無声両唇軟口蓋破裂音
無声両唇軟口蓋破裂音(むせいりょうしんなんこうがいはれつおん)は、無声両唇破裂音[p]と無声軟口蓋破裂音[k]の二重調音で、国際音声記号では[k͡p]と書かれる。 概要[k͡p]のような両唇軟口蓋音は代表的な二重調音であり、西アフリカおよび北部中央アフリカの言語に一般的に見られ、またニューギニアのいくつかの言語にも見られる[1]。子音結合[kp]と異なって、破裂はほぼ同時に一回しか起こらない。ナイジェリアのエッゴン語では、子音結合との間に以下のような対立する例がある[2]。
ただし、実際にはkとpが完全に同時に起きるわけではなく、閉鎖の開始も終了もkの方がpよりもわずかに早い[3]。 また、舌背が少し奥へ動くため、しばしば吸着音と同様の内向的な気流が発生する[4]。 言語例イボ語には無声の[k͡p]と有声の[ɡ͡b]があるが、前者は方言によってはかわりに無声入破音の[ɓ̥]が現れることもある[5]。
ベトナム語ハノイ方言では、/k/が円唇奥舌母音/u, o, ɔ/の後で[k͡p]として現れる。これは条件異音である[9]。 脚注
参考文献
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