桂駅(かつらえき)は、京都府京都市西京区川島北裏町にある阪急電鉄の駅。駅番号はHK-81。
概要
阪急京都本線と嵐山線が乗り入れ、このうち嵐山線は当駅を起点とする。2路線の乗り換え駅であり、阪急京都線における京都市内の観光の拠点となっていることから京とれいん雅洛を含めた全営業列車が停車する。
西京区の最大の拠点の1つでもあり、洛西地区へのバスが当駅に多数発着するなどしているため利用者自体も多い。
桂車庫があることや、緩急接続・乗務員交代など運行面でも重要な駅となっている。
阪急では唯一となる漢字一文字の駅である。
歴史
駅構造
島式3面6線のホームを持つ地上駅で、橋上駅舎を有している。京都本線には2面4線、嵐山線には1面2線が割り当てられており、前者は優等列車の待避が可能。ホーム間連絡専用の地下道が通る。
2010年3月に案内システムが更新され、各ホームの発車案内がLED式に統一された。この更新までは嵐山線ホーム(C・1号線)のものが行灯式(写真を参照)、河原町方面ホーム(2・3号線)のものが反転式[注 1]で、梅田方面ホーム(4・5号線)のみLED式であった。
京都本線の東側には駅ビルの『MEW阪急桂』があり、ペデストリアンデッキで直結している。かつては、この駅ビルが建つ場所にもホームがあった(詳しくは後述)。
のりば
配線図
付記事項
- 京都本線は、内側2線(3号線と4号線)が主本線、外側2線(2号線と5号線)が待避線である。
- C号線について
- 桂車庫と直接線路がつながっている。ホームの名称が珍しい英字となっているが、これは車庫線の付番方式にのっとったもので、駅改築(後述)の際に設けられた[1]。
- 案内上は、対面の1号線と同様に嵐山線のホームとなっており、京都本線から嵐山線へ直通列車が運行される際に入線することがある。普段はもっぱら回送列車の引込線として使用されており、営業列車では早朝の普通京都河原町行き(当駅始発)が数本発車する。
なお、車両交換などの際に、洛西口方にある引き込み線を利用することがあるが、ここを社内ではD号線と呼んでいる[8]。
-
ホーム(京都線のりば(2007年8月))
-
ホーム(嵐山線のりば(2007年8月))
1984年まで
1984年までのホームは島式4面7線で、京都本線の上下線ホームの間に嵐山線のホームが挟まれていた。
駅の北側で京都本線の上り線は嵐山線の下をくぐっており、梅田方面と嵐山方面との直通に適した構造だった。また、改札口は地下通路の東西にあった。
しかし1984年時点で直通列車は定期運行されず、京都本線の高速化や10両編成列車の運行開始のため、1982年から改良工事が始められ、現在の形に改められた。6・7号線の跡地には、駅ビルが建てられている。
- 1号線 - 河原町方面(桂車庫からの出庫列車が使用)
- 2・3号線 - 河原町方面
- 4・5号線 - 嵐山方面
- 6・7号線 - 梅田・動物園前方面[注 2]
ダイヤ
緩急接続について
日中は当駅で準急と特急の緩急接続が行われている。準急は当駅発車後、上りは京都河原町駅まで、下りは天下茶屋行きは上新庄駅まで、大阪梅田行きは南方駅まで先着する。
朝夕は基本的に緩急接続は行われず、普通・準急と準特急・通勤特急の連絡は長岡天神駅で行われている。これらの停車駅は西京極駅への停車の有無のみであり、当該時間帯の当駅 - 京都河原町駅間は概ね5分前後の間隔で電車が発着している。
深夜時間帯は当駅止まりの普通と急行が連絡する。
当駅発着列車について
桂車庫が併設されているため、両方面とも当駅発着の普通が早朝・夜間に設定されている。2007年3月14日改正で平日深夜に従来の急行高槻市行きを延長し、当駅止まりの上り準急を設定したが、2022年12月16日の運転をもって廃止した。
なお人身事故などの障害が当駅以北で発生した場合は大阪梅田駅 - 当駅間で折り返し運転を行うことが多く、特急などの種別でも当駅発着便が設定される。
その他
2022年12月16日まで平日朝ラッシュ時に運転された、10両編成の快速急行京都河原町行き3本は当駅で大阪梅田方の2両を切り離していた。
利用状況
2023年(令和5年)の1日あたりの通年平均乗降人員は38,151人で、阪急電鉄全線では17位[統計 1]。
阪急電鉄HPより
各年次の乗降人員の推移は下表の通り。
年次別1日平均乗降人員[統計 1]
年次
|
乗車人員
|
降車人員
|
乗降人員
|
増減率
|
順位
|
出典
|
2016年(平成28年)
|
22,734
|
22,701
|
45,435
|
|
14位
|
[阪急 1]
|
2017年(平成29年)
|
|
|
45,634
|
0.4%
|
15位
|
[阪急 2]
|
2018年(平成30年)
|
|
|
45,028
|
-1.3%
|
15位
|
[阪急 3]
|
2019年(令和元年)
|
|
|
45,103
|
0.2%
|
15位
|
[阪急 4]
|
2020年(令和02年)
|
|
|
33,559
|
-25.6%
|
14位
|
[阪急 5]
|
2021年(令和03年)
|
|
|
33,370
|
-0.6%
|
15位
|
[阪急 6]
|
2022年(令和04年)
|
|
|
35,998
|
7.9%
|
16位
|
[阪急 7]
|
2023年(令和05年)
|
|
|
38,151
|
6.0%
|
17位
|
|
平日限定データ
2007年から2015年までのデータは平日限定となっていた。
平日限定・年次別1日平均乗降人員
年次
|
乗車人員
|
降車人員
|
乗降人員
|
増減率
|
順位
|
出典
|
2007年(平成19年)
|
27,523
|
27,207
|
54,730
|
|
10位
|
[阪急 8]
|
2008年(平成20年)
|
27,279
|
26,967
|
54,246
|
-0.9%
|
10位
|
[阪急 9]
|
2009年(平成21年)
|
26,126
|
25,889
|
52,015
|
-4.1%
|
13位
|
[阪急 10]
|
2010年(平成22年)
|
25,852
|
25,722
|
51,574
|
-0.8%
|
14位
|
[阪急 11]
|
2011年(平成23年)
|
25,847
|
25,710
|
51,557
|
-0.0%
|
13位
|
[阪急 12]
|
2012年(平成24年)
|
25,755
|
25,655
|
51,410
|
-0.3%
|
13位
|
[阪急 13]
|
2013年(平成25年)
|
25,745
|
25,608
|
51,353
|
-0.1%
|
14位
|
[阪急 14]
|
2014年(平成26年)
|
25,634
|
25,506
|
51,140
|
-0.4%
|
14位
|
[阪急 15]
|
2015年(平成27年)
|
25,430
|
25,261
|
50,691
|
-0.9%
|
14位
|
[阪急 16]
|
府・市の統計書より
各年の利用状況は下表の通り。府の統計書では各年度の乗車人員が、市の統計書では各年次の乗車人員・降車人員が公表されている。
それぞれのデータ(単位:千人)を日数で除した数値を記載している[注 3]。
年度別利用状況[統計 2][統計 3]
年度/年次
|
各年度 乗車人員
|
各年次 乗降人員
|
出典
|
1991年(平成03年)
|
32,811
|
-
|
[京都府 1]
|
1992年(平成04年)
|
32,129
|
[京都府 2]
|
1993年(平成05年)
|
34,836
|
[京都府 3]
|
1994年(平成06年)
|
33,616
|
[京都府 4]
|
1995年(平成07年)
|
32,650
|
[京都府 5]
|
1996年(平成08年)
|
51,353
|
[京都府 6]
|
1997年(平成09年)
|
34,975
|
65,605
|
[京都府 7]
|
1998年(平成10年)
|
34,008
|
65,751
|
[京都府 8]
|
1999年(平成11年)
|
33,303
|
66,797
|
[京都府 9]
|
2000年(平成12年)
|
32,967
|
65,995
|
[京都府 10]
|
2001年(平成13年)
|
32,701
|
65,482
|
[京都府 11]
|
2002年(平成14年)
|
31,890
|
64,195
|
[京都府 12]
|
2003年(平成15年)
|
31,530
|
63,419
|
[京都府 13]
|
2004年(平成16年)
|
30,929
|
62,227
|
[京都府 14]
|
2005年(平成17年)
|
30,090
|
61,288
|
[京都府 15]
|
2006年(平成18年)
|
29,915
|
59,773
|
[京都府 16]
|
2007年(平成19年)
|
30,434
|
60,463
|
[京都府 17]
|
2008年(平成20年)
|
30,797
|
60,986
|
[京都府 18]
|
2009年(平成21年)
|
27,951
|
57,148
|
[京都府 19]
|
2010年(平成22年)
|
27,293
|
55,567
|
[京都府 20]
|
2011年(平成23年)
|
27,743
|
55,395
|
[京都府 21]
|
2012年(平成24年)
|
28,038
|
55,758
|
[京都府 22]
|
2013年(平成25年)
|
28,389
|
56,556
|
[京都府 23]
|
2014年(平成26年)
|
27,852
|
55,563
|
[京都府 24]
|
2015年(平成27年)
|
28,339
|
56,271
|
[京都府 25]
|
2016年(平成28年)
|
27,606
|
54,942
|
[京都府 26]
|
2017年(平成29年)
|
27,811
|
55,288
|
[京都府 27]
|
2018年(平成30年)
|
27,359
|
54,784
|
[京都府 28]
|
2019年(令和元年)
|
27,213
|
54,467
|
[京都府 29]
|
2020年(令和02年)
|
20,234
|
40,388
|
[京都府 30]
|
2021年(令和03年)
|
21,212
|
42,398
|
[京都府 31]
|
2022年(令和04年)
|
23,030
|
46,166
|
[京都府 32]
|
駅周辺
東西共に住宅街が広がり、駅前にバスターミナルが整備されている。
駅南側で線路と府道142号沓掛西大路五条線(旧・山陰街道)が交差する川岡踏切などは両側を道路に挟まれている。
MEW阪急桂
MEW阪急桂(ミューはんきゅうかつら)は、桂駅と直結している商業施設である。
駅の東側に建つ駅ビルは「イースト」、駅の改札口とを結ぶペデストリアンデッキに入居している店舗群は「ウエスト」というゾーン名で区分されている。
イーストには京都市証明書発行センター、有料駐輪場のほか、ブックファースト、マツモトキヨシ、食品スーパーフレスコなどが出店し、ウエストには菓匠 千鳥屋、阪急ハウジングプラザ桂などが出店している。全店舗の一覧・詳細情報は公式サイト「フロアガイド」を参照のこと。
その他にも駅に付随するテナントとして、ローソン、花屋、菓子屋、総菜店、宝くじ売り場がある。駐輪場については駅周辺にも京都市営の施設が数箇所にある。
バス路線
駅の西口・東口両側にロータリーが整備されており、京都市営バスと京阪京都交通が乗り入れている。停留所名はそれぞれ「桂駅西口」「桂駅東口」。ロータリーは東口の方がやや小規模。
西口は市バスが、東口は京阪京都交通が主に発着するが、両社とも駅両側に路線網を有する。ここでは社局ごとに記述する。
京都市営バス
西口には洛西ニュータウン・桂坂など市最西部へ、東口にはそれ以外の方面へ向かう路線が主に発着。
京阪京都交通
のりば
|
路線名
|
系統・行先
|
備考
|
東口
|
1
|
|
2・14・28A・28B系統:京都駅
|
東側町経由
|
|
15・26・26B系統:京都駅
|
桂小橋経由
|
京都先端科学大学線
|
58・62系統:京都先端科学大学
|
直行。大学授業に合わせ運行
|
明治国際医療大学線
|
77系統:明治国際医療大学
|
直行。大学授業に合わせ運行(平日午前2本のみ)
|
2
|
国道線
|
1・2系統:JR亀岡駅南口/保津川下り乗船場
|
日中のみ保津川下り乗船場行き(保津川下り休業日を除く)
|
大原野線
|
13・14・17系統:長峰
|
|
イオンモール京都桂川線
|
15系統:JR桂川駅前
|
牛ケ瀬経由
|
桂坂線
|
28A系統:京都成章高校
|
平日3本・土休日2本(いずれも朝)のみ
|
25B系統:京都成章高校
|
土休日のみ運行、三ノ宮街道経由
|
|
17・17B・快速24B・25B・29系統:JR桂川駅前
|
|
3
|
洛西線
|
10系統:洛西バスターミナル
|
土休日1本のみ運行
|
大原野線
|
13B・17B系統:長峰
|
桂坂口経由、本数わずか
|
桂坂線
|
26・29系統:桂坂中央
|
|
26B系統:桂イノベーションパーク前
|
|
25A系統:京都成章高校
|
当停留所始発、三ノ宮街道経由。学休日除く平日朝に3本運行
|
直行25A系統:京都成章高校
|
ノンストップ、学休日除く平日朝に3本運行
|
西口
|
1
|
20系統:桂坂中央
|
三ノ宮街道・京大桂経由
|
20B系統:桂坂中央
|
三ノ宮街道・京大桂・西桂坂経由
|
その他の特記事項
隣の駅
- 阪急電鉄
- ■京都本線
- ■快速特急
- 淡路駅 (HK-63) - 桂駅 (HK-81) - 烏丸駅 (HK-85)
- ■特急
- 長岡天神駅 (HK-77) - 桂駅 (HK-81) - 烏丸駅 (HK-85)
- ■通勤特急(平日のみ)・■準特急
- 長岡天神駅 (HK-77) - 桂駅 (HK-81) - 西院駅 (HK-83)
- ■急行(下り大阪梅田行きは平日のみ、当駅から京都河原町までは各駅に停車)
- 長岡天神駅 (HK-77) - 桂駅 (HK-81) - 西京極駅 (HK-82)
- ■準急・■普通
- 洛西口駅 (HK-80) - 桂駅 (HK-81) - 西京極駅 (HK-82)
- ■嵐山線(全列車が各駅に停車)
- 桂駅 (HK-81) - 上桂駅 (HK-96)
- 春・秋の行楽シーズンに運転される神戸本線西宮北口駅始発・京都本線経由で嵐山線へ直通する「直通特急」も当駅に停車する。停車駅等の詳細は阪急京都本線を参照のこと。
脚注
記事本文
注釈
- ^ 他駅とは異なり、「特急 河原町ゆき」のように、行先の駅名に「ゆき」が添えられている。先発表示とも一体型で、現在数駅で現存するものより一世代前のタイプであった。当駅にあった筐体の更新により、このタイプが現存する駅はなくなった。
- ^ 当時、大阪市営地下鉄堺筋線(現在のOsaka Metro堺筋線)の終着駅は動物園前駅で天下茶屋駅は未開業。
- ^ 市の統計書では定期乗車・定期外乗車・定期降車・定期外降車人員がそれぞれ別で記載されており、これらの和に1000を乗し日数で除した数値を記載している。なおこの乗降人員は阪急電鉄HPのデータと同様年次別であるが、あちらとは数値が異なる。
出典
利用状況
阪急電鉄
京都府統計書
関連項目
ウィキメディア・コモンズには、
桂駅に関連するカテゴリがあります。
外部リンク
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北野線(廃止) (現・梅田乗り入れ線の一部) | |
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*打消線は廃駅 |