新京成電鉄
新京成電鉄株式会社(しんけいせいでんてつ、英: Shin-Keisei Electric Railway Co.,Ltd.[3])は、千葉県東葛地域を拠点とする鉄道会社。京成電鉄の完全子会社であり京成グループの企業で、京成グループ共通の「K'SEI GROUP」ロゴを使用している。1990年(平成2年)5月31日以降、関東地方で唯一の準大手私鉄に分類される[注釈 1]。パスネットの符丁はSK。 概要千葉県松戸市の松戸駅と習志野市の京成津田沼駅の間で鉄道事業(新京成線)を行うほか、不動産業を展開する。かつてはバス事業も営んでいたが、2003年(平成15年)10月1日に松戸新京成バス・習志野新京成バス・船橋新京成バスの3社に分社化(後に習志野新京成バスは2014年(平成26年)4月16日をもって船橋新京成バスに吸収合併)し、直営事業としては行っていない。詳細については各社の記事および新京成バスを参照のこと。 京成カード(鉄道定期券のみ)加盟店。 2025年(令和7年)4月1日をもって親会社の京成電鉄に吸収合併(簡易合併・略式合併)されることが決まっており[広報 1][4]、関東地方から準大手私鉄が消滅することとなった。 歴史→新京成線の詳細な歴史は「新京成電鉄新京成線」も参照
新京成電鉄グループ会社の歴史
社章・シンボルマーク・コーポレートカラー社章は京成電鉄社紋に英字社名のイニシャルである「S」を加えたものである。1946年(昭和21年)10月23日に制定されたものであるため、ベースの京成社紋は1964年(昭和39年)改定前のものである[19]。 シンボルマークとコーポレートカラーは2014年(平成26年)6月1日に制定された。Step Mark(ステップマーク)と命名されたシンボルマークは社名のイニシャルである「S」をカーブの多い路線になぞらえてデザインされており、右上がりとなる形はステップアップする会社の姿勢を表している。マークに添えられるロゴタイプ(shin-kei-sei)は音節ごとに区切られており、音のリズム感と読みやすさを向上させている[広報 5]。なお、マークとロゴタイプの位置は使われる個所に応じて2パターンある。 コーポレートカラーはメインカラーのgentle pink(ジェントルピンク)とサブカラーのnew maroon(ニューマルーン)の2色があり、メインカラーはシンボルマークに合う色として、サブカラーは従来の「新京成マルーン」を継承する新色として設定された[広報 5]。コーポレートカラー制定後、メインカラーは駅名標を含めた駅のサイン類のほか、ラインカラーとしても用いられている。サブカラーはロゴタイプのほか、シンボルマークや駅名標のワンポイントとして用いられている。 なお、シンボルマークおよびコーポレートカラー制定前には「SHIN-KEISEI」のロゴタイプも存在し、N800形の旧塗装車や船橋新京成バスに在籍していた深夜急行車や貸切用車に使用されていた。このほか、船橋新京成バスは別途「Funabashi Shinkeisei Bus」のロゴタイプも存在する。
路線未成路線車両現有車両8800形の導入以降、他の大手私鉄よりもいち早く在籍車両のVVVFインバータ制御化を進め、2013年(平成25年)2月8日より、在籍する全編成の電動車がVVVFインバータ制御車両となった[広報 3]。また、補助電源装置のSIV化も完了している。これ以外の新技術の導入も積極的で、純電気ブレーキ、シングルアームパンタグラフの導入も京成より先駆けるものとなった。 現有車両の形式はすべて縁起が良い数字とされる「8」から始まる[6]。800形を上回る車両として8000形と命名され、800形と8000形の長所を併せ持った車両として8800形と命名されたという説がある。その後、8900形、N800形、80000形と続く。また、都営地下鉄浅草線・京浜急行電鉄直通の北総開発鉄道(当時)と同社が以前に直通運転を行い、現在は京成とも直通する関係上、車番重複を避けるための関係各社の協定による割り当て(千位が1・2は京急(この他特例で「600形」を使用)、3・4は京成(4は現在のところ使用経歴はなし)、5は都営、7は北総、8は新京成、9は千葉ニュータウン鉄道〈旧・都市公団〉)が存在する。なお、N800形まで伝統的に車外側面の車番の前に社章をつけていた。 車体は設立の経緯から、京成電鉄の払い下げ車両に準じた設計が大半を占めていたが、8000形以降は非貫通の正面形状など、京成と一線を画す独自のデザインを使用した車両が登場するようになった。その後、2000年代以降は再び京成電鉄と共通設計の車両が登場している。 完全新造車両はすべて日本車輌製造が製造を担当する。また、電動機や制御装置などの電気機器は三菱電機製(避雷器と8000形・800形の車内扇風機など一部電気機器は東芝製)を採用するが、これは1955年の全線開業に際して三菱電機の協力があったためである[21][22]。ただし、N800形のみ京成3000形をベースにしているため、電動機のみが三菱電機製で、制御装置は東洋電機製造製、冷房装置および補助電源装置(SIV)は東芝製である。ただしN838編成以降の冷房装置は三菱電機製である。また、8000形のインバータ制御改造編成のインバータ装置は三菱電機製であるが、主電動機は東芝製となっている[広報 15]。 伝統的な車内装備品として客用扉脇に備えられた鏡がある。日本の他事業者では名古屋市営地下鉄、江ノ島電鉄、相模鉄道の一部車両に見られる程度である。設置理由は「視線がそこへ向く」ということで「鏡を見ることで広告に目が行くだろうと考えて設置された」、「副次的に痴漢防止効果も有ると考えたから」だという[23]。 2011年からVVVFインバータ制御に改造されていない8000形を順次廃車、8800形の全編成を6両編成とし、一部編成が京成千葉線へ乗り入れている。 前述したコーポレートカラーを採用したデザインの展開を2014年8月29日より開始し[広報 6]、旧々塗装に復刻された[広報 16]8000形1編成を除く全車両に展開が行われた。 主に8両と6両の交互で運転されていたが、8800形から順に6両化、車番変更を行い、8900形の3編成にも6両化が行われた。8900形は中間付随車を抜き取っただけで車番の改番はされず、2014年(平成26年)9月30日より全編成が6両で運行されている。 一部の車両は京成線直通運転に対応していないか、対応していても乗り入れを行っていない。
過去の車両800形以前の過去の車両(吊り掛け駆動方式)については京成電鉄の「1988年以前消滅形式」の項目を参照。
列車番号新京成では運行番号と関係なく下り列車では1から奇数を、上り列車では2から偶数を初列車から順に振っていく付番方法となっている。 ちなみに、親会社の京成電鉄やその乗り入れ先である北総鉄道・都営地下鉄浅草線・京浜急行電鉄では始発駅の発車時刻の「時」の数字と運行番号2桁(南行〈京成・北総の上り、京急の下り〉列車では1を引いた偶数、京成では線内のみの列車の一部でその前に〈例:aayxx〉、京成の直通列車やそれ以外の事業者では後にアルファベット1文字〈例:aaxxy、京急のみ2文字の場合あり〉が加わる場合もある)とを組み合わせた付番法であり、新京成のそれとは全く異なる(「列車番号の付番方法」を参照)。 運転区間によって百位の数字が区別されており、それぞれの種類ごとに始発駅発車順の付番となっている。
なお、千葉線直通列車では3xx列車が直通した場合、京成ではaaxxF(aaは始発駅発車時刻の「時」、Fは新京成所属車を表すアルファベット)という列車番号になる(例:8時台に松戸を出発する303列車は京成線内では803F列車)。京成線内での運行番号は下り列車ではxx、上り列車ではxx+1の奇数となる(例:303→803F→1002F→302列車の場合の運行番号は03F)。 運賃大人普通旅客運賃(小児半額・端数は1円単位で切り捨て、きっぷの場合は10円単位で切り上げ)。2023年(令和5年)10月1日改定[広報 17]。
乗継割引
回数券
乗車券・カードの取り扱い
駅施設
案内放送
関連会社かつて存在した子会社
労働組合新京成電鉄の労働組合は、「新京成交通労働組合」という名称で私鉄総連に加盟している。同組合の下部組織として「新京成電鉄労働組合」と「新京成バス労働組合」があり、ユニオンショップ制であるので、社員は一部管理職などを除きそれらに所属することになる。また、バス事業は2社に分社しているが、組合は1つになっている。 1947年(昭和22年)10月25日に「新京成電鉄電鉄労働組合」を結成した。鉄道の開業は同年12月27日なので開業より2か月早い。1997年(平成9年)10月30日には関係者により組合結成50周年の祝賀会が開催されるとともに組合50年史も出版され、関係者に配布された。その後、2003年(平成15年)10月1日のバス事業分社化に伴い「新京成交通労働組合」となり、交通労組の下部組織として「電鉄労組」と「バス労組」がある現在の状態になった。 新京成電鉄の組合員は「新京成電鉄労働組合」に、新京成バス各社の組合員は「新京成バス労働組合」に所属する。バス会社の社員は、分社化前は新京成電鉄労働組合に所属していたが分社時に移籍した。2003年(平成15年)のバス事業分社前は「新京成電鉄労働組合」という1つの組織で、私鉄総連への加盟も「新京成電鉄労働組合」という名称で行っていた。船橋バスは元々別会社(大成輸送)であったという経緯から新京成交通労組には属していなかったが、独自の労働組合があった。組合結成時には新京成労組から組合旗を贈っている。長年にわたって独自に活動していたが、2006年(平成18年)秋に新京成交通労組に加盟した。その後、翌2007年(平成19年)10月1日の新京成電鉄への吸収合併に伴い新京成バス労働組合へ合流した。 事務所は以前新津田沼駅付近の線路沿いにあったが、現在は五香駅付近の線路沿いに移転している。広報誌の名称は『新路(しんろ)』で、新聞版で発行される。そのほか冊子版で発行されることもあり、組合員から寄せられた原稿が掲載される(内容は家族や趣味の話題など)。 マスコットキャラクター
その他
脚注注釈
出典
広報資料・プレスリリースなど一次資料
関連項目外部リンク
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