羽田京急バス東京営業所
羽田京急バス東京営業所(はねだけいきゅうバスとうきょうえいぎょうしょ)は、京浜急行バスの分離子会社としてかつて存在した羽田京急バス株式会社の営業所。羽田京急バスの全路線の運行を所管していた。営業所記号はNH(貸切車はSNH、特定車はTNH)。京浜急行バスからの運行委託車はH。 羽田京急バスは2018年(平成30年)4月1日付で京浜急行バス本体に吸収合併され、営業所組織は京浜急行バスに復帰して羽田営業所(2代目)となった[1][2]。 概要京急空港線穴守稲荷駅に程近く、親会社である京浜急行バス羽田営業所(初代)と隣接していた。2012年11月30日をもって京浜急行バス羽田営業所はいったん閉鎖され、羽田京急バスとして営業を行っていた。 その他、穴守橋付近に高速バス車両を留置できるスペースがあったが、2015年頃に閉鎖され、跡地には同じ京急グループのビジネスホテル「京急EXイン羽田」が建設された[3]。 自社路線の他に、親会社の京浜急行バスから路線の運行管理を受託していた。なお、車内放送は現社設立当時の会社名「京急バス」のまま、会社解散まで変わらなかった。羽田空港発着路線では車内放送や案内表示器で日本語のほか英語による案内も行われていた。 空港連絡バス・高速バス・一般路線バスを担当するほか、貸切バス・特定バス事業の免許を保有しており、貸切・特定登録された車両が配属されていた。 沿革→「京浜急行バス § 沿革」、および「京浜急行バス羽田営業所 § 沿革」も参照
閉鎖時の所管系統→詳細は「京浜急行バス羽田営業所 § 現在の担当系統」を参照
廃止・撤退路線この項では、羽田京急バス株式会社の事業期間中に廃止となった路線について記述する。 一般路線いすゞ線
京浜急行電鉄羽田営業所時代の1962年(昭和37年)に新設。1973年(昭和48年)の臨港バス蒲田撤退時にも廃止を免れた。蒲田駅から蒲45系統と川崎鶴見臨港バスの日出町線を合わせたルートで、いすゞ自動車川崎工場まで運行された。京急バスへ移管後、同工場の閉鎖により2004年(平成16年)12月28日限りで廃止となった。 →「いすゞ自動車 § 閉鎖された生産拠点」、および「川崎鶴見臨港バス神明町営業所 § 川02系統(日出町線)」も参照
深夜バス
2路線とも2010年(平成22年)10月の羽田空港国際線ターミナル開業と同時に開設された。国際線ターミナル発のみの片道運行で、大森駅・蒲田駅から東急バスの運行エリアまで乗り入れていたが、当初から利用者が低迷したため2011年(平成23年)8月30日限りで廃止となった。蒲田シャトル(蒲95系統)専用の車両で運行されていた。 夜行高速バス→「京浜急行バス § 夜行高速バス」も参照
京浜急行電鉄羽田営業所時代の1990年(平成2年)3月22日に運行開始。路線愛称の「ルブラン (le blanc)」はフランス語で「白」を意味し、倉敷美観地区の白壁の町並みにちなむ。なお、かつて存在した倉敷駅の駅ビル名は「ルブラン」であった。 東京テレポート駅とグランドニッコー東京 台場は倉敷駅北口発のみ停車する。 2015年(平成23年)9月30日限りで撤退、両備ホールディングス単独運行となった。東京側の予約業務は京浜急行バスが、運行支援業務は羽田京急バスが引き続き担当していた。 →詳細は「東京 - 岡山・倉敷線 § 歴史」、および「両備ホールディングス § 高速バス路線」を参照
1992年(平成4年)6月19日に運行開始。当初は東京側は京浜急行電鉄大森営業所が担当していた。2003年(平成15年)頃に羽田京急バスに移管され、2008年(平成20年)1月15日出発便をもって廃止となった。 現在は西武観光バスと西日本JRバスが、大宮・バスタ新宿・横浜YCAT - 大津 - 京都間をびわこドリーム号として運行している。 →詳細は「びわこドリーム号」を参照
京浜急行電鉄大森営業所時代の1989年(平成元年)7月31日に運行開始。路線愛称の「ラ・フォーレ (la foret) 」はフランス語で「森」を意味する。その後、京浜急行電鉄羽田営業所と京急観光バスを経て、2008年(平成20年)3月15日から羽田京急バスの担当となる。 2009年(平成21年)7月31日限りでJRバス関東が撤退、1ヵ月後の8月31日出発便限りで残る3社による共同運行を終了し、JRバス東北(2・3号)と弘南バス・羽田京急バス(1・4号)がそれぞれ別路線となる。 2010年(平成22年)2月28日の1・4号の運行を最後に羽田京急バスが撤退。単独運行となる弘南バスは翌3月1日の出発便より愛称を「津輕号」に変更、ラ・フォーレ号としてはJRバス東北単独で継続され現在に至る。 →詳細は「ラ・フォーレ号 § 現行系統」、および「弘南バス青森営業所 § 高速バス所管路線」を参照
羽田京急バス発足後の2003年(平成15年)7月18日に運行開始。当初は京浜急行電鉄羽田営業所が担当していた。路線愛称の「シャトー (château) 」はフランス語で「城」を意味し、大阪城にちなむ。 当初は京都深草は通過、横浜駅東口・京都駅前は経由しなかったが、2006年10月1日の改正でに3停留所に停車するようになった。後に羽田京急バス自社の路線となるが、2008年(平成20年)4月18日限りで撤退した。 羽田京急バスの撤退と同時に、西武バスが撤退した池袋 - 大阪線と統合、阪急バスの単独運行による池袋・品川・横浜 - 大阪線となる。品川・横浜地区発着分は京浜急行バス、池袋発着分は西武バスが予約・発券業務を継続して行っていた。 阪急バスでは品川バスターミナルに代えて、渋谷マークシティと新宿高速バスターミナル(現・バスタ新宿)を経由する池袋・渋谷・新宿 - 大阪線へリニューアルすることになり、2012年(平成24年)5月31日限りで廃止。リニューアルの際に京王バス東が東京側の新たなパートナーとして参入している。 横浜駅経由便は、阪急バスと京成バスが共同運行していた千葉・TDL・東京駅 - 大阪梅田・神戸線を停車させることで対応し、こちらは2015年(平成27年)4月1日から京成バス単独となって現在に至る。 車両→「京浜急行バス § 車両」、および「京浜急行バス羽田営業所 § 車両」も参照
UDトラックスを除く3メーカーの車両が在籍し、ジェイ・バス(いすゞ・日野)製を中心に、三菱ふそう製の車両も在籍した。 路線車一般路線車は、一時期4メーカー全てを擁していた時期があったが、UD製の中型ツーステップ車RM3台(2000年に能見台営業所から転入)が2009年3月までに全廃され、また最後まで残った三菱ふそう・エアロスターのNH6238号車(元ターミナル間無料連絡バス専用車)が2015年3月に特定登録に変更、TNH6238号車となったことにより、現在はジェイ・バス製の車両に統一されている。2016年4月現在では大型車・中型ロング車・中型車が在籍し、基本的にいすゞ(エルガとエルガミオ)が中心で、わずかに日野(レインボーHRとブルーリボンシティハイブリッド)という陣容になっており、全車がノンステップ車である。羽田営業所時代は大型車が三菱ふそう車に統一されていた時期があり、いすゞ大型車が再度配置されてからも多数派だったが徐々に数を減らし、前述のNH6238号車が2015年3月に特定登録に変更されたことにより一般路線用の三菱ふそう車は消滅している。 大型車はいすゞ・エルガを主体に、ターミナル間無料連絡バスから転用された日野・ブルーリボンシティハイブリッドのNH3801号車が在籍する。エルガのうちNH2459号車はターミナル間無料連絡バスから転用の長尺車で、2016年2月には新型エルガ(NH2633号車。QKG-LV290N1)が導入された。なお、エルガのうちNH1071号車は当初の一般路線色からリムジン色に塗り変えられ、蒲95系統の予備車となっている(後述)。 中型ロング車は日野・レインボーHR10.5M車で、2001年度から2004年度にかけて積極的に導入され、これに2006・2007年度の車と大森営業所から転入のNH4042号車を合わせて最盛期は16台を擁したが、経年除籍によりその数を減らし、一般路線用の大型車はエルガが過半数を占めるようになった。これらの大型車と中型ロング車は大森駅・蒲田駅・川崎駅から羽田空港・東糀谷・JFE方面の運用を中心に充当される。 中型車はいすゞ・エルガミオに統一され、うちNH2667号車は新型エルガミオである。かつてはUDや日野製の中型車が在籍していた時期があるが、UD車は経年除籍、日野車は貸切登録に転用されている。蒲田駅から六郷橋・大森東方面および出入庫の関係で羽田車庫発着の蒲33・43系統などに用いられる。蒲田駅 - JFE線に充当される場合もある。 一般路線向けの小型車は在籍していない。 蒲95専用車三菱ふそう・エアロスター5台(NH5077~5080、6736号車)、予備車としていすゞ・エルガ1台(NH1071号車)トヨタの燃料電池2台(H9001H,9901)の計8台が所属している。NH6736号車は新型エアロスターである。蒲95系統専用車として2010年に導入され、その他の路線に用いられる一般路線用車とは異なり、リムジン塗装(白地に赤帯)となっている。また、一般路線用の車両が代走する場合もある。室内は予備車のエルガを除き、座席がハイバックシートのワンロマ車となっている。 ターミナル間無料連絡バス羽田空港敷地内で運行するターミナル間無料連絡バス用の車両として、日野・ブルーリボンシティハイブリッド、新型ブルーリボンハイブリッドが導入された。かつては三菱ふそう・エアロスターエコハイブリッドやエアロスター、いすゞ・エルガなどの車両も運用に就いていたが、車両の置き換えや一般路線への転用などによりハイブリッド2車種に集約された。しかしエアロスターエコハイブリッドは不調が続いていたことから、ブルーリボンシティハイブリッドを増備して置き換えた。これによりターミナル間無料連絡バス専用車は日野製のハイブリッド車に統一されたが、一般路線用の車両が代走する場合もある。 2016年2月には新型ブルーリボンハイブリッド(NH4632号車)が、国際線・国内線ターミナル循環専用車として導入され、これに伴いブルーリボンシティハイブリッド(NH3801号車)が塗装変更され一般路線に転用された。 無料連絡バスのため、車内には運賃箱が設置されていない。また空港内輸送用途のため、スーツケースなど大型の荷物に対応可能な荷物置き場が車内に設置されている。外装は「東京空港ビルデング」「東京国際空港ターミナル株式会社」および「羽田京急バス」と表記された専用塗装で、国内線ターミナル循環は白色、国際線・国内線ターミナル循環は緑色となっている。 高速車リムジンバス羽田空港発着の路線に用いられる。蒲95系統専用車と同じく白地に赤帯のリムジン塗装となっている。羽田京急バス所属の東京駅線専用車として日野・セレガRが在籍、NH3555号車は「ミシュラン・グリーンライナー」としてラッピングされている。H表記の運行委託車は三菱ふそう・エアロエースや三菱ふそう・エアロバス、日野・セレガ、いすゞ・初代ガーラなどがあった。 水戸駅・日立駅 - 羽田空港線では会社解散まで、PASMO・Suicaなど交通系ICカードが利用できなかった。 都市間高速バス都市間高速バス専用車として、トイレ付き3列シートのスーパーハイデッカー車両が所属し、車種は三菱ふそう・エアロクィーンを中心に、日野・セレガも在籍した。 貸切・特定車羽田空港・穴守稲荷駅周辺の企業送迎などで使用される貸切車・特定車が所属している。 2017年8月時点では、特定車はかつて東扇島線などで使用された三菱ふそう・エアロスターワンステップ車や、当営業所唯一の小型車である日野・ポンチョ、一般路線用と同じいすゞ・エルガミオ、一般路線から転用されたいすゞ・エルガが在籍していた。エアロスターワンステップ車以外はすべてノンステップ車で、エアロスターはヤマト運輸羽田クロノゲート、ポンチョとエルガミオはANAなどの契約輸送に充当される。貸切専用車は高速バスから転用された三菱ふそう・エアロクィーンや日野・レインボーHR10.5Mおよび9M車などが在籍していた。 このほか、三崎営業所から転属した三菱ふそう・エアロミディ、元京急観光バスのいすゞ・先代ガーラも貸切車として在籍していたが、すでに廃車となっている。 脚注
関連項目
外部リンク |