千葉銀行
株式会社千葉銀行(ちばぎんこう、英: The Chiba Bank, Ltd.)は、千葉県千葉市中央区に本店を置く地方銀行。 概要千葉県内では圧倒的なシェアを誇り[4]、千葉県や千葉市をはじめ県内の多くの自治体の指定金融機関でもある。日経平均株価の銘柄の1つであり、地銀でありながら、ニューヨーク・ロンドン・香港・シンガポールに支店を、上海・バンコクに駐在員事務所を持つ。成田国際空港には外貨両替と送金をメインに行う1支店・3出張所がある。近年はリテール部門の強化を図っており、投資信託残高及び年金保険の販売額累計が地銀ではトップを誇る。東京23区や埼玉県東部(武蔵野線・東武野田線沿線)・茨城県南部(つくばエクスプレス沿線)、茨城県鹿行地域等に支店や法人営業所を開設しており、新規開拓の動きが目立つ。 働き方改革の取り組みにおいては、2014年10月、女性行員のキャリア形成などを支援する目的で「ダイバーシティ推進部」を新設した。同行初の女性部長を登用する[5][6]など取り組みを進め、2015年に内閣府が行う「女性が輝く先進企業表彰」において内閣総理大臣表彰を受賞した[7]。2024年には同行初の女性代表取締役が就任している[8]。 近年の地銀再編の中では、経営統合によらない新たな地銀連携モデルの枠組みを先導している。2016年3月に武蔵野銀行と包括提携で千葉・武蔵野アライアンスを発表[9]して2017年に千葉・武蔵野アライアンス株式会社を設立した[10]。ほかに地銀広域連携の「TSUBASAアライアンス」(TSUBASA(翼)プロジェクト)、横浜銀行と業務提携で「千葉・横浜パートナーシップ」など、独自の提携施策を進めている。 沿革成り立ち太平洋戦争の勃発によって、政府は戦時体制を強化するため、銀行の合同を推進した。これに基づき1943年、千葉県内においては千葉合同銀行、小見川農商銀行、第九十八銀行が合併して千葉銀行が新立され、翌年3月千葉貯蓄銀行を吸収合併、6月野田商誘銀行から千葉銀に営業権が譲渡された。これによって県内における一県一行主義は成立した[11]。 当時の千葉県は農業や水産業が主体で、県内向けの貸し出しが伸び悩んでおり、県内に進出する企業は既に都市銀行や長期信用銀行をメインバンクとしている大企業が中心であった初代頭取の古荘四郎彦は前身の千葉合同銀行頭取時から新興企業や小売業、興業会社などへ積極的な融資拡大策を採った。事例として、融資規制の最中に行内の反対があるにかかわらず、東京のどの銀行も貸さなかった映画会社「日活」への融資に踏み切ったり、実業家の横井英樹が画策した東京日本橋の百貨店「白木屋」の乗っ取りに協力したことなどが挙げられる[12][13][14]。 1958年3月に千葉銀行レインボー事件などの不良債権が表面化し古荘は失脚。経営再建のために千葉銀は大蔵省や日本銀行(日銀)から頭取や取締役を迎えざる得なくなり、同年5月、日銀監事であった大久保太三郎が新頭取に就任。古荘体制下のほとんどの役員を更迭し、千葉銀の経営改革を進め発展の礎を築いた[13][15][16]。 1951年7月、千葉県が策定した「総合開発計画」では従来の農水産県からの脱却を図るべく、臨海部に工業地帯を造成することが主眼として据えられ、翌年3月に策定された「千葉県産業経済振興計画」では千葉市、船橋市、木更津市の臨海部を埋め立て、重化学工業を積極的に導入することが謳われた。これら計画に則り、1960年までに400万坪の埋め立てが実施され造成地には企業が進出。さらに県は内陸部にも大規模な工業団地の造成を開始した[17]。こうした臨海部埋め立てに伴う漁業補償金あるいは工業団地造成による土地代金などが支払われることによって、地元金融機関の預金は伸び、さらに京葉工業地帯へ進出した企業や関係取引先などには融資が推し進められた。これらを背景に高度経済成長期に千葉銀の預金や融資量は急伸した[18]。 この事が経営や資本上の混乱を招く一因となり、前述のレインボー事件のほか、大阪市に本店を置く都市銀行「三和銀行」が千葉銀を傘下に収めることを目的として、同行の株式10%超を買い占めたため、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(独占禁止法)違反の疑いで問題になる事態になった[注 2][19][20]。 沿革
歴代頭取
提携関係前身の一つ総武銀行→千葉合同銀行は、旧川崎財閥系であり第百銀行と提携関係にあった[注 3]。その経緯から現在でも、第百銀行を吸収合併した旧三菱銀行の後継銀行である三菱UFJ銀行は千葉銀行株を約5%保有しており、旧三菱銀行の地銀親睦会である火曜会結成当初からの会員である。しかし、営業面での提携は旧三菱銀行系のDCカード以外なく、ATMの相互利用も当初から行っておらず、経営面でも役員派遣などはなく独自色を出している。 他行との連携においては、近年の地方銀行では経営統合による合理化が進む中、以下のような提携策により、統合によらず連携を図る方針を打ち出している。 千葉・武蔵野アライアンス2016年3月、全国でも地銀再編が進む中、合併や経営統合によらない新たな地銀連携モデルとして埼玉県を本拠とする武蔵野銀行との包括提携(千葉・武蔵野アライアンス)を発表[9]。事業環境の近似性を活かし、業務共同化によるコスト削減や、商品・システム等の共同開発や人材交流、グループ会社の相互活用などを推進することを明らかにした[9]。翌年には両行の共同出資で千葉・武蔵野アライアンス株式会社を設立し、提携施策を進めることを発表した[70]。 TSUBASAアライアンス2008年より地銀5行でシステム共同化への調査研究を行うTSUBASA(翼)プロジェクトを発足させており、現在はそれを発展させる形でTSUBASAアライアンスを組織。フィンテックをはじめとした先進技術の調査・研究を共同で行っており、その他にも事務部門共同化などの連携施策をとっている。現在は千葉銀行のほかに第四北越銀行・中国銀行・伊予銀行・東邦銀行・北洋銀行・武蔵野銀行・滋賀銀行・琉球銀行・群馬銀行が加盟行となっている[58][71][72]。 →詳細は「TSUBASAアライアンス」を参照
千葉・横浜パートナーシップ2019年7月、横浜銀行との業務提携を発表。総資産(単体)では地方銀行首位と第2位の銀行による提携となる。運用商品の共同開発やM&A・事業承継での協働などによる営業面を中心とした提携であり、地銀トップ行同士で協力する強みを活かしながら収益拡大を図るとしている。 ソニー銀行2022年10月、ソニー銀行との業務提携を発表。デジタルトランスフォーメーション(DX)分野での提携となり、オンライン相談システムなどといった、ソニーグループが開発したデジタル技術の導入を予定している。TSUBASAアライアンス加盟行への展開も検討している[62]。 ATM提携→詳細は「公式サイトの提携ATMを探す」を参照
県外店舗国内
海外
※店番号順 過去の店舗
情報処理システム千葉銀は日本IBM製メインフレームで動作する勘定系システムを採用していたが、2012年10月18日、「TSUBASAプロジェクト」参加行である第四銀行、中国銀行と勘定系のほか対外系、コンビニATMなどのチャネル接続システムも共同化することで合意した。稼働後の運用は日本IBMに委託し[73][74]、千葉銀は2016年1月4日に共同システムの利用を開始した。 関連会社・財団連結子会社
持分法適用子会社
※ちばぎん幕張ビルに本社を置くグループ会社 関連財団提供番組・スポンサー提供番組
スポンサー
この他にも、少年・学生スポーツへの協賛や、スタジアム等への広告協賛などを行っている。 ギャラリー
関連項目
脚注注釈
出典
参考文献
外部リンク |