コスモ石油
コスモ石油株式会社(コスモせきゆ、英: Cosmo Oil Co., Ltd.)は、石油製品を精製・販売する石油元売企業の一つ。コスモエネルギーホールディングス(持株会社)の子会社である。三和グループに属しており、親会社のコスモエネルギーホールディングスは三水会とその後身社長会である水曜会およびみどり会(旧:三和銀行系)の構成企業である[注釈 1]。コーポレート・メッセージは「ココロも満タンに、コスモ石油」。 概要大協石油(だいきょうせきゆ、商標は「大」の文字を桜の形に似せたもの)、丸善石油(まるぜんせきゆ、商標はツバメ印)、旧・コスモ石油(大協と丸善の石油精製合弁会社、通称「精製コスモ」)の3社が合併して、1986年4月1日に発足。コーポレートブランドは「cosmo」で、宇宙を意味するcosmosと世界市民を意味するcosmopolitanから。 ENEOSとコスモ石油の両社は、現在、業務提携を結び、販売を除く特許、石油輸送、製油所の共有などを図り、日本最大の石油元売グループを形成している。 沿革大協石油
丸善石油
アジア石油
大協・丸善合併後
事業所所在地本社・研究所製油所
かつては愛媛県松山市に旧・丸善石油が製油所を置いていたが、設備が小規模のため原油の精製を停止した。現在はグループ企業、コスモ松山石油が石油化学製品・半製品の製造と油槽所の運営を行っている。また旧・アジア石油時代から稼働していた坂出製油所(香川県坂出市)も2013年7月に廃止され、坂出物流基地となっている[13][14]。 その他事業所
コスモ石油マーケティング株式会社の支店
ガソリンスタンドコスモ石油でのガソリンスタンドの名称はサービスステーション(SS)で、現在もフルサービスが主流であり、タイヤ・バッテリーなどのカー用品販売をコスモ・ザ・カードのガソリンマイル(ポイントサービス)キャンペーンを用いて積極的に行っている。また、大規模な車検場を設けた「Auto B-cle(オートビークル)」店舗も設置している。 有料道路(高速道路を含む)にあったSSは、2010年3月31日までに廃止または他社に置き換えられたため現存しない[15]。 特徴のあるガソリンスタンド
提携クレジットカードいずれのカードも会員価格で給油が可能である。 コスモ・ザ・カード・ハウスサービスステーション・デニーズ[注釈 4]などの加盟店で使えるハウスカード「コスモ・ザ・カード・ハウス」を1987年から発行している。 ハウスカード事業はセントラルファイナンス(現・セディナ)へ信用保証委託を行い、石油業界では唯一自社(コスモ石油)で発行する形態を採ってきた。しかし、2009年9月にコスモ石油とセディナは新たな提携合意の締結を発表し、2009年12月1日付けの会員規約改正からセディナが発行元となるコスモ石油との提携カード形態へ移行した。2011年4月を目処に新ハウスカードの発行開始を予定している。 カードセンターは、1999年6月から2007年9月まではインテックへ、2007年10月以降はプロセント(セディナのプロセシング部門子会社)へアウトソーシング委託の上運営されている。 2001年からオーパス発行開始まで、サービスステーションの一部で30分で審査の上、店舗内で発行を行う即時発行サービスを実施していた。 コスモ・ザ・カード・トリプルセディナCF(旧・セントラルファイナンス)発行の国際ブランド付帯の提携カードである。 サービス内容は<ハウス>と大きく異なり、月々のカードショッピング金額に応じて給油代金のキャッシュバック金額が決まるという、一部のCFカードで実施されているサービスに準拠した形となっている。 「―・エコ」の設定はない。 コスモコーポレートカード法人での経費決済用途のコーポレートカードであり、ハウスカード単体と、JCBコーポレートカードに一体化されたものがある。発行会社はいずれもジェーシービーである。 「―・エコ」の設定はない。 コスモ・ザ・カード・オーパスイオン銀行(旧・イオンクレジットサービス)との国際ブランド付帯の提携カードであり、2006年6月より募集開始されている。年会費は無料。ハウス版と同一券面で毎年500円を寄付する「―・エコ」も募集している(イオンVISAのみ)。 入会当初(3か月以内)から50リットル給油分まで、1リットルあたり10円値引く入会特典がある[17]。 2011年7月以降に発行するカードにはイオングループの電子マネー「WAON」が搭載されており[18]、イオンカード同様カード表面左下にワオンが描かれている(WAONのアクセプタンスマークは裏面左下で、「―・エコ」のワオンはその横)。ただしクレジットカードは「イオンクレジットマークがあるカード」ではあるが「イオンカード」ではないため、イオンで行われている「お客さま感謝デー」「―わくわくデー」はWAONでないと適用されなかったが、現在では「―感謝デー」は「イオンクレジットマークがある全てのカード」が対象となるため、このクレジットカードも適用されるようになった。また、イオンでイオンカード会員向けに行われている優待セール「A-Selection」が利用できる唯一の提携カードとなっている[19]。 2012年以降、一部のサービスステーションでWAONも利用可能になる等、コスモ・ザ・カードの主力としている節がある。 広告・協賛活動モーレツ旧・丸善石油時代の1969年に放送した「丸善ガソリン100ダッシュ」(有鉛ハイオクガソリンのCMで、レースクイーンに扮した小川ローザが発した「オー・モーレツ」のセリフは、昭和40年代を象徴するキャッチフレーズとなった。CMソングは作詞:伊藤アキラ、作曲:越部信義で、しばたはつみとハニー・ナイツが歌唱。オリジナルの音源はアルバム『オリジナル版 懐かしのCMソング大全(3)1966〜1973』(1993年、ユニバーサルミュージック)や『コマソン黄金時代〜懐しのTV-CM大全集 1962〜1973』(1995年、キングレコード)などに収録されている。
ココロも満タンに1990年代から使われているコーポレートメッセージ「Heart-Full。ココロも満タンに、コスモ石油」は、コピーライターの仲畑貴志が考案した。なお、ラジオやテレビ地上波放送の他、BSデジタル放送やCS放送などでもスポットCMで流れている。また、新聞や雑誌広告にも出稿している。このCMは好評で2007年7月から2007年12月まで、ラジオCM好感度調査でコスモ石油が6か月連続で1位に輝いている。使用されている曲は菅野よう子作曲「Seeds of life」。 提供番組テレビ2023年現在は不定期枠でのスポンサー活動が多い。
ラジオエフエム東京及びJFN系列FM局にて、三菱電機(ダイヤトーン)の跡を受け、一社提供番組『コスモ ポップス ベスト10』が1992年から2017年まで放送されていた。終了後、2017年4月1日より2021年3月27日まで『COSMO POPS STATION』で引き続き提供を行っていた。 その他、FM放送における単独提供番組としては、首都圏の独立FM局であるエフエムナックファイブ、横浜エフエム放送、ベイエフエムで放送中の「コスモ ディスカバリーアース」がある。 旧・丸善石油は1970年代に文化放送から全国ネットの平日(途中までは土曜も)帯番組『夕焼けに歌おう』のスポンサーであった(ただし、『大相撲熱戦十番』の期間中は放送時間が異なったりもしくは文化放送・ラジオ大阪への放送は休止。CMのみ『大相撲熱戦十番』内で消化しその他のネット局には裏送りで場所期間中は放送していた)。 旧・大協石油は1970年代に文化放送で17時から当時放送していた『大相撲熱戦十番』のスポンサーであった。 TBSラジオの「JRNナイター」(末期は『TBSラジオ エキサイトベースボール』※2017年シーズンで終了)の提供
タイアップタレントイメージキャラクターとして女性タレントを起用し、「コスモ・ザ・カード」「コスモMyカーリース」等とサービスステーションの販売プロモーション活動が行なわれている。1991年度は田村英里子、1993年度は内田有紀、2001年度は菊川怜、2006年度は吉岡美穂、2007年度は榮倉奈々、2009年度は加藤夏希、2016年度は清水富美加、2017年度から桜井日奈子をそれぞれ起用している。なお、1994年度から松村邦洋と松本明子の電波少年コンビを起用していたこともあった。 スポーツチームへの協賛2018年7月に三重県を本拠地とするサッカー・バレーボールチームであるヴィアティン三重とスポンサー契約を締結した[25]。 環境活動石油会社の中では積極的に環境保護に対して取り組む姿勢を見せている。前述の「コスモ アースコンシャス アクト」における「クリーンキャンペーン」や、「コスモ・ザ・カード(エコ)」及び「コスモ・ザ・カード・オーパス(エコ)」加入者からの寄付(年500円)ならびにコスモ石油グループ内からの寄付金を元に「コスモ石油エコカード基金」を設立し、様々な環境活動を支援するなどの活動を行っている。 映画による広報啓発活動前身企業の一つである丸善石油が、同社から石油化学部門を分離独立させて丸善石油化学を設立した1959年から千葉製油所が操業を開始する1963年までの時期に石油に関する短編映画3本、『ガソリン』・『潤滑油』・『マリン・スノー -石油の起源-』を企画している。 このうち『ガソリン』と『潤滑油』はタイトルで示された石油製品各々の働きについて映像を使って解説しており、残る『マリン・スノー -石油の起源-』は石油の起源として今日有力視されている有機説に基づいて石油の成り立ちを探っている。 何れも東京シネマが制作しており、現在は科学映像館(NPO法人・科学映像館を支える会)のWebサイト上に於いて無料公開されている。 スポーツ活動
事故・不祥事
関連企業グループ企業輸送
備蓄
物流
潤滑油製造・販売
製造
石油製品販売 SS資産管理
提携企業
社史・記念誌
在籍していた著名人脚注注釈
出典
関連項目
外部リンク
|