス』の頃より「!」が省略された)、サウンド的にはジャーマン・ロックロキシー・ミュージックヴェルヴェット・アンダーグラウンドの影響が感じられる(ファースト・アルバムの音楽性はジョン・フォックス自身が影響を受けたと公言しているニューヨーク・ドールズや同時代のパブロックにも通じている)。

ブライアン・イーノスティーヴ・リリーホワイトをプロデューサーに迎えて制作されたファースト・アルバム『ウルトラヴォックス!』、パンク・ロックとエレクトロニクスを融合させたセカンド・アルバム『HA! HA! HA!』を経て、1978年にはコニー・プランクのプロデュースでサード・アルバム『システム・オブ・ロマンス』を発表。当時としてはあまりにも革新的なその音楽性は商業的な成功を収めるまでには至らず、リーダーのジョン・フォックスはバンドを脱退してソロ活動をスタートさせる。

初期こそセールス面では成果を残すことができなかったが、彼らの音楽は後のシンセサイザーシーケンサーのサウンドを強調したテクノ / エレクトリック・ポップ・ムーブメントの先駆としてロックの歴史に残ることとなり、ゲイリー・ニューマンヒューマン・リーグジャパンOMDなど、数多くのフォロワーを生み出した。

日本への影響力も大きく、P-MODELはセカンド・アルバム『ランドセル』において、『ウルトラヴォックス!』収録曲である「My Sex」のメロディラインをそのまま流用したオマージュ曲「オハヨウ」を演奏しており、後のアルバム『SCUBA』においてもアレンジ版を収録している。また、YMO細野晴臣は『システム・オブ・ロマンス』を聴いてセカンド・アルバム『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー』のベース音を録音し直したという逸話もある。またYMOは、シングルB面曲だった『パッショネイト・リプライ』のドラム・サウンドに影響を受け、『Cue』を録音した。

全盛期

ノルウェー・オスロ公演 (1981年11月)

ジョン・フォックス脱退後は新しいボーカリスト兼ソングライターとして、リッチ・キッズヴィサージのメンバーであったミッジ・ユーロが加入することとなった。前作と同じくコニー・プランクのプロデュースのもと、アルバム『ヴィエナ』を1980年にリリース。このアルバムはジョン・フォックス時代と比較するとサウンドの方向性をよりコマーシャルに変化させたことにより、セールス的にも大成功を収めるとともに、日本ではアルバムに収録された「New Europeans」がサントリー角瓶[注 1]のテレビCMに使用されたことで、一般的な認知度も高まるようになった。

次作『エデンの嵐』もコニー・プランクがプロデュースを務め、録音はドイツ・ケルンにあるプランク所有のスタジオで行われた。1981年にリリースされたこのアルバムは、前作以上の売れ行きとなった。

しかし、シンセサイザーの音を強調したテクノポップ路線という方向性はそれ以降徐々に失われることとなった。アルバム『カルテット』ではビートルズのプロデューサーとして知られるジョージ・マーティンを迎えて制作され、よりセールス的に有利となるポップス路線が強調された。そしてアルバム『U-VOX』リリース後に活動停止してしまう。それまでグループの看板であったミッジ・ユーロが、ソロとして活動するために脱退してしまった事情があった。

停滞〜リユニオン

2008年再結成ラインナップ (2011年10月)

その後1992年、最後まで残留していたオリジナル・メンバーのビリー・カーリーが、新メンバーを募って再開し2枚のアルバムを発表したが、1996年に再度活動停止。評価としてはジョン・フォックス時代やミッジ・ユーロ時代には及んでいない。

2008年11月8日、公式サイトにおいて、2009年4月に、ミッジ・ユーロ時代のクラシック・メンバー4人でイギリス国内ツアーが行われることが発表された。「リターン・トゥ・エデン・ツアー」と銘打ったこのツアーは、イギリス国内に続き、独・ベルギーでも公演された。4人揃ってステージに立つのは1985年ライヴエイド以来となる。その後、2010年にも同メンバーによって「リターン・トゥ・エデン・ツアー2」として欧州公演が行われた。

2012年5月に、18年振りとなる11枚目のスタジオ・アルバム『Brill!ant』をリリースし[6]、全英21位を記録。同年暮れに全英/欧州ツアーを開始し、翌2013年シンプル・マインズのツアーのスペシャルゲストとして演奏した。

2024年3月25日、クリス・クロスが死去[7]。71歳没。

メンバー

クラシック・ラインナップ

  • ミッジ・ユーロ (Midge Ure) – ボーカルギター (1979年–1987年、2008年–2013年)
  • クリス・クロス (Chris Cross) – ベース (1973年–1987年、2008年–2013年)
  • ビリー・カーリー (Billy Currie) – キーボード (1974年–1987年、1992年–1996年、2008年–2013年)
  • ウォーレン・カン (Warren Cann) – ドラム (1974年–1986年、2008年–2013年)

旧メンバー

  • ジョン・フォックス (John Foxx) – ボーカル (1973年–1979年)
  • スティーヴィー・シアーズ (Stevie Shears) – ギター (1973年–1978年)
  • ロビン・サイモン (Robin Simon) – ギター (1978年–1979年)
  • マーク・ブルゼジッキー (Mark Brzezicki) – ドラム (1986年–1987年)
  • トニー・フェンネル (Tony Fenelle) – ボーカル、ギター(1992年–1994年)
  • ジェリー・ラフィー (Gerry Laffy) – ギター (1992年–1994年)
  • ニール・ウィルキンソン (Neal Wilkinson) – ドラム (1992年–1994年)
  • ジャッキー・ウィリアムズ (Jackie Williams) – ボーカル (1992年–1994年)
  • サム・ブルー (Sam Blue) – ボーカル (1994年–1996年)
  • ヴィニー・バーンズ (Vinny Burns) – ギター (1994年–1996年)
  • トニー・ホームズ (Tony Holmes) – ドラム (1994年–1996年)
  • ゲイリー・ウィリアムズ (Gary Williams) – ベース (1994年–1996年)

タイムライン

ディスコグラフィ

スタジオ・アルバム

ライブ・アルバム

  • 『モニュメント ザ・サウンドトラック』 - Monument The Soundtrack (1983年)
  • BBC Radio 1 Live In Concert 1981 (1991年)
  • 『ウルトラヴォックス・ライヴ・イン・イタリー』 - Future Picture (1995年)
  • Return to Eden: Live at the Roundhouse (2010年)
  • Live at the Rainbow 1977 (2021年) ※デジタルのみ

主なシングル

  • 「パッシング・ストレンジャーズ」 - "Passing Strangers" (1980年)
  • 「ザ・ヴォイス」 - "The Voice" (1981年)
  • 「ニュー・ヨーロピアンズ」 - "New Europeans" (1981年、東芝EMI・Chrysalis、WWS-17167) ※サントリー角瓶CM曲
  • 「リープ・ザ・ワイルド・ウインド」 - "Reap The Wild Wind" (1982年、東芝EMI・Chrysalis、WWS-17290)
  • 「聖歌」 - "Hymn" (1982年)
  • 「恋はグレート・アドヴェンチャー」 - "Love's Great Adventure" (1984年)
  • 「ワン・スモール・デイ」 - "One Small Day" (1984年)
  • 「セイム・オールド・ストーリー」 - "Same Old Story" (1986年)

脚注

注釈

  1. ^ 当時放映されたテレビCMにはデザイナーとして有名な三宅一生が出演していた。

出典

  1. ^ Cateforis, Theo (2011). Are We Not New Wave?: Modern Pop at the Turn of the 1980s. University of Michigan Press. p. 168. ISBN 9780472034703 
  2. ^ LeRoy, Dan (2022). Dancing to the Drum Machine: How Electronic Percussion Conquered the World. Bloomsbury Publishing. p. 94. ISBN 9781501367281 
  3. ^ Jacks, Kelso (March 29, 1999). “Reviews: Ultravox”. CMJ New Music Report (CMJ Network) 58 (611): 26. ISSN 0890-0795. "I was drawn to melodramatic, mealy-mouthed, miserable British won-ders like electro-pop outfit Ultravox." 
  4. ^ a b Chude-Sokei, Louis (2015). The Sound of Culture: Diaspora and Black Technopoetics. Wesleyan University Press. p. 158. ISBN 9780819575784 
  5. ^ Buckley, Peter, ed (2003). The Rough Guide to Rock. London: Rough Guides. p. 1119. ISBN 9781843531050 
  6. ^ ウルトラヴォックス、ミッジ・ユーロ期編成で28年ぶりの新作『Brilliant』をリリース”. amass (2012年3月29日). 2012年2月14日閲覧。
  7. ^ 「ヴィエナ」で知られるウルトラヴォックスのクリス・クロスが71歳で死去 詳細明かさず”. よろず~ (2024年4月3日). 2024年4月3日閲覧。

外部リンク

Kembali kehalaman sebelumnya


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