長野市茶臼山動物園
長野市茶臼山動物園(ながのしちゃうすやまどうぶつえん)は、長野県長野市篠ノ井の茶臼山山麓にある動物園である。一般社団法人長野市開発公社が指定管理者として運営している。 概要長野市南部篠ノ井の茶臼山公園内にある。1983年、長野市制施行80周年記念事業の一環として開園[2]。コンセプトは「森の中の動物園」[2]。放し飼い方式の動物展示(行動展示)を行う[2]。レッサーパンダの日本最大の繁殖地で、「レッサーパンダの森」は2011年の日本経済新聞の「生態がよくわかる動物園」ランキングで日本3位となった[3]。休日には乗馬体験なども行われる[2]。 茶臼山公園内には本動物園のほか、恐竜園、自然植物園、マレットゴルフ場が隣接している。 2008年、写真家でライターのやきそばかおるが『散策が楽しい動物園ベスト5』に選んだ。選考理由は、最寄り駅から園までの風景の良さと、園自体が山にあるための園から見下ろす景色の素晴らしさで、リンゴの実る10月が良いと紹介した[4]。 近年は小型モノレールが園内に整備され、坂道移動の利便性が増した。 展示レッサーパンダの森「レッサーパンダの森」は、レッサーパンダの生息地である中国・四川省の森をイメージした行動展示(生息環境展示)の施設を[5]大阪芸術大学の若生謙二がデザインした[6]。若生は日本の動物園デザインの第一人者で、大阪の大阪市天王寺動物園の「アフリカサバンナ」や、横浜のズーラシアの「チンパンジーの森」も手がけ、レッサーパンダの森では信州の高冷地の風土を活かしていると、動物園ライターの森由民が伝えた[7]。レッサーパンダにとり樹上生活や適度な寒冷は重用であるが、それらを若生は独自のやり方で理論的・実践的に追究していると、森は紹介する[8]。「レッサーパンダの森」は2011年の日本経済新聞の「生態がよくわかる動物園」ランキングで日本3位となったが[3]、予算の低減化のため[6]、擬岩や擬木を一切使わずに植栽による造園を行い、風景の山並みに溶け込ませ、また室内では入場者の頭上をレッサーパンダが歩く工夫をし、「視覚的な配慮をした動物園」と評価されたことによる[3]。 園は、レッサーパンダの日本一の飼育頭数や繁殖回数となっており[5]、2013年1月現在18頭飼育し[9]、また他園の繁殖にも協力し、例えば風太の嫁チィチィは茶臼山出身である[5]。園には、日本で2005年5月19日からの「レッサーパンダブーム」を引き起こした「風太」(ふうた:オス:千葉市動物公園)の子「風鈴」(2007年7月11日産:メス:母チィチィ)が飼育される[5]。園のレッサーパンダはよく立つため、2012年の中日新聞webではレッサーパンダの起立した姿の写真が掲載された[5]。日本のレッサーパンダブームについて、2005年に園は「こんなに話題になるのが不思議」としながらも、朝夕の餌の時間には飼育員が近づいただけでレッサーパンダが立っていることを明かした[10]。園ではおみやげに、レッサーパンダのぬいぐるみやたまごせんべいなどが販売される[5]。信越郵政局ではレッサーパンダ記念切手を2012年に販売した。 ホアホア(ハナチャン)ホアホア(花花)は公募で「ハナチャン」と愛称が付けられる。1985年3月に長野市の友好都市である中国・石家荘市より推定2-3歳で搬入。生涯に15頭の仔を産み、茶臼山の頭数増加に貢献した。当時の日本最高齢記録の2000年10月8日まで生存した[11]。夫のオスはイーイ(誼誼)で、愛称は公募で「タケオ」。推定5~6歳でホアホアとともに石家荘市から搬入。1990年10月9日まで生存した。 アフリカ平原キリンとシマウマが共生展示される[5]。2008年、日本最高齢のグラントシマウマ「クミコ」(メス)が26年11か月まで生存した[12]。クミコは1981年3月に鹿児島市の平川動物公園で生まれ、1983年8月の茶臼山開園前に移送され、生涯に7頭の仔を産んだ。優しい性格で他個体の世話役だったと共同通信が伝えた[12]。 オランウータンの森2021年7月17日にオープン[13][14]。放飼場面積は約 670 ㎡。従来のオランウータン舎と比較すると、およそ 28 倍もの広さになる。レッサーパンダの森と同じく大阪芸術大学の若生謙二がデザインした[15]。また、日本初となるオランウータンとコツメカワウソとの混合展示を計画している。 アムールトラの森とライオンの丘今後の計画として、ライオンとアムールトラの新たな獣舎を建設予定[16]。2023年4月22日にライオンの新獣舎「ライオンの丘」をオープン[17]。 沿革
飼育動物
施設営業
アクセス
ゆるキャラレッサーパンダを模した「茶太郎くん」というゆるキャラがおり、身長197cmと公表されている。 元々は2008年から謎のゆるキャラ(?)として初代が活動していたが、2017年に初代の老齢化による大人の事情により、急遽4月から本キャラクターが活動することになった。4月15日のお披露目会では、入場客から愛されるほどに大人気であった。 遊園地論長野市中心部には、入場料無料の城山動物園が姉妹施設(分園)として運営されているが、2011年の長野市長によると、採算性は城山のほうが良いとし[22]、この差は遊園地にあると分析し[22]、住民に対して遊園地の建設を提案している。 脚注
関連項目外部リンク
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