この項目では、2013年 シーズンの日本プロサッカーリーグ (Jリーグ)について述べる。
概要
2012年12月18日、大会方式の概要について発表された[ 1] 。
今シーズンからJリーグクラブライセンス制度 の本格運用がスタートし、前年の審査に基づいてクラブライセンスを取得したJ1・J2計40チームによるリーグ戦が行われる。
このシーズンでは、若手選手の出場機会を増やすため、23歳以下の選手がディビジョン1からディビジョン2へといった具合に下のカテゴリーに属するクラブへ移籍する場合に限って、移籍の期間制限を1期限定で撤廃する試みを行うことが、前年10月31日 に決められた[ 2] 。
この年はシーズン中に1993年5月15日のJリーグ開幕 から満20年を迎えたことから、前年同様様々な特別企画が行われてた。
できごと
1月17日
J1・J2の開幕カードならびに各クラブのホーム初戦が発表される[ 3] 。このうち、開幕節の横浜F・マリノスvs 湘南ベルマーレ については、日産スタジアム の改修工事の遅れから「会場未定」と発表された。
2月1日
J1・J2のリーグ戦の全日程が発表される[ 4] 。1月17日時点で未定だった横浜FMvs湘南の会場は日産スタジアムに正式決定。
J2・ザスパ草津がチーム名を「ザスパクサツ群馬 」に変更。
2月26日
この日行われた理事会で、松本山雅FC のホームタウンを「松本市 、安曇野市 、山形村 、塩尻市 」へ変更(松本市のみから2市1村を追加)することを承認[ 5] 。また、ブラウブリッツ秋田 ・ツエーゲン金沢 (いずれもJFL )の準加盟 を承認[ 6] 。
2月28日
シーズン終了後に開催されるJリーグアウォーズ にて「最優秀ゴール賞」を新設することを発表[ 7] 。J1・J2のリーグ戦各節終了後に「ノミネートゴール」3ゴールずつを選定し、その中から各月ごとの「月間ベストゴール」を選定、月間ベストゴールの中から最優秀ゴールを選定する。
5月1日
Jリーグ開幕20周年を記念し、初年度開幕日の5月15日 を『Jリーグの日』として日本記念日協会 に登録[ 8] 。5月15日に行われた2013Jリーグヤマザキナビスコカップ 予選リーグ・FC東京vs アルビレックス新潟 (国立競技場 )の試合前にセレモニーが行われた。
5月11日
Jリーグ開幕20周年を記念して、公式試合球として「TANGO 12 KOTOHOGI 」をこの日から同月29日まで使用。
また、同日のJ1第11節・浦和レッズvs 鹿島アントラーズ (埼玉スタジアム2002 )を記念試合「Jリーグ 20thアニバーサリーマッチ 」として開催[ 注 1] 。当日は試合に先立ち記念セレモニーが行なわれ、浦和OBのロブソン・ポンテ と鹿島OBのアルシンド・サルトーリ が挨拶したほか、Jリーグ開幕日である1993年5月15日生まれの尾崎千瑛 がスピーチを行なった[ 9] 。なお、試合結果は3-1で浦和の勝利となったが、決勝点となったFW興梠慎三 のゴールをめぐる判定が物議を醸し[ 10] 、後日日本サッカー協会 の上川徹 審判委員長が誤判定であったことを認めるという異例の事態となった[ 11] 。
5月14日
J1・J2リーグを対象とした月間MVP の新設を発表[ 12] 。
5月17日
Jリーグ20周年を記念した過去20年間での『ベストゴール』『ベストイレブン』『ベストマッチ』をサポーター投票で決定する『Jクロニクルベスト 』を発表[ 13] 。
8月20日
この日行われた理事会で、横浜スポーツ&カルチャークラブ (Y.S.C.C) (JFL)・グルージャ盛岡 (東北 1部)・レノファ山口FC (中国 )の準加盟を承認[ 14] 。
9月17日
この日行われた理事会で、福島ユナイテッドFC ・藤枝MYFC ・FC琉球 (以上JFL)・ヴァンラーレ八戸 (東北1部)・tonan前橋 (関東 1部)・アスルクラロ沼津 (東海 1部)・奈良クラブ (関西 1部)の準加盟を承認[ 15] 。
11月19日
この日開催された臨時理事会で、この年のJFL で2位になったカマタマーレ讃岐 のJ2入会を条件付き[ 注 2] で承認。
また、翌年度発足するJ3リーグ について、参加希望クラブのうち9クラブ(秋田・福島・町田・YSCC横浜・相模原・金沢・長野・藤枝・琉球)のJ3入会を承認する[ 16] とともに、J1・J2の22歳以下のメンバーで構成された「Jリーグ・アンダー22選抜 」のJ3参加を決定[ 17] 。
11月30日
この日開催されたJ1第33節・横浜F・マリノスvsアルビレックス新潟(日産スタジアム)の試合の入場者数が6万2632人となり、J1のリーグ戦最多入場者数記録を更新する[ 18] 。
12月2日
J3リーグ参加希望クラブのうちグルージャ盛岡 のJ3入会を承認[ 19] 。
12月7日
この日行われたJ1最終節で、前節まで首位の横浜F・マリノスが敗れ、2位のサンフレッチェ広島 が勝利したことで、逆転での広島のJ1優勝(連覇)が決定。
J1
最終更新は2013年12月7日の試合終了時 出典: J. League Data Site 順位の決定基準: 1. 勝点; 2. 得失点差; 3. 得点数.1 第93回天皇杯全日本サッカー選手権大会 優勝クラブにもAFCチャンピオンズリーグ2014 参加資格が与えられるが、同大会優勝クラブがJ1リーグ戦上位に入った場合は、リーグ戦次点のクラブに参加資格が与えられる。
J2
最終更新は2013年11月24日の試合終了時 出典: J. League Data Site 順位の決定基準: 1. 勝点; 2. 得失点差; 3. 得点数.1 J1ライセンスを保有するクラブのみ、J1自動昇格(上位2チーム)、プレーオフ参加(3-6位)可。2 2014年度からJ2の下部リーグとしてJ3リーグ (J3)が設立され[ 20] 、J2からの自動降格チーム及び入れ替え戦に敗北したチームはJFLに降格(残留)ではなく、J3に降格(移行)することになる[ 21] 。
昇格・降格
J1からJ2への降格
第28節(10月5日)に大分トリニータの16位以下[ 22] が、第31節(11月10日)にジュビロ磐田の16位以下[ 23] が、第32節(11月23日)に湘南ベルマーレの16位以下[ 24] がそれぞれ確定。
J2からJ1への昇格
第39節(11月3日)にガンバ大阪の2位以内[ 25] が、第40節(11月10日)にヴィッセル神戸の2位以内[ 26] がそれぞれ確定。
J2からJ3への降格
第15回日本フットボールリーグ 第32節(11月10日)において、クラブライセンス未取得のAC長野パルセイロ の優勝と、準加盟でクラブライセンスを取得しているカマタマーレ讃岐 の2位が決定したことから、J2からの自動降格は行われないと共に、讃岐がライセンスの付帯条件(債務超過解消など)をクリア次第、J2最下位のガイナーレ鳥取 との入れ替え戦が行われることになった[ 27] 。
J1昇格プレーオフ
準決勝
レギュレーションにより、年間順位上位の京都サンガが決勝進出。
レギュレーションにより、年間順位上位の徳島ヴォルティスが決勝進出。
決勝
準決勝を共に引き分けて決勝に駒を進めた3位の京都と4位の徳島との対戦となった。
試合立ち上がりからボールキープ率を高めて徳島ゴールに迫る京都と、後方でコンパクトな守備陣形を敷いてそこから一気にカウンターを狙う徳島という試合展開になった[ 28] 。京都は何度かゴール前に迫りながらも徳島がこれをしのぐ時間帯が過ぎたが、前半39分にコーナーキックのポールをDF千代反田充 が頭であわせ、徳島が待望の先取点を得る。さらにその4分後には徳島MF藤原広太朗 が前線に送ったロングボールをFW高崎寛之 が頭でつなぐと、それが京都DF陣の間を駆け抜けたFW津田知宏 に通り、津田がDFを振り切りながら足を伸ばすと、これが京都GKオ・スンフン の脇をかすめてゴール。徳島が前半のうちに2点を上げて有利な試合展開とした。
昇格のためには2点が必要となった京都は繰り返し猛攻を続けるが、徳島DF陣が粘り強い守備を見せ最後までゴールを割らせず、そのまま試合終了。これにより、徳島ヴォルティスのJ1昇格が決定。京都は2年連続で年間順位3位としながらも昇格プレーオフで涙を飲んだ。
なお、試合会場の国立霞ヶ丘競技場陸上競技場 は、(新)国立競技場 への建て替えのために翌2014年 夏から順次取り壊しされることが決まっており、この会場で行なわれる決勝戦は今回が最後となった。
J2・JFL入れ替え戦
2013 J2・JFL入れ替え戦 (2013 J2/JFL Play-Offs )
JFL 2位のカマタマーレ讃岐がクラブライセンス(J2ライセンス)を取得したことから、J2最下位のガイナーレ鳥取との入れ替え戦が行われた。
2戦合計スコアが1-2となり、カマタマーレ讃岐のJ2昇格、ガイナーレ鳥取のJ3参入(降格)が決定した。
表彰
Jリーグアウォーズ は2013年 12月10日 に横浜アリーナ で開催された。
ベストイレブン
同賞が日本国籍を持っている選手で占められるのは、2009年 以来2度目。
ただし、2009年は田中マルクス闘莉王 が受賞しているため、帰化人を除く日本人 のみで占められるのは史上初である。
月間MVP
月間ベストゴール
月
J1
J2
選手
所属
節
対戦相手(試合会場)
得点時間
選手
所属
節
対戦相手(試合会場)
得点時間
3月
中村俊輔
横浜FM
2節
清水(アイスタ)
8分
ポポ
神戸
6節
松本(松本)
71分
4月
柴崎岳
鹿島
8節
新潟(東北電ス)
6分
荒田智之
岡山
7節
札幌(カンスタ)
17分
5月
柿谷曜一朗
C大阪
13節
名古屋(金鳥スタ)
67分
遠藤保仁
G大阪
16節
愛媛(ニンスタ)
81分
6月
試合開催なし
兵働昭弘
千葉
20節
徳島(鳴門大塚)
20分
7月
齋藤学
横浜FM
16節
大宮(日産ス)
36分
押谷祐樹
岡山
22節
神戸(カンスタ)
2分
8月
中村俊輔
横浜FM
21節
FC東京(味の素)
89分
ソ・ヨンドク
富山
27節
札幌(富山)
25分
9月
佐藤寿人
広島
27節
鳥栖(ベアスタ)
23分
中島翔哉
東京V
35節
群馬(国立)
82分
10月
中村俊輔
横浜FM
30節
大分(大銀ド)
45分
押谷祐樹
岡山
37節
愛媛(カンスタ)
28分
11月
柿谷曜一朗
C大阪
33節
鹿島(長居)
38分
キム・ミンギュン
岡山
39節
鳥取(カンスタ)
83分
12月
石原直樹
広島
34節
鹿島(カシマ)
35分
試合開催なし
Jリーグ準加盟
特記なしはいずれも日本フットボールリーグ (JFL)所属
☆=2014年度J3加盟 ◎=2014年度J2加盟
前年度からの継続
2013年2月承認
2013年8月承認
2013年9月承認
長野はJFL で優勝したが、J2開催基準を満たすスタジアムが建設中であり2013年度もJ2ライセンスを申請しなかったため、J3に参加。
讃岐はJFL2位で、J2・22位(最下位)の鳥取とのJ2・JFL入れ替え戦(前述) 勝利によりJ2昇格が決定した。
その他に、栃木ウーヴァFC 、FC鈴鹿ランポーレ (東海社会人1部リーグ)、ヴィアティン桑名 (三重県社会人サッカーリーグ 2部)、MIOびわこ滋賀 の4チームが準加盟を申請しているが、桑名については申請書類の不備により受理されず、他の3クラブも継続審議となり準加盟承認は見送られている。
2014年度クラブライセンス審査結果
2014年度のJリーグクラブライセンス 申請のうち、J2ライセンス以上については正会員40クラブ、準加盟のJFL3クラブ(町田・金沢・讃岐)の43クラブから申請があり、以下の通り43クラブすべてにライセンスが交付され、交付を却下されたクラブはなかった[ 30] 。また2014年度から新設されるJ3リーグ 参加の条件となるJ3ライセンスについては2013年9月までに準加盟を承認された16クラブを対象に審査が行われ、13クラブにライセンスが交付された。
クラブ名の後ろに「 」が付いたクラブは新たに当該ライセンスを交付されたクラブ。
J1ライセンス(36クラブ) - 札幌、仙台、山形、鹿島、栃木、群馬 、浦和、大宮、千葉、柏、FC東京、東京V、川崎、横浜FM、横浜FC、湘南、甲府、松本、新潟、富山、清水、磐田、名古屋、京都、G大阪、C大阪、神戸、岡山、広島、徳島、愛媛 、福岡、鳥栖、長崎 、熊本、大分
J2ライセンス(7クラブ) - 水戸、岐阜、町田[ 注 4] 、金沢[ 注 4] 、鳥取、讃岐[ 注 4] 、北九州
J3ライセンス(13クラブ) - 盛岡 、秋田 、福島 、YS横浜 、相模原 、長野 、沼津 、藤枝 、山口 、琉球
J3ライセンスの交付が見送られたのは八戸、前橋、奈良の3クラブで、いずれも「スタジアム要件未充足」という理由であった。
なお、J1/J2ライセンスを取得したクラブのうち、B等級、特にスタジアムの屋根やトイレの数を充足していない30クラブに対してはFIB(クラブライセンス交付第一審機関)への文書提出を求める制裁処分を科した。また、経営改善を促す目的でFIBから「是正通知」を12クラブ(札幌、栃木、群馬、横浜FM、富山、名古屋、岐阜、神戸、北九州、熊本、大分、讃岐)に「個別通知」を5クラブに行った。このうち、「是正通知」とされた12クラブは「債務超過」、または「3期連続赤字経営」のいずれかの条件(特に群馬、横浜FM、神戸の3クラブはその両方)に当てはまる。
脚注
注釈
^ このカードを記念試合とした理由について、「1993年の開幕からJリーグに参加し、過去20年で最多入場者数を記録する浦和と、最多優勝回数を記録する鹿島の対戦を選んだ」としている。
^ 11月24日開催のJFL第34節(対HOYO大分 戦・香川県立丸亀競技場 )において1,472人以上の入場者を集め、シーズンの平均入場者数3,000人以上を確定させた上で、J2・JFL入れ替え戦 に勝利することが条件[ 16] 。
^ 第10節(2013年5月6日・NACK5スタジアム大宮)の73分に、大宮FW富山貴光 と広島GK増田卓也 が接触し共に倒れ、増田が救急車で搬送される事態になった際に、大宮サポーターから増田を励ます声援が送られ、第18節(2013年7月31日・エディオンスタジアム広島)の試合開始前に、富山・増田の両選手がそれぞれ相手チームのファン・サポーターへ挨拶を行い、両チームのファン・サポーターが両選手の回復と復帰を祝ったことに対して[ 29] 。
^ a b c 町田、金沢、讃岐の3クラブへのクラブライセンス発給は「J2入会審査への合格」が条件となっていた。加えて讃岐にはJ2加盟の条件として「入会審査は厳しく行い、2013年度末に十分な純資産を残すようにJリーグに申し出ること」「2014年度予算が十分な合理性の下で編成され、シーズンを安定して運営できるものと評価されるように申し出ること」と明記された。
出典
関連項目
外部リンク
ナショナルチーム
国内リーグ
国内カップ
大学・育成年代
国際大会
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