あき 竹城(あき たけじょう、本名:竹田 明子〈たけだ あきこ〉[1]、1947年〈昭和22年〉4月4日[2] - 2022年〈令和4年〉12月15日[2])は、日本の女優、タレント。山形県米沢市出身。米沢市観光親善大使。所属はオフィスあきこ。
来歴
1947年、6人兄弟の末っ子として米沢市に生まれる[2][3]。宝塚歌劇団に憧れて育ち、小学4年生または中学生からモダンダンス教室で踊りを学ぶ[2][3][4]。米沢の女子高へと進みそこでもダンス部に所属していたが、大阪のキャバレーでフロアダンサーをしていた姉を頼りに女子高を中退して大阪へ渡った[3][4]。そこでダンサーとしてデビューし、全国各地を巡って踊った[2][3]。
フロアダンサーやヌードダンサーなどの下積みを経て、1974年に日劇ミュージックホールに進出し舞台を踏んだ[2][4][5]。そこではコントにも出演し、山形弁を披露した[3]。あきの山形弁は注目を浴び、それを持ち味にしたコメディエンヌと認知され[5]、1976年には東京12チャンネルのバラエティ番組『独占!男の時間』へ出演し、テレビ初出演も果たすようになった[3]。
同1976年からは映画の出演も開始し『ピラニア軍団 ダボシャツの天』などに助演、1977年には東映映画『トラック野郎・度胸一番星』に出演した[3]。同作では追跡中にトラックの排気ガスで顔半分が黒くなった上、上着を剥ぎ取られる婦人警官役で、トップレス姿を披露した。のちに今村昌平監督に抜擢され、1983年の『楢山節考』に緒形拳の後妻役で出演したことで女優としても地位を確立した[3][5]。当初は1978年の『喜劇役者たち 九八とゲイブル』のストリッパー役などのヌードを要望される役が多かったが、その演技力を認められてからは、性格俳優として『野々村病院物語』(1981年・TBSテレビ)、『夜叉』(1985年・グループ・エンカウンター製作映画)、『マルタイの女』(1997年・東宝配給映画)などに出演、NHKでは『徳川家康』(1983年)、『青春家族』(1989年)、『八代将軍吉宗』(1995年)、『私の青空』(2000年)、『どんど晴れ』(2007年)、『天地人』(2009年)などの大河ドラマや連続テレビ小説に出演しコミカルからシリアスな役までこなす硬軟自在の名枠役として支持を得た[3][4]。
1990年代後半からは女優業という枠を超え、ユニークなトークを「山形弁丸出しで」話す[4]、明るいオバサンとして独自のキャラクターを生かしてバラエティ番組で活躍した[3]。
2020年頃に大腸がんを患い、「元気なあき竹城でごあいさつしたい」と本人の希望もあり公表せず、レギュラー番組を降板し闘病していたが、2022年秋頃に病状が悪化する。2022年12月15日、東京都内の病院で死去した。75歳没。訃報は同月20日に公表された[2][6]。
人物
趣味嗜好
- ペットで亀を飼っており[7]、休日は亀のドンちゃんとハレちゃんと遊ぶ。あきによると「亀と目を合わすと亀がストレスを感じるからダメ。亀を見るときは遠目から見る。亀は意外と早く動き、目を離すとチョコチョコっとどこかへ行ってしまうので軽く足で止める」とのことである。
- ホーロー看板を収集している。
- 不二家のペコちゃんを好み、あきによると人形やグッズなど1000個ほど持ってるとのこと[8]。
番組エピソード
お洒落のこだわりを聞かれ『AS KNOW AS』(西武池袋本店)の可愛いスタッフが着用している同じ服の「大きいサイズ」を購入し着ていると答えた。着用時の写真が公開され、「私のような年代だとなかなかこういう服を着るのは勇気がいるけど、私は着こなせます」と語っている。また、ピンクを好み、先述の写真に写る椅子もピンクだった。同番組の共演者から冗談混じりに下着の色を聞かれ「そんなこと聞くの?…白でフリル…」と回答したところで上田晋也に止められた。
山形弁を教えてとの質問に、「おしょうしな(ありがとう)」と答えた。続けて「『あっあーい!』って言葉があって、飲食店などに入って「ごめんください」という意味だと解説する。しかし、聞き馴染みのない言い回しとあきの明るいキャラクターもあり、「それあきさんだけが使ってるんでは?」「『ごめんください』がどうなって『あっあーい』になるのかが分からない」などと指摘された。『おしょうしな』『あっあーい』のどちらも山形県の米沢市周辺の方言とされ、現地では「おしょうしなっす」や「あっあえー」と使われているのが一般的である。補足だが、現在米沢市で「あっあえー」と使うのは中高年が多く、若い世代では滅多に使わない。
その他のエピソード
- 本来は宝塚に入りたかったが[9]、習い事にかかる金銭面などの理由で断念した。
- 毎日放送制作(TBS系)『ドラマ30』「ある日突然…」で主役を演じていた頃、電車で女子高生が自分のことを「ほら、個性が強くて主役はれない女優さん」と噂しているのを耳にした。
- 芸名は大阪などのクラブに出演していた頃に考えたということで、あきによると「竹で城を造ったら風を受けて傾いても、しなって倒れない」ということと、周りの人から「あきさん」と呼ばれたいと言う理由から本名を生かして最初は『竹城あき』を名乗っていたが、よく「たけしろ」と読み間違えられたことから、名前を先にして『あき竹城』という芸名にした。こうしたら周りがちゃんと「たけじょう」と正しく呼んでくれるようになったという[1]。
- デビュー当時はピンク・レディーとよく仕事をしていたという。
- コメディアンのたこ八郎がプロボクサー出身でパンチドランカーの症状があったことから何かと尽力しており、1985年のたこの葬儀では、たこの師匠だった由利徹、赤塚不二夫と共に号泣した。
- 過去に『年上かもめ』という歌をレコーディングしている。この歌は、「色気のある年上女性(あき)が、年下の若い男性を応援する歌」でセクシーな内容となっている。冒頭に山形弁によるセリフで始まり、歌も山形弁を使ったものだった。なおB面の『乱調花笠音頭』では、逆に弱々しくなった男達に発破をかけている。
- 餃子で有名な中華レストラン「王将」の無料券を何枚か持っていたので、友人たち数人で王将に行った。いろいろ注文していざ支払いになり無料券を出したが店員から「これ、違いますよ」と言われた。その時初めて「餃子の王将」と「大阪王将」が別の店だと知って戸惑ったことがある。
- 東京ガールズコレクションには、『スター☆ドラフト会議』(2012年1月24日放送)の番組中、清純派女優を目指す美女(葉山織江)のスカウティングタイムに「私も出たい」と猛アピールして出演が決まった[10]。ド派手なウィッグとギャルメイクで話題となった[11]。
- インパクトのあるキャラクターでバラエティーに多数出演しているが、プライベートについてはほとんど語ることはない。特に結婚や家族については顕著で、1988年に8歳年下の男性と結婚しているが、子供の有無も明かされていない。
- ベテラン女優だが、長時間のロケや体を張った笑いにも甘受し、生来の朗らかな雰囲気で収録に臨む。スタッフをはじめ若者やエキストラにまで丁寧な挨拶をする様は業界人からの評判が高い。
出演
映画
テレビドラマ
- NHK総合
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- 日本テレビ系
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- TBS系
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- フジテレビ系
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- テレビ朝日系
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- 必殺シリーズ
- 暴れん坊将軍シリーズ
- 吉宗評判記暴れん坊将軍 第24話「七里飛脚は鬼より恐い」(1978年) - おかよ 役
- 暴れん坊将軍II 第70話「男は愛嬌 女はチカラで勝負する!」(1984年) - 米沢藩別式女おくら 役
- 西部警察
- 第11話「燃えつきた獣たち」(1979年) - 手相見のおはる 役
- 天山先生本日も多忙(1979年) - マダム竹子(バーのママ) 役
- 長七郎天下ご免! 第10話「浮かれて泣いた大漁節」(1980年) - おたみ 役
- 遠山の金さん(1982年 - 1985年)※高橋英樹版
- 人妻捜査官(朝日放送)
- 第14話「疑惑!?エアロビクスの未亡人」(1984年)
- ただいま絶好調!
- ママ、大変だァ!(1985年) - 大山周子 役
- 私鉄沿線97分署
- 第35話「子連れサギ師でエキサイト‼︎」(1985年) - 畠山ふみ子 役
- 傑作時代劇(1987年)
- 「かるわざ剣法 恋も抜き打ち素浪人」
- 「かあちゃん 男女六人、一軒長屋の肝っ玉母賛歌」
- はぐれ刑事純情派(1988年 - 1999年) - 準レギュラー・城山竹子巡査 役
- 第1シリーズ・第2話「伊豆湯けむり危険な密会」(1988年)
- 第2シリーズ・第13話「小さな目撃者」(1989年)
- 第8シリーズ・第2話「男の売春!安浦刑事の潜入捜査」(1995年)
- 第10シリーズ・第1話「母と娘10年目の再会!南紀・房総、二つの勝浦を結ぶ殺意」(1997年)
- 第11シリーズ・第1話「無差別に襲われた女・連続通り魔!父が家庭を捨てた!?」(1998年)
- 第11シリーズ・第11話「幼児虐待の謎!? 母の生還」(1998年)
- 第12シリーズ・第20話「女巡査が犯人!? 水着を買う女!」(1999年)
- 外科医・夏目三四郎(1998年) - 酒匂菊 役
- TRICK2 「episode 1・六ツ墓村」第1話「六墓」・第2話「落ち武者の謎」(2002年) - 梅竹 役
- 歓喜の歌(2008年、北海道テレビ)
- 土曜ワイド劇場
- テレビ東京系
-
バラエティ・トーク番組
情報・教養番組
CM
全国CM
ローカルCM
山形県内
他の地域
Fashion Show
ディスコグラフィ
シングル
オムニバスアルバム
- 秘宝盤(2) アイドル&コミック編(2010年12月8日、徳間ジャパンコミュニケーションズ、TKCA-73604) - 「年上かもめ」収録。
脚注
注釈
- ^ 「トリプル予備校」篇はWEB限定ムービーとして公開。
- ^ ケーシー高峰とのデュエット。
- ^ 歌:ケーシー高峰。
出典
外部リンク