中国東方航空
中国東方航空(ちゅうごくとうほうこうくう、簡体字: 中国东方航空公司; 繁体字: 中國東方航空公司、英語: China Eastern Airlines)は、中国の航空会社。上海に拠点を置く1988年に分割解体された中国民用航空総局(CAAC)の上海管理局を引き継いで誕生した。中国における主要国内線および国際線を運航し、旧民航系航空会社の中でも大手航空会社のうちの一社である。 概要1988年、旧・中国民用航空総局 (CAAC)の上海管理局を引き継いで上海を拠点に設立される。 年間の旅客量1億人を超える世界で7番目に大きい航空会社である[2]。 香港、上海、ニューヨークの3都市の証券取引所に上場した中国の民間航空業界最初のエアラインとなる[3]。 2002年、旧民航系の航空会社の集約政策により、中国西北航空、中国雲南航空、長城航空、武漢航空を併合し、中国東方航空股份有限公司(中国東方航空株式会社)となる。 「お客様を第一にした献身的なサービス」を信条としている[3]。 スローガンは「世界品位,东方魅力」(英語: World-Class Hospitality with Eastern Charm)。 創立当初はMD-11Fを使って貨物輸送も行っていたが、1998年に中国遠洋運輸集団(COSCO)との共同出資により中国貨運航空を設立し、2006年8月8日運航分からの貨物便は全て引き継がれた。 シンガポール航空とシンガポール政府系投資会社テマセク・ホールディングスが2007年11月に24%、9億1800万米ドル出資するという案が出されており、コードシェアなどの業務提携も視野に入れていたが、2008年1月8日の臨時株主総会において、外資による出資を嫌気した株主の中国航空集団(中航集団)により出資案が否決された[4]。 2008年11月5日からノースウエスト航空(現デルタ航空)とマイレージプログラムで提携を開始している。中国東方航空に搭乗したマイルをノースウエスト航空の「ワールドパークス」(現「スカイマイル」)に加算できた。 デルタ航空とノースウエスト航空の経営統合後もデルタ航空とは提携が行われており、中国東方航空と子会社の上海航空、デルタ航空の3社でアメリカ国内線30路線と中国国内線43路線、太平洋横断路線7路線で共同運航(コードシェア)を実施したり、デルタ航空の上海・浦東国際空港の利用ターミナルを中国東方航空と上海航空が利用する第1ターミナルに2015年4月13日から[5]移転しスムーズな乗り継ぎを実現させた[6]。その後2015年7月22日に中国東方航空とデルタ航空は香港証券取引所で取引されている中国東方航空の香港H株を4億5,000万米ドル分[注釈 1]購入する条件付き出資契約に同意し[3][6]、同年9月に出資した[2]。 2009年6月、同じ上海を拠点とする上海航空と経営統合をすると報道され[7]、2010年2月8日、上海航空を買収、完全子会社化したと発表した[8][9]。2010年4月16日に子会社の上海航空ともにスカイチーム加盟へ調印[10]、2011年6月21日に正式加盟した[11]。 日本との関係1988年の中国民航からの移管以前から日本路線に就航している。 中華人民共和国の航空会社では初めて日本人客室乗務員を日本路線(一部路線を除く)に乗務させ、また、上海浦東国際空港には日本人の地上スタッフも配置している(上海浦東国際空港開港前、日本人スタッフは上海虹橋国際空港で勤務していた)。 日本航空との提携日本航空(JAL)とは、地上業務の受委託や総代理店契約等の営業面での協力が以前よりあったが、2002年9月1日よりそれぞれの日中路線の一部[注釈 2]においてコードシェアを開始した[12]。その後順次コードシェアを行う路線を拡大していき、2011年11月8日には対象路線が両会社の日中間の全路線と両社の一部国内線にまで拡大した[13]。 2008年2月1日からマイレージプログラムで提携を開始しており、中国東方航空に搭乗したマイルのJALマイレージバンクへの加算、JMBマイルによるMU便の特典航空券の発行ができるようになった[14]。ただし、日本 - 中国間の便についてはマイル積算の対象外であったが、2011年6月1日搭乗分からはマイル積算対象となる[15]。 2018年8月2日に、JALと共同事業(JV)実施に向けた覚書を締結したと発表した[16][17]。JVの対象路線は日中路線とJALの日本国内線、中国東方の中国国内線の一部で、JV開始後の両社のネットワークは、日本国内50都市以上、中国国内80都市以上になる[18]。JALはワンワールド、中国東方航空はスカイチームと異なるアライアンスに加盟していながらJVを行うのは特徴的である。同年10月5日に2019年度中のJV開始を目指し国土交通省に独占禁止法の適用除外(ATI)の申請を行った[19]。適用除外後JVが開始されれば運航路線の新設や整理、ダイヤの調整、マイレージプログラムのサービス拡大などが可能になる[17]。 来歴
就航都市保有機材現在の保有機材
同社が発注したボーイング社製航空機の顧客番号(カスタマーコード)は9Pで、航空機の形式名は737-39P、737-79P、737-89P、777-39PERなどと表記される。 退役機材
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マイレージサービス同社のマイレージサービス『東方万里行(イースタンマイルズ)』では、スカイチーム加盟航空会社の他に以下とも提携している。 過去の事故・不祥事
脚注注釈出典
外部リンク
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