歩くひと
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漫画:歩くひと
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作者
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谷口ジロー
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出版社
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講談社
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掲載誌
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コミックモーニングパーティー増刊
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発表号
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第30号 - 第47号
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発表期間
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1990年1月10日 - 1991年9月23日
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巻数
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全1巻
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ドラマ:歩くひと
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原作
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谷口ジロー
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演出
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アベラヒデノブ
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制作
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共同テレビジョン、日本放送協会
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放送局
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日本放送協会
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放送期間
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2020年4月7日 - 2021年2月28日
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話数
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全10話
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テンプレート - ノート
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『歩くひと』(あるくひと)は、谷口ジローによる日本の漫画作品である。1990年から1991年まで『コミックモーニングパーティー増刊』で連載したのに加え、フランスの書誌で書き下ろしの新作を2篇発表している[1][2][3]。フランス語など西欧諸国の言語でも出版、2020年にはテレビドラマ化された[4][5]。
概説
未だアシスタントをしていた1970年代初めに、洋書店で見たバンド・デシネ(仏: bande dessinée)に驚嘆し、いつか描きたいという思いが芽生えた[6][7]。それが結実したのが本作で、講談社の編集者からの散歩の漫画を自由に書いて欲しいという依頼がきっかけだった[6]。フランク・ペリー監督の映画『泳ぐひと』を参考に、「小津安二郎の映画のような雰囲気で」という担当編集者の要望を解釈したとしている[8][9]。物語は、妻と共に東京の郊外[注 1]に越してきた男が見た、歩く人の目線でなければ気付かないような情景が只々展開してゆく[11]。後に谷口ジローは、絵画だけでどこまで物語を語れるかを探る試みだったと記している[12]。講談社がバンド・デシネの邦訳を手掛けていたことから、本作がフランスの出版社カステルマンの目に留まりフランス語訳の出版が決まった[6]。これが、フランスなどで谷口ジロー作品が高く評価される端緒となった[注 3][4][16]。
初出
講談社の雑誌『コミックモーニングパーティー増刊』の、第30号(1990年2月2日号)から第47号(1991年10月22日号)まで連載した[注 4][6]。その後、フランスで2003年に出版された雑誌『BANG !』第3号及びルイ・ヴィトンの『Louis Vuitton CITY GUIDE 2011 TOKYO』で、書き下ろしの新作を発表した[2][3]。
単行本
- 日本語
連載終了の翌年となる1992年に、『コミックモーニングパーティー増刊』掲載作品のためのA5判叢書「ワイドKCパーティー」から、17篇を収録した単行本を刊行した。1998年に小学館の文庫本叢書「小学館文庫」から「再版」、2010年には、光文社のコミック叢書「SIGNAL」から、2003年にフランスで発表した1篇を加えた「増補版」を刊行した[17][18]。2020年にはテレビドラマ化を機に、再び小学館から、ルイ・ヴィトンの『Louis Vuitton CITY GUIDE 2011 TOKYO』に掲載した1篇なども加えたB5判カラー印刷の「完全版」が刊行された[8]。
- フランス語
2003年の版で雑誌『BANG !』に掲載した新作1篇も収録された[21]。2021年には原書と同じ右開きの版も刊行された[22]。
- イタリア語
- 英語
2007年アイズナー賞の授賞候補作品となった[34]。
- ドイツ語
- デンマーク語
- スペイン語
- 朝鮮語
- ポルトガル語
- O Homem que Caminha. Série Ouro. Panini / Correio da Manhã
- O homem que passeia. Editora Devir. (2017-06). ISBN 9789895593040
- O homem que passeia (2ª edição ed.). Devir Livraria. (2019-01). ISBN 9788575327319 [41]
- 中国語
- ポーランド語
テレビドラマ
歩くひと |
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原作 |
谷口ジロー |
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脚本 |
田口佳宏 |
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演出 |
アベラヒデノブ |
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出演者 |
井浦新 田畑智子 |
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音楽 |
岩本裕司 |
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言語 |
日本語 |
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話数 |
全12話 |
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製作 |
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制作統括 |
吉見健士(共同テレビジョン) |
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プロデューサー |
菊池武博 |
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撮影地 |
日本国 |
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制作 |
共同テレビジョン、日本放送協会 |
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放送 |
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放送チャンネル | NHK BS4K |
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映像形式 | UHDTV |
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音声形式 | MPEG-4 AAC LC |
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放送国・地域 | 日本国 |
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放送期間 | 2020年4月5日 - 2021年3月21日 |
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放送分 | 29分 |
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回数 | 全12回 |
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NHK BS4Kで、2020年4月5日から2021年3月21日までの間に全12回が放送された[44]。
スタッフ
出演者
括弧内は登場話数または役名。
- レギュラー
- ゲスト
放送日程
- 本放送
当初は、毎月第一日曜日に放送すると案内されていた[61]。
放送局 |
話数 |
放送日 |
副題 |
脚本 |
監督 |
内容時間
|
NHK BS4K |
第1話 |
2020年04月05日 |
靴ずれ |
田口佳宏 |
アベラヒデノブ |
00:29:00
|
第2話 |
2020年06月28日 |
桃の寝床
|
第3話 |
2020年07月26日 |
忘れもの
|
第4話 |
2020年08月09日 |
腰を抜かす
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第5話 |
2020年09月06日 |
弁当の中身
|
第6話 |
2020年10月04日 |
走る
|
第7話 |
2020年12月06日 |
冬空のケーキ
|
第8話 |
2021年01月10日 |
先を急ぐ
|
第9話 |
2021年02月07日 |
眠れない夜
|
第10話 |
2021年02月28日 |
ツボにはまる
|
第11話 |
2021年03月07日 |
足音早すぎる別れ
|
第12話 |
2021年03月21日 |
早すぎる別れ
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- 特別編
本放送4話分を再編集した「特別編」全3回が、地上波で放送された[62][63]。
放送局 |
話数 |
放送日 |
内容 |
脚本 |
監督 |
内容時間
|
NHK 教育 |
第1回 |
2020年9月03日 |
第1回から第4回まで |
田口佳宏 |
アベラヒデノブ |
00:49:00
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第2回 |
2021年3月20日 |
第5回から第8回まで
|
第3回 |
2021年3月27日 |
第9回から第12回まで
|
- 再放送
2020年9月に好評だった第2話が2K(BSプレミアム)で再放送された[62]。2021年3月からは全12話がBSプレミアムでも再放送された。
放送局 |
話数 |
放送日 |
副題 |
脚本 |
監督 |
内容時間
|
NHK BSプレミアム |
第2話 |
2020年09月08日 |
桃の寝床 |
田口佳宏 |
アベラヒデノブ |
00:29:00
|
第1話 |
2021年03月04日 |
靴ずれ
|
第2話 |
桃の寝床
|
第3話 |
忘れもの
|
第4話 |
腰を抜かす
|
第5話 |
2021年03月05日 |
弁当の中身
|
第6話 |
走る
|
第7話 |
冬空のケーキ
|
第8話 |
先を急ぐ
|
第9話 |
2021年11月30日 |
眠れない夜
|
第10話 |
2022年01月18日 |
ツボにはまる
|
第11話 |
2022年01月25日 |
足音早すぎる別れ
|
第12話 |
2022年02月22日 |
早すぎる別れ
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関連書誌
余聞
テレビ東京は『歩くひと』の舞台となった東京都清瀬市を訪ねる番組を放送した[64]。
関連項目
- ヤマザキマリ – イタリア人の友人から漫画家になるよう勧められ、その際に手渡されたのが発行されて間もないフランス語版『歩くひと』であった。
参考文献
脚注
註釈
- ^ 谷口ジローが居住していた東京都清瀬市が舞台である[10]。
- ^ a b 京都精華大学国際マンガ研究センターは、バルセロナの出版社「Ediciones La Cúpula」を「ラ・クプラ」と、その雑誌「El Víbora」を「エル・ヴィボーラ」と邦訳している[13]。
- ^ 実は、欧州へ最初に『歩くひと』を紹介したのは、バルセロナの出版社ラ・クプラ[注 2]で、1992年に同社の雑誌『エル・ヴィボーラ[注 2]』にスペイン語訳を連載している[14][15]。
- ^ 実は『コミックモーニングパーティー増刊』とは『コミックモーニング』の増刊で、第30号は『コミックモーニング』第9巻第9号(1990年2月2日臨時増刊)で、第47号は『コミックモーニング』第10巻第64号(1991年10月22日臨時増刊)である。
出典
外部リンク