本條秀太郎
本條 秀太郎(ほんじょう ひでたろう)は、日本の民謡・端唄・俚奏楽・現代曲三味線の演奏者で、三味線音楽の作曲家である。茨城県潮来市に生まれる。本名は高田 新司。 経歴三味線を篠塚みつ師に、長唄を稀音家芳枝師に、民謡を二代目大船繁三郎師、藤本琇丈師の両師に、小唄は田毎てる三師に師事。以後修学に勤め、1971年に本條流を創流。 流儀曲として三弦の持つ表現の自由闊達さに回帰し、時代時代に歌われてきた “小さなうた達”の断片をも復元再生し、自然発生的に歌い継がれてきた “うた”(自然民謡)、普遍的、民族的な躍動感や旋律をモティーフに、現代に伝統音楽として生まれた楽派「俚奏楽」を発表。 古典の枠に留まらず、様々なジャンルの音楽、奏者と共演し、数多くの国内外公演を行っている。26回を数える「本條秀太郎の会」を主催し、三味線音楽の興隆に力を尽くし、民謡・民俗芸能の発掘、採譜等、幅広い音楽活動を続けている。多年に渡り350曲におよぶ「端唄」を収集し、現在、アルバム制作中。1993年第1回「端唄~江戸を聞く~廓八景」(TOKYO FMホール) を皮切りに、全曲を唄う演奏会に取り組んでいる(2021年 43回開催)。
1989年には民謡の再生、モダン化への試みと、日本民謡を日本の民族音楽として定着させることをテーマにした細野晴臣プロデュース「ATAVUS(先祖帰り)」を公演。 1997年、シアトル・ロスアンゼルスにて日本舞踊アメリカ公演、2000年ベルリン・ラプチヒ・ワイマールにてドイツ公演「俚奏楽 俊寛」を作曲・演奏。 2002年、NHK教育テレビ、趣味悠々にて「和の楽しみ 本條秀太郎の三味線ちんちり連」を放送。 2008年、映画「シルク」(フランソワ・ジラール監督)演奏出演、邦楽アドバイザー。 2008・2009・2010・2013年、演劇界の鬼才 サイモン・マクバーニー演出「春琴」に出演・音楽担当。 2006・2007年、人形邦楽館「北越誌」、2009・2019年、邦楽ドラマ「松廼家おけい」-山本周五郎作『虚空遍歴』より(紀尾井小ホール)に出演、音楽担当。 2018年・2019年・2021年、由紀さおり特別公演「夢の花-䔍代という女-」に出演・音楽担当。 1968年よりNHK大河ドラマの邦楽指導。 ライフワークとして 俚奏楽、江戸端唄〜江戸を聞く〜、鄙哥−伝えゆく詩達−、 現代音楽三味線「Beads」の定期演奏。 2006年に淡交社より「本條秀太郎三味線語り」を出版。J-TRADとして現代に生きる音楽「現代民族歌謡」を作り、発表している。邦楽器を使った現代音楽の作曲活動・民族音楽とのコラボレーションを積極的に行い、「散華」「海照」「化転」「三弦」「回帰」「額田」、他に端唄・俚奏楽・日本のこもりうた・鄙哥のCD等を発表している。 俚奏楽(りそうがく)俚奏楽とは、三味線音楽の源流をたずね、近世歌謡に影響を与えた三味線の役割を実践的に発展させ、現代的解釈と創造を加えた独自のジャンルです。 「伝承」という三味線音楽のひとつの枠から離れて、三味線歌謡成立期に民衆が持っていたであろうエネルギーやバイタリティを取り戻し、活力溢れる瑞々しい音楽を求めていきます。 そのためには、民族歌謡を過去の遺産としてとらえるだけではなく、現代に、また未来に生きる日本人の「こころ」の表出にまで高め、日本人の素朴な心暖まる抒情を一つのモティーフとし、自然に密着したリズム感と様式にこだわらない自由な音楽を創造することが必要であると考えます。 音楽の持つあらゆる表現と技法を駆使し、三味線音楽を中心とした日本音楽の奥底に流れる普遍的な日本人の心をとらえて、民族音楽としての日本歌謡の新たな創造を目指す———それが「俚奏楽」なのです。 肩書き・役職
受賞・受章・栄典など
主要作品俚奏楽
テレビドラマ音楽、邦楽監修、民謡指導、三味線指導など
舞台
映画
その他
ディスコグラフィー・出版端唄
俚奏楽
器楽曲(現代曲)
舞踊曲
現代民族歌謡
日本のこもりうた
鄙哥(民謡)
書籍
関連項目脚注出典外部リンク
|