双前歯目 (そうぜんしもく、Diprotodontia)は、哺乳綱 に含まれる目。別名カンガルー目 [ 5] 、二門歯目 [ 6] 。
分布
インドネシア 東部、オーストラリア 、パプアニューギニア [ 7]
形態
ウォンバット科 ・コアラ科 (ウォンバット型亜目 )を除いて尾は長い[ 7] 。下顎の切歯(門歯)は左右に1本ずつ(2本)[ 6] [ 7] 。下顎に犬歯はない[ 6] 。後肢の第2趾と第3趾が癒合する[ 7] 。樹上棲の種では第1趾に爪がなく、癒合指と対向し枝を掴むのに適している[ 7] 。育児嚢は発達する[ 7] 。
生態
繁殖
育児嚢はよく発達しており、他の有袋類と比べ、体が大きく少産で、r-K戦略 であるといえる。また、双前歯類の大体の育児嚢の利用日数は次の式で求められる[ 8] 。
育児嚢の利用日数 = 35.22 × (母体の体重)^0.21
例外的にキノボリカンガルー類はこの関数に反してかなり長いとされている[ 9] 。
食性
植物食 の種が多いが、雑食 傾向の強い種では昆虫 ・鳥類 の卵 なども食べる[ 7] 。過去にはティラコレオ やプロプレオプス (英語版 ) など、肉食 の種もいたが、現在は絶滅 している。出産数は1 - 6匹と少ない傾向がある[ 7] 。
分類
以前は有袋目(フクロネズミ目)では双門歯亜目とされていた[ 7] 。有袋目も適応拡散しているため複数の目に分ける説が有力となり、独立した目とする説が有力とされる[ 6] 。
以下現生科については、分類・英名はMSW3 (Groves, 2005)、和名は遠藤 (2018)、川田ら (2018) に従う[ 1] [ 3] [ 4] 。
画像
参考文献
脚注
^ a b Colin P. Groves , "ORDER DIPROTODONTIA ," Mammal Species of the World , (3rd ed.), Volume 1, Don E. Wilson & DeeAnn M. Reeder (ed.), Johns Hopkins University Press, 2005, pp. 43-70.
^ 日本哺乳類学会 種名・標本検討委員会 目名問題検討作業部会 「哺乳類の高次分類群および分類階級の日本語名称の提案について 」『哺乳類科学』第43巻 2号、日本哺乳類学会、2003年 、127-134頁。
^ a b 遠藤秀紀「有袋類の多様性」『有袋類学』東京大学出版会、2018年、1-25頁。
^ a b 川田伸一郎 ・岩佐真宏・福井大・新宅勇太・天野雅男・下稲葉さやか・樽創・姉崎智子・横畑泰志 「世界哺乳類標準和名目録 」『哺乳類科学』第58巻 別冊、日本哺乳類学会、2018年、1-53頁。
^ 「ワシントン条約附属書(動物界) 」(経済産業省 )(2016年3月23日に利用)
^ a b c d 橘川次郎 「キタケバナウォンバット」など『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ7 オーストラリア、ニューギニア』小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著、講談社、2000年、131-150頁。
^ a b c d e f g h i 川道武男 「袋を持つ獣たちは、別天地オーストラリアで独特な進化をとげ、植物食の世界をつくり上げた。」『動物たちの地球 哺乳類I 2 カンガルー・コアラほか』第8巻 38号、朝日新聞社 、1992年 、34-35頁。
^ Russell,E. M. 1989. Maternal behavior in the Macropodoidae. In: Kangaroos, Wallabies and Rat-kangaroos, pp549-569.Surry Beattry & Sons, Chipping Norton.
^ 『有袋類学 』p53
関連項目
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