名古屋大賞典(なごやだいしょうてん)は、愛知県競馬組合が名古屋競馬場で施行する地方競馬の重賞(ダートグレード競走)競走である。格付けはJpnIII。2023年までは中日新聞社が優勝杯を提供しており、正式名称は「中日新聞杯 名古屋大賞典」であったが、2024年より農林水産省が賞を提供するため、「農林水産大臣賞典 名古屋大賞典」となる[2]。
概要
1977年に5歳(現4歳)から10歳(現9歳)の別定の東海地区限定の重賞競走、名古屋大賞典として創設、第1回は名古屋競馬場のダート1900mで施行された。
1987年の第11回競走を最後に、3月開催へ移す為に1988年は施行されず、1996年からは東海地区グレード制施行によりSP1に指定されると同時に中央・地方全国指定交流競走に指定され、中央競馬および他地区所属馬が出走可能となり、更に負担重量を定量に変更した。
1997年からはダートグレード競走施行によりGIII(統一GIII)に格付け、2000年からは負担重量をグレード別定に変更、2005年から出走資格を4歳(旧5歳)以上に変更、2006年は前年の名古屋グランプリが降雪で中止になった事に伴い、農林水産大臣賞典の副称が付いた。
2023年からは名古屋競馬場の移転に伴いダート2000mに変更された。
2023年までは名古屋競馬場における春の名物競走で、フェブラリーステークス後のGIIIクラスということもありGI級勝ち馬の参戦は稀で、中央競馬の重賞クラスの競走馬が例年出走する傾向があった。中央競馬の重賞クラスの競走馬にとっては、躍進のきっかけとなる競走であり、スマートファルコン、ニホンピロアワーズ、ホッコータルマエ、アウォーディー、ケイティブレイブは後にGI級競走優勝馬となっている。
2024年より古馬中距離路線のローテーション整備の一環で、施行時期を12月に移行し、出走条件が4歳以上から3歳以上に、負担重量がハンデキャップに変更される[3]。
条件・賞金(2024年)
- 出走条件
- サラブレッド系3歳以上、指定交流。
- 負担重量
- ハンデキャップ。
- 賞金
- 1着3000万円、2着1050万円、3着600万円、4着450万円、5着300万円、着外30万円[1]。
- 副賞
- 農林水産大臣賞、日本中央競馬会理事長賞、日本馬主協会連合会長奨励賞、地方競馬全国協会理事長賞、NAR生産牧場賞、(一社)日本地方競馬馬主振興協会会長賞、(一社)愛知県馬主協会会長賞、愛知県競馬組合管理者賞、開催執務委員長賞[4]。
過去の賞金額
- 中央競馬・地方競馬全国指定交流競走に指定された1996年以降
回数 |
総額賞金 (万円) |
1着賞金 (万円) |
2着賞金 (万円) |
3着賞金 (万円) |
4着賞金 (万円) |
5着賞金 (万円)
|
第19回(1996年) |
6,800 |
4,000 |
1,360 |
680 |
480 |
280
|
第20回(1997年) |
5,550 |
3,000 |
1,200 |
600 |
450 |
300
|
第21回(1998年)
|
第22回(1999年)
|
第23回(2000年) |
5,340 |
1,050 |
420 |
270
|
第24回(2001年) |
5,100 |
510 |
330 |
210
|
第25回(2002年)
|
第26回(2003年)
|
第27回(2004年)
|
第28回(2005年)
|
第29回(2006年) |
4,650 |
900 |
360 |
240 |
150
|
第30回(2007年)
|
第31回(2008年) |
4,350 |
750 |
300 |
180 |
120
|
第32回(2009年)
|
第33回(2010年) |
3,750 |
2,500 |
650 |
350 |
150 |
100
|
第34回(2011年) |
3,150 |
2,100 |
546 |
273 |
126 |
105
|
第35回(2012年)
|
第36回(2013年)
|
第37回(2014年)
|
第38回(2015年)
|
第39回(2016年)
|
第40回(2017年)
|
第41回(2018年) |
504 |
252 |
168 |
126
|
第42回(2019年) |
525 |
105
|
第43回(2020年) |
3,360 |
588 |
336 |
210 |
126
|
第44回(2021年) |
3,740 |
2,200 |
704 |
396 |
264 |
176
|
第45回(2022年)
|
第43回(2023年) |
4375 |
2500 |
825 |
500 |
325 |
225
|
※上記総額賞金に、着外賞金は含まれない。2023年の着外賞金は25万円であった[5]。
歴史
- 1977年 - 名古屋競馬場のダート1900mの5歳(現4歳)から10歳(現9歳)の別定の東海地区限定重賞競走、名古屋大賞典として創設。
- 1985年 - 笠松の後藤保が調教師として史上初の連覇。
- 1988年 - 施行時期の変更により施行せず。
- 1991年
- 愛知のハヤブサモンが史上初の連覇。
- 愛知の伊藤辰雄が調教師として2人目の連覇。
- 1996年
- 東海地区グレード制施行によりSP1に指定。
- 中央・地方全国指定交流競走に指定。
- 負担重量を定量に変更。
- 1997年 - ダート競走格付け委員会にGIII(統一GIII)に格付け。
- 2000年
- 2001年
- 馬齢表示の国際基準への変更に伴い、出走条件が「5歳から10歳」から「4歳から9歳」に変更。
- 四位洋文が騎手として史上初の3連覇。
- 2005年
- 出走資格を「4歳から9歳」から「4歳以上」に変更(10歳以上の競走馬が出走可能となる)。
- JRAのクーリンガーが3頭目の連覇。
- JRAの岩元市三が調教師として4人目の連覇。
- 2006年 - 副称に農林水産大臣賞典が付く。
- 2007年 - ICSCの勧告により、格付けを統一JpnIIIに変更。
- 2020年 - COVID-19の流行により客を入れずに「無観客競馬」として開催。
- 2022年
- JRAのクリンチャーが4頭目の連覇。
- JRAの宮本博が調教師として5人目の連覇。
- 発売金額が884,710,700円となり、発売金額レコードを更新。
- 2023年 - 名古屋競馬場の移転に伴い、施行距離をダート2000mに変更。
- 2024年
- 「全日本的なダート競走の体系整備」に伴い、施行時期を12月に、出走資格を3歳以上に、負担重量をハンデキャップにそれぞれ変更予定。
- 競走名を「農林水産大臣賞典 名古屋大賞典」に変更し、競走名の中日新聞杯が外れる。
歴代優勝馬
出典
各回競走結果の出典
関連項目
外部リンク
|
---|
JRAは暦年基準、地方競馬は会計年度基準。GI・GII・GIIIは国際格付。 |
GI | |
---|
JpnI | |
---|
GII | |
---|
JpnII | |
---|
GIII | |
---|
JpnIII | |
---|