大津駅
大津駅(おおつえき)は、滋賀県大津市春日町にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)東海道本線の駅である。滋賀県の県庁所在地でもある大津市の代表駅であり、「琵琶湖線」の愛称区間に含まれている。駅番号はJR-A29。 歴史現在の大津駅は、1921年(大正10年)に開通した膳所駅 - 京都駅間の新線上に新線開通と同時に開業したものである[2]。 駅の変遷と大津線→詳細は「大津線」を参照
初代大津駅は、京都駅からの路線延伸により現在の京阪電気鉄道びわ湖浜大津駅がある場所に1880年(明治13年)に開業した。 東京と神戸を結ぶ鉄道建設の中で、新政府の財政難により、当面は琵琶湖の水運を活用することになった。このため、大津駅と長浜駅は船着き場に直結する位置に建設され、乗客は鉄道連絡船に乗り換えた。 日本初の鉄道連絡船である大津駅 - 長浜駅間航路は太湖汽船が担当し、日に3便、所要時間はおよそ3時間であったが、強風等で運休となることも度々あるなど、必ずしも安定した輸送手段ではなかった。 列車は、馬場駅(現:膳所駅)でスイッチバックを行って、大津駅に入っていた。逢坂山を越えてきた線路は、湖岸から高い位置にあり、逢坂山トンネル出口から直接大津駅に向かうことはできず、一旦馬場駅でスイッチバックを取る形となった[3]。 その後、琵琶湖東岸での鉄道建設が進み、1889年(明治22年)に湖東線の馬場駅 - 米原駅 - 関ケ原駅が開業したことにより、琵琶湖航路は廃止、馬場駅 - 大津駅の旅客営業も廃止され、大津駅は支線の貨物駅となった[4](請願により1898年(明治31年)から旅客営業再開[4])。1909年(明治42年)には、線名制定により大津線と命名される[5]。 1913年(大正2年)3月、大津電車軌道(現・京阪石山坂本線)が旅客営業を開始すると、大津線の旅客営業は廃止、再び東海道本線の貨物支線となる。同年6月に、馬場駅を2代目の大津駅に、初代の大津駅を浜大津駅に改称した[6]。その後、2代目の大津駅 - 京都駅を、新逢坂山トンネルの開通で短絡することに伴い、新線上に3代目の大津駅を、それまでの駅より西側に設置し、2代目の大津駅は馬場駅に再び改称され貨物駅となった[6](後年の旅客営業再開時に膳所駅に改称[2])。 この時に設置された3代目の大津駅は、東京駅の小型版として木造建築の駅舎が設けられた[7]。この駅舎は1967年(昭和42年)から始まる大津駅前の土地区画整理事業で建て替えられるまで用いられた[7]。 国鉄時代は、京都駅と同一の業者による、駅弁も販売されていた。 年表以下、移転後の年表を記す。移転前については、初代駅はびわ湖浜大津駅を、2代目駅については膳所駅の項目を参照。
駅構造島式ホーム2面4線を有する地上駅になっている[1]。駅の北側に北口改札(びわこ口)、南側に南口改札がある。地下道から各ホームへ、階段が2本、ホームエレベーターが1本ずつ通じている。北口の駅業務は直営であり、駅舎は2階建ての駅ビルになっているが、南口はジェイアール西日本総合ビルサービスに委託されている。駅長が配置されており、管理駅として瀬田駅・石山駅・膳所駅の3駅を管轄している。バリアフリートイレが設置されている。 駅ビルは1975年4月に開業し、市のサービス公社が運営していたが2010年からは市の直接運営になり、その後に老朽化や利用客減少を理由に撤退した[9][17][18][19]。2016年10月に宿泊施設や飲食店などが入居した商業施設「ビエラ大津」が開業した[15][20][21][22]。 1・2番線ホームの京都方に、北緯35度線モニュメントがある。これは琵琶湖線開業100周年を記念してJR西日本が1989年7月に設置したものである。 当駅の京都方面寄り(当駅と新逢坂山トンネルの間)にはカーブがあり(最急は下り外側線で半径500 m)、下り線は95 km/h、上り線は105 km/hの制限を受ける。 開業時から2面4線であったが、複々線化の際に停留所となった。ICOCA利用可能駅(相互利用可能ICカードはICOCAの項を参照)。 のりば
利用状況滋賀県統計書によると、1992年以降、年毎の1日平均乗車人員は下表の通り推移している[24]。 このうち2022年度について、1日平均乗車人員は16,075人となっており、滋賀県の駅では守山駅に次いで第6位[統計 1]。大津市の代表駅であるが、新快速が通過する瀬田駅よりも少なく、京都駅-草津駅間では膳所駅に次いで少ない。
駅周辺第二次世界大戦後、大津市中心部では湖岸を埋め立てて市街地が形成される一方で、台地や丘陵へ向けての市街地の拡大が行われていった[25]。かつては旧東海道を踏襲して市街地を経由していた国道1号のバイパスが1950年(昭和25年)に大津駅西側から石山駅方面にかけて建設された[25]。さらに大津駅南側の音羽台に1951年(昭和26年)に滋賀県内の公共住宅としては初の4階建ての鉄筋コンクリート造の市営住宅が建てられ、その後1953年(昭和28年)から東隣の朝日が丘に県営の住宅団地が建設された[26]。 官公庁関連の施設が多いが、当駅は滋賀県内における商業の中心駅ではない。商業施設は極めて少なく、それが原因で目立った市街地も形成されていない。なお、集合住宅は2019年(平成31年・令和元年)時点で増加傾向にある[27]。ちなみに、当駅から琵琶湖方面へ真っすぐ伸びる道路には「中央大通り」という愛称が付いている[28]。 越直美は大津市長在任中に賑わい創出の政策として「ジュネーブ構想」[注釈 1]を打ち出したが[22][29][30]、事業者の撤退などで計画そのものが停滞している[31]。 バス路線ロータリー内に「大津駅」停留所があり、近江鉄道バス・京阪バス・江若交通の各路線バス[34]と高速バスが発着する。路線バスは大津市の中心部である浜大津やその先の雄琴温泉・堅田駅、あるいは湖岸経由で石山駅や草津駅への路線などが設定されている。
隣の駅脚注記事本文注釈出典
利用状況
参考文献
関連項目外部リンク
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