ジャパンラグビーリーグワン (法人)
一般社団法人ジャパンラグビーリーグワン(英: JAPAN RUGBY LEAGUE ONE[1]、JRLO)は、日本のラグビーユニオン社会人クラブのトップチームによるジャパンラグビーリーグワンを運営する組織である。2018年2月20日に設立された。公益財団法人日本ラグビーフットボール協会から独立している団体であるが、後述のとおり、役員の一部は双方で兼務している。 所在地設立以来、日本ラグビーフットボール協会と同じ建物内にある。 2024年4月22日までは、秩父宮ラグビー場に隣接するクラブハウス内(東京都港区北青山2-8-35)にあった。 2024年4月23日から、青山ツインビル(東京都港区南青山1丁目1-1 新青山ビル)の東館5階に移転した[2]。4月24日には日本ラグビーフットボール協会の本部機能も、同フロアに移転[3]。 今後の計画2024年11月28日、2024-25シーズンから2027-28シーズンまでの4年間を第2フェーズとして、以下のように計画を発表した[4][5]。「若手育成リーグ」開設と、ホームスタジアムの固定化などが現状と大きく異なる試みとなる。 フェーズ分け
第2フェーズ2024-25シーズン
2025-26シーズン
2026-27シーズン
2027-28シーズン
第3フェーズ
役員任期:2024年12月-2026年12月 2024年12月26日現在[6]。
決算詳細および貸借対照表は、出典を参照のこと。
沿革トップリーグ3部制への模索2002年にジャパンラグビートップリーグを発足し、2017年から2部リーグとして「ジャパンラグビートップチャレンジリーグ」が創設された。 2019年4月25日、日本ラグビーフットボール協会は、2022年シーズンから3部制とする再編案を発表した。企業主体のセミプロを維持しつつ、各8クラブずつ実力別の3部リーグ制への移行を予定し、その1部リーグを「トップリーグエイト」とする内容だった[14]。 これについて、トップリーグは、実力が拮抗した試合を提供し試合の質を上げることや、日本代表の強化期間を増やし、新たにワールドラグビーが2022年から設ける予定の国際大会「ネーションズチャンピオンシップ」が7-11月に行われること[15] を想定し、それとの重複を避けるという観点もあったが、試合方式の折り合いがつかないため、2022年の創設は断念し、当面の間無期限延期となった[16]。 2019年、地域密着プロリーグ創設の検討その後、2019年7月28日に開催されたSPORTS X Conference 2019で日本ラグビーフットボール協会の清宮克幸副会長は、上記のトップリーグの3部制移行とは別に、2021年秋にラグビー新リーグを創設することを明らかにした。JリーグやB.LEAGUEのように地域密着のクラブを中心としたプロチームにしていくことで調整し、ラグビーワールドカップ2019開催地の12都市を中心にスタートする予定していた。また国外からの有力なスター選手が参加しやすくするため、リーグ戦の期間は従前のトップリーグと同様9月~翌年1月を想定し、スーパーラグビーとの重複を避けたいとしている。トップリーグはプロリーグの傘下に置かれるアマチュアカテゴリーとして維持することも検討されている[17]。 2019年11月13日、日本ラグビーフットボール協会が新リーグの設立準備委員会を発足させた。委員長は清宮克幸[18][19]。 その後2019年12月23日、新リーグ準備委員会の会合で、新リーグの発足を2021-22年シーズンに目指すことと、一部の参加クラブから、完全なプロ化に消極的・反対する意見も多くあったことから、完全プロ化を前提とはしない、従前のプロ・アマ混在型で、リーグ戦のシステムなどについては現リーグ加盟クラブをはじめとする小委員会で検討を始めるとした[20]。 2020年、新リーグ創設へ2020年1月15日、日本ラグビーフットボール協会の理事会において2021年秋に新リーグを創設することを決定[21]。新リーグのマーケティング準備室の室長は清宮克幸(協会副会長)、法人準備室の室長に谷口真由美(協会理事)が就任した[22][23]。 チーム数は、現行リーグの16チームからは削減される見通しとなり、新リーグの参入要件としてホームエリアの選定やスタジアムの確保などを求めていく方針が示された[21]。検討されたリーグのプロ化については、岩渕健輔専務理事が「リーグの運営はプロになる」と表明したが、清宮克幸副会長は「チームの法人化は参入要件に入れていない」としたうえで、選手の身分については社員兼務の選手を認めるという[21]。 2020年7月1日、日本ラグビーフットボール協会がオンライン会見を行い、トップリーグ全16チームとトップチャレンジリーグ (TCL) 全8チーム、およびトップキュウシュウA所属の中国電力レッドレグリオンズの25チームが、新リーグへの参加を申請したと発表。新型コロナウイルス感染症の世界的流行の影響で当初予定していた2021年秋から後ろ倒しされ、2022年1月の開幕を目指すこととなり、リーグは3部制とし、1部は12チーム、2部は7チーム、3部は6チームで行うこととした。2021年4月に新リーグ運営法人を発足させ、6月には2021年のトップリーグ最終成績を加味した上で、各チームのディビジョン分け、新リーグの名称を発表することになった[24][25]。 1部リーグは12チームを前年度の成績などに基づき6チームずつ×2組に分け、ホスト・アンド・ビジター(ホーム・アンド・アウェーと同じ 以下H&Vとする)方式を採用し、同一グループとは2回戦総当たり(H&V各5試合)、グループ別交流戦は1回戦総当たり(HorV各3試合)の1チーム当たり16試合(全体で96試合)で行い、その総合勝ち点をもって順位を決定する。上位チームには国外の強豪チームとの強化試合である「クロスボーダーマッチ」の出場権を与える。また当初は成績面での自動昇・降格とはせず、上部リーグの成績下位と、下部リーグの成績上位の複数のチームが入れ替え戦を行うことも想定している[26]。 しかし、スポーツニッポン紙によると、1部12チームで行う判断基準として挙げた「僅差の試合を増やす」という点を考えた際、同紙がまとめた統計で、30点差以上の大差がつくワンサイドゲームとなる率は、8チームが7.1%、10チームが11.1%であるのに対し、12チーム参加だと19.7%に跳ね上がり、5試合に1試合のペースでワンサイドゲームとなる可能性が高く、それが強化面で寄与するかという点で疑念が残るとして、日本ラグビーフットボール協会が考えたフォーマット決定のポイントの一つである「高質で均衡した試合の醸成」という点のみを考えると、さらにチーム数を減らして8-10チームが適正なチーム数ではないかとする見解が示されている[27]。 2021年、参加チームと新リーグ名称の発表2021年2月17日、法人準備室長の職務において、谷口真由美(協会理事)が退任し、岩渕健輔(協会専務理事)が就任した[28]。谷口真由美は新リーグのディビジョン分けを行う審査委員長を引き続き務めた[29][30]。 2021年4月1日、新リーグの主管権が 日本ラグビーフットボール協会から一般社団法人ジャパンラグビートップリーグへ委譲された[31]。 2021年5月に、トップチャレンジリーグ(トップリーグ2部)のコカ・コーラレッドスパークスが2021シーズンを最後に活動を終了し、新リーグ加盟申請を取り下げて事実上休部に入ることが発表された[32]ため、2部を7チームから6チームへ変更し、参加チームは24チームとなった。 2021年7月16日、新リーグ名「JAPAN RUGBY LEAGUE ONE(ジャパンラグビーリーグワン)」とディビジョン分けが発表された[33][30][34][35][36]。 2021年10月4日、2022年シーズンの日程が発表された。2022年1月7日に開幕戦として、国立競技場で開催されるクボタスピアーズ船橋・東京ベイvs埼玉パナソニックワイルドナイツの対戦が決まる。また、各チームの新しいジャージも発表された[37]。 2022年、ジャパンラグビーリーグワン開幕詳細は「JAPAN RUGBY LEAGUE ONE 2022」ほかを参照。 2022年1月5日、開幕戦に出場する予定の埼玉パナソニックワイルドナイツの複数選手から新型コロナウイルス感染症陽性者が確認されたため、開幕セレモニーおよび開幕戦が中止となった。これによりクボタスピアーズ船橋・東京ベイが不戦勝となり新リーグ初勝利を飾った[38]。開幕宣言は翌日の試合で行われた[39]。1月16日に開催予定のDIVISION3開幕戦は、3試合すべて中止となった[40]。 3月16日、NTTコミュニケーションズシャイニングアークス東京ベイ浦安(SA浦安)、NTTドコモレッドハリケーンズ大阪(RH大阪)がチーム再編成を発表。主力をSA浦安とし、RH大阪は社員主体チームとし、再審査されることとなった[41][42]。 3月30日、DIVISION3の宗像サニックスブルース(宗像B)が5月末日をもって活動休止[43]。 2022シーズンは、全150試合のうち28試合が中止となった[44]。 WEBマーケティングを整備2022年10月26日、日本ラグビーフットボール協会(JRFU)によるスマートフォン向け「JAPAN RUGBY APP(ジャパンラグビーアプリ)」の運用を開始。リーグワンのロゴをアプリのアイコンに使用し、リーグワンや日本代表チームの情報配信を行う[45]。 2022年12月、ジャパンラグビーリーグワン、日本ラグビーフットボール協会、ソニーグループ株式会社による合弁企業「ジャパンラグビーマーケティング株式会社」設立契約を締結[46][47]。2023年5月にはNTTドコモも出資参画[48]、2023年10月に ぴあ株式会社がオフィシャルチケッティングサプライヤーとして参画[49]。プロモーション、観戦チケット・グッズの販売、デジタルコンテンツの配信・提供を行う[50][51][52][47]。 2023年10月から、ジャパンラグビーリーグワンと日本ラグビーフットボール協会が主催する試合の観戦チケット購入サイト「Ticket RUGBY」などのWEBサービスを、ユーザーアカウント「Japan Rugby ID」で一元的に利用可能となった。ジャパンラグビーマーケティングが運営[53]。 2022-23シーズン詳細は「JAPAN RUGBY LEAGUE ONE 2023 DIVISION 2」ほかを参照。 NTTグループ2つのラグビーチーム、NTTコミュニケーションズ シャイニングアークス東京ベイ浦安(SA浦安)と NTTドコモレッドハリケーンズ大阪(RH大阪)が再編成された。プロ選手を中心とした新事業会社による新チーム「浦安D-Rocks(浦安DR)」はDIVISION2でスタートし[54]、社員選手を中心とした「レッドハリケーンズ大阪(RH大阪)」はDIVISION3で運営。[55][56][57] DIVISION2の日野レッドドルフィンズは、第4節終了後の2023年2月3日付で活動の無期限停止を決定[58]、シーズン終了まで活動を停止した。ジャパンラグビーリーグワンは同チームを3月15日に けん責処分とし[59]、DIVISION3へ自動降格となった[60]。 2023年5月8日、政府が新型コロナウイルス感染症への対策基準を引き下げた[61]。これにより日本ラグビーフットボール協会も、大会開催や練習に関する感染対策ガイドライン(規制)を廃止[62]。2020年ウイルス流行前の基準に戻る。 2023年、新規参入チームの受け入れ「JAPAN RUGBY LEAGUE ONE 新規参入チームの受け入れ (2023年)」を参照。 宗像Bが抜けたDIVISION3が奇数チーム数となっていることから、2023年2月7日まで新規参入希望チームを受け付け[63]。審査の結果、セコムラガッツ、ヤクルトレビンズ、ルリーロ福岡の参入を、2024年1月31日に発表した[64]。 2023-24シーズンいずれのDIVISIONでも、観客増加により入場者数の記録更新が相次ぎ、2024年4月6日(DIVISION1全16節のうち第12節の途中)、ジャパンラグビーリーグワン2023-24の総入場者数(DIVISION1・2・3の合計)が775,565人となり、最多記録を更新した。翌4月7日には796,928人になった。2022-23シーズン総入場者数は745,311人、初年度2022シーズン総入場者数は484,047人だった[65]。最終的に全DIVISION総計で前年比53.8%増の1,142,294人となった[66]。 THE CROSS-BORDER RUGBY 2023「THE CROSS-BORDER RUGBY」を参照。 2023-24シーズンのDIVISION1全16節のうち、第6節と第7節の間に、2週にわたり「THE CROSS-BORDER RUGBY」を国内で開催。ニュージーランドのクラブチームであるブルーズ、ギャラガー・チーフスと、DIVISION1前年上位4チームとが対戦した[67]。 2024-25シーズン詳細は「JAPAN RUGBY LEAGUE ONE 2024-25」ほかを参照。 ハーフタイムをそれまでの12分から15分に変更された[68][69]。2009年に最大15分までハーフタイムを取れるようルール改正されてから[70]、国内社会人トップの大会では初めてのこと。 DIVISION1は2試合増やし各チーム18試合(18節)まで実施し、プレーオフトーナメントは上位4チームから上位6チームに増やす。DIVISION2は2チーム増え、8チームで対戦し、順位決定戦は行わない。DIVISION3には新規参入3チーム(ヤクルトレビンズ戸田、狭山セコムラガッツ、ルリーロ福岡)が加わり、6チームで対戦し、順位決定戦は行わない[69]。 2024年9月19日、2年後となる2026-27シーズンから(予定)、三重ホンダヒートが拠点を三重県鈴鹿市から栃木県宇都宮市へ移転することを発表した[71][72]。 2024年8月からワールドラグビーが国代表資格条件を緩和し、「5年以上続けて当該国に住む」から「5年間継続して当該国の協会もしくはラグビー団体のみに登録する」となった。これを受けて2024年10月22日にジャパンラグビーリーグワンは、国外滞在日数の制限(年間62日以内)を撤廃し、これまでシーズンオフに2か月以上の母国帰国を理由にカテゴリーBだった選手の多くが、カテゴリーAになる[73][74]。 2024年10月22日、2025-26シーズンにおける新規参入チームの受け入れを行わないことを発表した[75]。 2024年11月28日、2028-29シーズンまでの計画を発表。2025-26シーズンから「若手育成リーグ」を秋に開幕させるほか、2028-29シーズン以降のホームスタジアム固定化を目指す[4][5]。 他社との共同事業初年度2022シーズンでは、ジャパンラグビーリーグワンが独自にプロモーションやチケット・グッズ販売を行っていた。しかしその後は、下記のように日本ラグビーフットボール協会や外部企業と共同事業展開をしている。
新規参入チームの募集「JAPAN RUGBY LEAGUE ONE 新規参入チームの受け入れ (2023年)」を参照のこと。 2025-26シーズンにおける新規参入チームの受け入れを行わないことを、2024年10月22日に発表した[75]。 支援募金活動災害の被災者に対する支援を目的とした、募金口座開設や試合会場での募金活動など。
不祥事
脚注
関連項目
外部リンク
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