若戸大橋
若戸大橋(わかとおおはし)は、福岡県北九州市洞海湾にかかる戸畑区と若松区を結ぶ橋[2]。かつては日本道路公団が建設し、北九州市道路公社が管理していた有料道路の名称でもあったが、2018年12月1日に無料化された。現在は全線が国道199号に属する。戦後日本の長大橋の始まりである西海橋の架橋技術を用い[3]、建設当時は東洋一の吊橋だった。ETCは北九州高速道路への乗継ぎの場合のみ利用可能であった。国の重要文化財に指定されている。 概要路線データ
歴史
施設
廃止 廃止された歩道若戸大橋は開通当初2車線で、戸畑橋台から若松橋台までの区間の車道外側には歩道が設置されており、歩行者のほか自転車と原動機付自転車が利用できた。橋台内部に設置された客用エレベータにより昇降し、車と反対の右側を一方通行した。 橋台上の歩道始点と終点には西鉄バス(西鉄バス北九州発足前)と北九州市営バスのバス停(若松橋台バス停、戸畑橋台バス停)が設置され、若戸大橋を渡る路線バスが停車した。また、橋台最上部に展望台が設けられ、歩道から階段で登ることができた。 開通当初はすべて有料(原動機付自転車は車道利用の料金と同額)であったが、1971年2月1日から歩行者のみ無料となった(同時に海門橋、銚子大橋、尾道大橋、音戸大橋、関門トンネル、天草五橋も歩行者が無料になった)。 渋滞対策のため歩道を車道にして4車線化することになり、1987年5月に歩道は廃止され、客用エレベータと展望台も撤去された。なお、取り付け道路部分の拡張については、若松側、戸畑側とも現道の北側に平行して道路を建設し、4車線化後は現道が下り車線、新道が上り車線となった。 交通渋滞開通から、北九州市中心部と若松区中心部を結ぶ唯一の道路(他に八幡西区を経由する方法もあるが大回り)として機能してきたが、加えて近年、若松区北部(響灘地区)への企業進出が活発化したこともあり、交通量は増加傾向にあり、とりわけ朝夕は慢性的に渋滞していた。その抜本的対策のため、若戸トンネル(新若戸道路)の建設が進められ、2012年9月15日に開通した。 路線バス開通当初から西鉄・北九州市営の相互によってバスの乗り入れが実施された。西鉄は当初は筑豊地区や行橋/中津方面・1980年代以降は福岡(天神・博多駅)地区への高速バスなど広範囲に長距離路線バスを運行していたが、2018年時点では若松駅から小倉や戸畑・八幡東区方面までの短距離便の運行がメインとなっている。若松区側は大橋周辺にある2箇所(戸畑方面向きは1か所のみ)に乗り入れるのみとなっている。交通局は当初から市内東西軸の運行を行っており若松区内各地から戸畑駅・小倉都心を結ぶバスを運行している。有料道路であったこともあり距離に比して高額な運賃設定がされてきた。橋の両端にある若松区大橋通り - 戸畑区幸町停留所の運賃は平成以降長らく両社250円で統一されていたが、2006年の若戸大橋通行料金値下げ時に10円の値下げが実施され両社局240円に、その後2012年に市営バスのみが値上げされた。この時点で西鉄が240円、市営は270円となり社局間での運賃格差が生じた。2014年には消費税率の改定に伴う値上げが実施され無料化直前の2018年11月時点で西鉄250円、市営280円であった。2018年12月より両社局共に運賃改定が実施された。西鉄バスは対キロ運賃と特殊区間運賃の合算で賃率計算しているが、そのうちの大橋通行料の加算を廃止したため距離運賃の170円に値下がりしたのに対し、交通局は全線が区間制運賃となっており、区間の見直しは実施されず4区280円のまま特定10円割引で270円となっており、運賃・定期券などの社局間格差が拡大した。 老朽化問題1962年の供用開始から60年以上が経過しており、橋の老朽化が指摘されている[15]。 従来徴収していた通行料(約13億円/年)は建設費用の返済と維持管理費(5億円/年)に充てられていたが[16]、橋の無償化を公約にしていた北橋健治市長(当時)によって2018年12月に無償化された[17]。しかし市が債務返済を優先したのに加えて無償化以前から長年に渡って大規模補修の予算が確保されない状態が続いており[17]、2023年5月には橋から金属片(約1キログラムの部品)が落下する事故が発生[18][19]。2023年2月に市長に就任した武内和久は2024年度予算での橋の維持管理費を大幅に増額した[17]。 2024年、9年ぶりに塗り替えに着手。今回は、過去6回分の塗装被膜を剥がして行うもので、長寿命化を目的にするもの。完成は2032年度、費用は約90億円[20]。 ギャラリー発行物テーマソング若戸大橋50周年に「赤い橋の下で…」作詞作曲:鎌倉規匠(若戸大橋宣伝大使)/白井貴子が制作された。 両岸をつなぐという意味を込め、北九州市少年少女合唱団(戸畑側)・若松少年少女合唱団(若松側)合同の合唱バージョン等が収録されている。 イベント
舞台となった作品
脚注
関連項目外部リンク |