コニアシアン
コニアシアン(英語: Coniacian)は、8980万年前(誤差100万年)から8630万年前(誤差700万年)にあたる後期白亜紀の地質時代名の一つ。 なお、「コニアス階」「コニアシアン階」という名称があるが、これらは時代を示すものではない。「階」は地層に対して当てられる単位(層序名)であり、層序名「コニアス階」「コニアシアン階」と時代名「コニアス期」「コニアシアン期」は対を成す関係である。詳しくは「累代」を参照のこと。 環境コニアシアンでは海洋無酸素事変であるOAE3が発生した可能性が指摘されている[1][2]。前期コニアシアンでは二枚貝のディディモティスが多量に産出し、これはディディモティス・イベントと呼ばれる。ディディモティスは一般的な底生動物化石が産出しない場所で多産しており[1]、黒色泥岩中に産出する[2]。日本の北海道の蝦夷層群でも同様の現象が確認できるほか、黄鉄鉱や保存状態の良い黒色砂岩の葉理が見られる[2]。 ただし、同じく北海道の古丹別地域では、海洋無酸素事変の頃の地層と比較すると有機炭素や黄鉄鉱の産出が少ないことから、当時は酸素濃度が低いものの定常的な無酸素環境ではなく、また泥岩は非硫化的環境で堆積したと考えられている。さらに、この泥岩層はストーム起源の堆積層と幾重もの層状構造をなすため、貧酸素・富酸素という環境変化は周期的に発生していたことが示唆されている[3]。 日本において日本では北海道空知管内三笠地域にチューロニアンとコニアシアンの境界として規定できる地層が存在する。奔別川本流西翼・本流東翼(現在は桂沢湖底に水没)・奔別川支流五ノ沢で調査が行われ、アンモナイトやイノセラムスの化石記録と、緑色砂岩層から境界を規定できる。緑色砂岩層の基底が境界である[4]。 北海道の古丹別地域では、コニアシアンの暗灰色泥岩からイノセラムスなど少数種の大型化石が産出する[3]。 また、北海道芦別市に分布する蝦夷層群羽幌川層は後期コニアシアンにあたり、板鰓亜綱の魚類化石や二枚貝化石が産出する。2016年には血道弓の関節面が保存された脊椎動物の尾椎が発見され、尾椎骨が前後に長いことと関節面が丸みを帯びていることからティラノサウルス上科の骨と判断された。福島県に分布するコニアシアンの地層からもティラノサウルス上科の化石が産出しており、当時はティラノサウルス上科の恐竜が後の日本に広く分布していたと推測されている[5]。 生物アンモナイト
鳥脚類
竜脚類
首長竜
獣脚類
出典
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