イオノン
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α: (3E)-4-(2,6,6-Trimethylcyclohex-2-en-1-yl)but-3-en-2-one β: (3E)-4-(2,6,6-Trimethylcyclohex-1-en-1-yl)but-3-en-2-one γ: (3E)-4-(2,2-Dimethyl-6-methylenecyclohexyl)but-3-en-2-one
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別称 Cyclocitrylideneacetone, irisone, jonon
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識別情報
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CAS登録番号
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127-41-3 α , 79-77-6 β , 79-76-5 γ
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PubChem
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5363741
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ChemSpider
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4516050
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UNII
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QP734LIN1K
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ChEBI
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O=C(\C=C\C1\C(=C)CCCC1(C)C)C
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InChI=1S/C13H20O/c1-10-6-5-9-13(3,4)12(10)8-7-11(2)14/h7-8,12H,1,5-6,9H2,2-4H3/b8-7+ Key: SFEOKXHPFMOVRM-BQYQJAHWSA-N InChI=1/C13H20O/c1-10-6-5-9-13(3,4)12(10)8-7-11(2)14/h7-8,12H,1,5-6,9H2,2-4H3/b8-7+ Key: SFEOKXHPFMOVRM-BQYQJAHWBW
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特性
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化学式
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C13H20O
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モル質量
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192.30 g/mol
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密度
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α: 0.933 g/cm3 β: 0.945 g/cm3
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融点
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β:−49℃
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沸点
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β:126 ~ 128℃ (at 12 mmHg)
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特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。
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イオノン(英語: ionone)、別名ヨノン(ドイツ語: Jonon、オランダ語: Jonon)はテルペノイドの一種である。二重結合の位置が違う3種類の異性体があり、それぞれα-イオノン、β-イオノン、γ-イオノンと呼ばれる。スミレの花のようなにおいを持つ、無色または黄色みを帯びた液体である。においは異性体ごとに異なる。
存在
いずれの異性体もさまざまな植物の精油にみられ、特にベリー、茶、タバコに多い。スミレ精油には約22%のα-イオノンが含まれる。β-イオノンはヘンナなど、γ-イオノンはタマリンドなどに含まれる。α-イオノンには一対の鏡像異性体があるが、天然にはどちらも存在する。
用途
多く調合香料や食品香料として利用される。含まれる異性体の比率が違うと、そのにおいも異なる。ダマスコンやイソメチルイオノンなど、他の香料を製造する際の原料としても使われる。
β-イオノンはレチノール(ビタミンA)やカロテノイド、および他の香料の合成原料化合物として重要である。2003年における全世界での生産量は4,000から8,000トンと見積もられている[1]。
製造
植物の精油から得られるが、主に化学合成によって製造される。
イオノンはプソイドイオノンから合成することができる。シトラールにアセトンを塩基触媒を用いたアルドール反応によって縮合させると、プソイドイオノンが生成する。
プソイドイオノンに希酸を加えて暖めると環化がおこり、α-イオノンとβ-イオノンの混合物が得られる。反応を行う条件によって、生成するα体とβ体の比率は変わる。リン酸を用いると主としてα-イオノンが、硫酸の場合には主にβ-イオノンが得られる。また、三フッ化ホウ素を使うとγ-イオノンが生成する。
生化学
ごく少量であっても、ヒトの鼻はイオノンのにおいを感じとることができる。閾値は空気中、α-イオノンでは約3ppb(空気中 3×10−7mg/L)、β-イオノンは0.12ppb、(R)-γ-イオノンは11ppb、(S)-γ-イオノンは0.07ppbとされる[2]。
安全性
経口での急性毒性は低いとされている。α/β-イオノン混合物 (60:40) のLD50は4590mg/kg(ラット、経口)と報告されている[3]。
イオノンはアレルゲン(感作性物質)となる可能性があり、取り扱いの際には手袋を使うことが推奨されている。
α-イオノンはドイツ水質危害クラス (Wassergefährdungsklasse) でクラス2(危険性あり、endangering)に指定されている。
出典
- ^ OECD Screening Information DataSet (SIDS). β-Ionone.
- ^ Brenna, E.; Fuganti, Claudio.; Serra, Stefano.; Kraft, P. (2002). "Optically active ionones and derivatives: preparation and olfactory properties." Eur. J. Org. Chem. 967–978. doi:10.1002/1099-0690(200203)2002:6<967::AID-EJOC967>3.0.CO;2-E.
- ^ Jenner, P. M.; Hagan, E. C.; Taylor, J. M.; Cook, E. L.; Fitzhugh, O. G. (1964). "Food flavourings and compounds of related structure I. Acute oral toxicity." Food Cosmet. Toxicol. 2: 327–343. doi:10.1016/S0015-6264(64)80192-9.