旦 敬介(だん けいすけ、1959年11月5日 - )は、日本のラテンアメリカ文学者、作家、翻訳家。明治大学国際日本学部教授。
前妻はウガンダ出身[1]であり、お笑いコンビ・コロナクラウンのリロイ太郎は息子。
来歴
名古屋市生まれ、東京都育ち、10歳の頃はロンドンで過ごす。1983年東京大学教養学部フランス科卒。1984年よりメキシコシティに留学。1986年同大学院総合文化研究科地域文化研究修士課程中退。この頃、港千尋、管啓次郎、赤間啓之、今福龍太らとともに同人誌「MÉLI-MÉLO」(発行:オフィス・エキノクシアル、発売:七月堂)に参加する。英語、スペイン語、ポルトガル語の翻訳家の傍ら、「BRUTUS」「エスクァイア」などの雑誌でトラベル・ライターとして活動する。マドリードやナイロビ、ブラジルで生活した後に帰国し、各大学非常勤講師を務める。2001年明治大学法学部専任講師、2003年助教授、2007年准教授、2008年国際日本学部准教授。
受賞
2014年、『旅立つ理由』で第65回読売文学賞(随筆・紀行賞)受賞。
著作
翻訳
- 『ビルカバンバ地方についての記録』(オカンポ、岩波書店、大航海時代叢書) 1984
- 『ペルー王国史』(ペドロ・ピサロほか、増田義郎共訳・注、岩波書店、大航海時代叢書) 1984
- 『フリークス 秘められた自己の神話とイメージ』(レスリー・フィードラー、伊藤俊治・大場正明共訳、青土社 1986、新版 2019
- 『世界終末戦争』(マリオ・バルガス=リョサ、新潮社、新潮・現代世界の文学) 1988、新版 2010
- 『歪んだ真珠 バロックのコスモロジー』(セベロ・サルドゥイ、筑摩書房、バロック・コレクション)1989
- 『アマゾンの皇帝』(マルシオ・ソウザ、弘文堂、ラテンアメリカ・シリーズ) 1989
- 『鉄と絹』(マーク・ザルツマン、角川書店) 1990
- 『幸福な無名時代』(ガブリエル・ガルシア=マルケス、筑摩書房) 1991、ちくま文庫 1995
- 『地球は燃えている』(アレックス・シューマトフ、新潮社) 1992
- 『夜明けの瞼 鰐と人の共通の運命』(アリスター・グレイアム、リブロポート) 1993
- 『十二の遍歴の物語』(G・ガルシア=マルケス、新潮社、新潮・現代世界の文学) 1994、新版 2008
- 『戦いの後の光景』(フアン・ゴイティソーロ、みすず書房) 1996
- 『愛その他の悪霊について』(G・ガルシア=マルケス、新潮社、新潮・現代世界の文学) 1996、新版 2007
- 『サンタ・エビータ』(トマス・エロイ・マルティネス、文藝春秋) 1997
- 『小さな場所』(ジャメイカ・キンケイド、平凡社、新しい世界文学シリーズ) 1997
- 『誘拐』(ガルシア・マルケス、角川春樹事務所) 1997、新版改題『誘拐の知らせ』(ちくま文庫) 2010
- 『ラブ・ストーリーを読む老人』(ルイス・セプルベダ、新潮社) 1998
- 『アイクラー・ホームズ 理想の住まいを探して』(ジェリー・ディットー,ラニング・スターン、フレックス・ファーム) 1999
- 『匂いの記憶 知られざる欲望の起爆装置 ヤコブソン器官』(ライアル・ワトソン、光文社) 2000
- 『ダーク・ネイチャー 悪の博物誌』(ライアル・ワトソン、筑摩書房) 2000
- 『ジャン・プルヴェ コンパクト・デザイン・ポートフォリオ』(マリサ・バルトルッチ,ラウル・カブラ編、フレックス・ファーム) 2001
- 『無限の言語 初期評論集』(ホルヘ・ルイス・ボルヘス、国書刊行会) 2001
- 『悪魔とプリン嬢』(パウロ・コエーリョ、角川書店) 2002、角川文庫 2004
- 『11分間』(パウロ・コエーリョ、角川書店) 2004、角川文庫 2006
- 『ザーヒル』(パウロ・コエーリョ、角川書店) 2006、角川文庫 2009
- 『知への賛歌 修道女フアナの手紙』(ソル・フアナ、光文社古典新訳文庫) 2007
- 『生きて、語り伝える』(G・ガルシア=マルケス、新潮社) 2009 - 回想記
- 『ウイダーの副王』(ブルース・チャトウィン、みすず書房) 2015
- 『ラ・カテドラルでの対話』上・下(バルガス=リョサ、岩波文庫) 2018
- 『七つの殺人に関する簡潔な記録』(マーロン・ジェイムズ、早川書房) 2019
- 『父ガルシア=マルケスの思い出 さようなら、ガボとメルセデス』(ロドリゴ・ガルシア、中央公論新社) 2021
- 『パラディーソ』(ホセ・レサマ=リマ、国書刊行会) 2022
- 『出会いはいつも八月』(G・ガルシア=マルケス、旦敬介訳、新潮社) 2024年3月 - 未完の遺作
脚注
外部リンク