ドラゴンボール超 スーパーヒーロー
『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』(ドラゴンボールスーパー スーパーヒーロー、英語: Dragon Ball Super: SUPER HERO)は、2022年6月11日に公開の東映アニメーション制作による日本のアニメーション映画。アニメ『ドラゴンボール』シリーズの劇場版第21作目(『ドラゴンボール超』としては第2作目)。 概要前作『ドラゴンボール超 ブロリー』(2018年12月公開)から3年半ぶりとなる劇場公開作品。キャッチコピーは「レッドリボン軍 超極秘作戦、開始!」「鳥山明 渾身の、超バトルアクション誕生!」。 前作『ブロリー』と同様に原作者の鳥山明が脚本とキャラクターデザインを務め、監督は前作『ブロリー』でも制作に携わった児玉徹郎が努めている。 ストーリーは前作『ブロリー』以降の物語で、今作のパンの年齢が3歳[3]に対して原作最終回では4歳[4]なので、原作最終回にあたる第28回天下一武道会の1年前ということになる。『超』の漫画版で展開されている「生残者グラノラ編」より後なのか否かは当時連載中だったため伏せられていた[5]が、本作のストーリーを扱った「スーパーヒーロー編」はその続きとして描かれているため、本作が「生残者グラノラ編」よりも後の時系列であることが確定した。 漫画版の「スーパーヒーロー編」はトランクスと悟天を主役としたエピソードから始まり[6]、本作の前日談を描いた後に本編の内容へと移行した[7]。 制作会社の社内ネットワークへの不正アクセスによる影響当初は2022年4月22日に公開予定であったが、3月6日に、製作元の東映アニメーションの社内ネットワークへ第三者による不正アクセスがあったことが確認され、同月11日にこれを受けて社内システムの一部を停止したことにより、スケジュールに変更が生じることが公式サイトで発表された。これに伴い同月18日に公開延期を発表[8]。4月14日、同年6月11日に公開することを改めて発表[9]。 あらすじかつて孫悟空という一人の少年に壊滅させられた悪の組織・レッドリボン軍。その組織の総帥であったレッドの息子であるマゼンタは、亡きレッドの意志を継ぎ自身が立ち上げたレッド製薬という会社を介して、レッドリボン軍復活のための資金を集めていた。マゼンタは新生レッドリボン軍の最終目標である世界征服の障害となる悟空に対抗すべく、以前レッドリボン軍に所属していた天才科学者・Dr.ゲロの孫であるDr.ヘドと接触し、新たなる最強の人造人間の開発を依頼する。 半年後、かつて大魔王として世界を震撼させたナメック星人・ピッコロは自身の1番弟子である孫悟空の長男・孫悟飯とその妻・ビーデルに代わり、彼らの娘であるパンに修行をつけていた。一通りの修行を終え、幼稚園への見送りを済ませた後、学者として研究にのめり込み自分の娘のことすら疎かになっている悟飯を叱咤する。帰宅後、ピッコロは突如、自らを「スーパーヒーロー」と名乗る謎の人造人間・ガンマ2号の襲撃を受ける。自分の実力を遥かに超える2号の力に危機感を覚えたピッコロは、その正体を探るべく自らの死を偽装して帰還する彼を尾行し新生レッドリボン軍基地へと潜入し、秘密基地の場所および主要人物、軍の目的、そして恐るべき破壊兵器を開発していることを知る。 レッドリボン軍の秘密基地に到着した悟飯はガンマ1号と交戦。初めこそ劣勢だった悟飯だが、パンを人質にされた怒りでかつて老界王神に引き出してもらった潜在能力を再び解放し1号を圧倒する。危機感を覚えたレッドリボン軍は2号も戦闘に参加させようとするが、潜入していたピッコロが正体を表して2号と再び対峙する。 戦闘の最中、双方に誤解があることに気付き誰が真の悪を悟った1号と2号は戦いを中断、ヘドもまた自分がレッドリボン軍に騙されていたことを知る。だがガンマたちの劣勢に失望したマゼンタはこの隙に逃亡、まだ調整の済んでいない最恐の人造人間・セルマックスを強引に目覚めさせてしまう。マゼンタの行動はヘドに阻止されたが、時遅くセルマックスは復活。悟飯たちはブルマが連れてきた助っ人であるトランクス、孫悟天、18号、クリリンと基地で経過を見ていたが、1号と2号によりセルマックスを止めなければ地球が危険だということを伝えられ、セルマックスを破壊すべく共闘する。 圧倒的な力を誇るセルマックスに戦士たちは次々と倒されていく。ガンマ2号は自らの命を全エネルギーに換えて弱点である頭部を狙うも左腕でガードされ、左腕は粉砕するが頭部への攻撃は防がれてしまう。ピッコロにより悟飯の最大の一撃をトドメとする作戦が提案され、他の戦士たちは総攻撃を続けるが頭部にひび程度のダメージしか与えられず、戦士たちは一人ずつ倒れていく。 残ったピッコロは一人抵抗を続け、悟飯が攻撃できるだけの隙を作ろうとするも遂にセルマックスに敗れ倒されてしまう。それを目撃した悟飯は怒りにより更なる変身を遂げ、セルマックスを圧倒する力を発揮、怯えたセルマックスは攻撃を仕掛けるが悟飯は余裕の笑みを浮かべる。その際に再び立ち上がったピッコロがセルマックスの拘束を計ると同時に悟飯への最後の一撃を呼びかけたことで、悟飯は離れた距離からでも目視できる大量の気を収束させて魔貫光殺砲を放つ。セルマックスは怯えて空中へ逃れようとするがピッコロの拘束によりそれは叶わず、最後の抵抗として小惑星サイズまで展開したエネルギーを凝縮した次元も歪めるエネルギー弾を放つ。魔貫光殺砲との衝突は次元の壁を幾重にも破る威力を見せ、更には頭部の破壊に完全に成功、遂にセルマックスを打ち破る。 その後セルマックスの大爆発により新生レットリボン軍基地は跡形もなく消滅した。騙されていたとはいえ、悪の組織であるレッドリボン軍に加担していたヘドはガンマ1号と共に警察へ自首しようとしたが、ヘドの研究に興味を持ったブルマが2人をカプセルコーポレーションへ迎え入れることを提案、ピッコロたちも同意する。そして、この一連の騒動の中で舞空術を使いこなせるようになったパンが空を飛び回りながら、物語は幕を閉じた。 登場キャラクター原作キャラクター
アニメオリジナルキャラクター
ゲストキャラクター
本編未登場(回想シーンなど紹介のみの出演)→詳細は「ドラゴンボールの登場人物」を参照
スタッフ
制作2021年5月9日の悟空の日に本作品の製作が正式発表され[27]、2021年7月に「サンディエゴ・コミコン」のオンラインイベント「Comic-Con@Home」において、本作品のタイトルが正式発表された[28]。また、同時にピッコロ・クリリン・パンの最新のイラストが公開された[29]。 タイトルについて野沢雅子(孫悟空 / 孫悟飯 / 孫悟天役)は「もうその通りです!!」と述べ、集英社のエグゼクティブプロデューサー・伊能昭夫は「スーパーが2回重なっているほどすごいんです!」と、東映アニメーションのプロデューサー・林田師博は「スーパー、スーパーヒーローとなると、今回誰が活躍し、どんな新しいキャラが出てくるのか!? 楽しみにしてほしい!」とそれぞれ期待を述べた[28]。また、キャラクターデザインについて伊能は「過去最大級の関わりと断言していいと思います!」と述べた上で「(鳥山本人にとっても)最高傑作という自負があるのではないかと思う仕上がり!」と力を込めた[30]。 『ドラゴンボール超 ブロリー』公開1前年の2017年から制作が動き始めていた[31]。鳥山明の初期構想ではピッコロが主人公だったが、エグゼクティブプロデューサーの伊能昭夫の熱望により悟飯とピッコロが主人公となった[31][15]。脚本としてできあがるのに2年近くかかっている[31]。 今作品は本編がCG制作アニメーション、ラスボスが公開まで未発表、主題歌・挿入歌が無く、エンディングはBGMで締めているなどシリーズ初の試みが多い。 冒頭のアバンタイトル(過去の回想シーン)は手描きによる新規作画である。久保田誓が絵コンテ・演出・原画を行っている[32]。 なお、第18作『ドラゴンボールZ 神と神』から第20作『ドラゴンボール超 ブロリー』までは20世紀フォックス映画が配給協力を担当していたが、同社の親会社の20世紀フォックスがウォルト・ディズニー・カンパニー傘下に入ったことにより2020年9月1日に解散したため[33]、本作の映画配給は東映が単独で行っている。 公開特殊上映での公開前述の通り、本作品は東映アニメーションの制作、東映の配給により、2022年6月11日にIMAX版とともに公開された[34][35]。同年6月25日から4DX版・MX4D版が上映[35]、同年7月1日からドルビーシネマ版が上映された[35]。 世界各国での公開日本国外でも8月18日より、オーストラリア、ニュージーランド、メキシコを初め世界各国で公開された[36][37]。日本国外での配給はソニー・ピクチャーズ エンタテインメントとその傘下のCrunchyrollによって行われる。クランチロールによると、本作品はクランチロールにとって初めて全世界的規模の公開になるとのこと[36]。 北米では、2022年8月19日に2300館での劇場公開された[38]。配給は前作品まではファニメーションによって行われてきたが、本作品ではクランチロールとファニメーションのブランド統合にともないクランチロールによって配給される[36]。 クランチロールは、以前『デジモンクロスウォーズ 〜時を駆ける少年ハンターたち〜』、『デジモンユニバース アプリモンスターズ』、『デジモンアドベンチャー:』、『デジモンゴーストゲーム』において、日本国外で同時配信された。 興行成績日本2022年6月11日・12日の2日間で観客動員49万7526人、興行収入6億6989万220円を記録し、週末映画ランキングで(興行通信社調べ)初登場第1位となった[39][40]。 2022年6月20日、公式Twitterより興行収入が12億円を突破したことが発表された[41][42]。 2022年6月24日、累計動員数100万人突破を記念し、YouTubeチャンネル「東映映画チャンネル」にて同日18時から2日間限定[注 47]で本編冒頭5分の特別公開が発表された[43]。 2022年7月11日時点で興行収入20億円、観客動員数154万人を記録した[44]。 世界2022年8月18日より、ソニー・ピクチャーズとクランチロールの共同配給で世界公開され、北米で2100万ドル(約28.9億円)、北米を除くメキシコ、アルゼンチン、ペルー、イギリス、アイルランド、チリなどそのほかの地域で1230万ドル(約17億円)で全世界の週末興収3340万ドル(約46億円)を記録し、コムスコア社調査の「全世界週末興行収入ランキング」で第1位を獲得した[45][46][47]。8月21日までの日本を含む全世界の累計興行収入が約5200万ドル(約70.8億円)を記録した[48]。 2022年9月5日時点で日本を含む全世界累計興行収入は7710万ドル(約108億円)を記録している。 北米では3018館で公開され、公開初日に興行収入1092万ドルを記録し、『劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』(1999年公開)の1010万ドルを抜いて「北米における日本映画の初日の最高興行収入」を記録した。8月19日〜21日までの公開3日間で2110万ドル(約28.9億円)の興行収入を記録し、週末の興行収入ランキングで1位を記録した。日本での累計興行収入1850万ドル(約24.9億円)を公開3日間で上回る大ヒットとなった。 最終的には全世界で1億250万ドル(約138億円)の興行成績を記録した[49]。 プロモーション入場者プレゼント
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テレビ放送テレビ地上波では、フジテレビ系列で2024年10月3日(木曜日)21時 - 23時8分(JST)に同シリーズの最新アニメ作品『ドラゴンボールDAIMA』の放送開始を記念して地上波初放送された[63]。
脚注注釈
出典
外部リンク |