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日本の地名の略表記一覧

日本の地名の略表記一覧(にほんのちめいのりゃくひょうきいちらん)は、日本地名を省略して表記した主なものの一覧である。

一覧の手引き

当項目における地名の略表記とは、元の地名の一部を省略して、主として漢字一字で象徴的に表現され、それが軸字[注 1]あるいは形態素となって他の漢字と結びついて、二字以上から成る熟語をつくることのある地名の表記、また、その軸字をいう。例として、東名高速道路、甲信越地方などが挙げられる。

当一覧の収載基準は原則として、軸字について、旧国名令制国名)、都道府県名、市区町村名のいずれかを由来とするもの、及び日本の地域の項目にて言及されている、日本列島を構成する主要四島および各広域地方区分の名称に由来するものに限る。また、適切な用例が見当たらないものは掲載しないこととする。

以下の表では、用例から軸字と読みを抽出して、それらを元となった地名とともに示した。出典は、軸字と元となった地名との関係を補足説明する典拠となるものである。

旧国名に由来するもの

以下は、軸字が旧国名令制国名)に由来する略表記。

軸字 読み 元となった地名 用例 出典 備考
[読み疑問点] 渡島国 渡州
[読み疑問点] 後志国 後州
たん 胆振国 胆州、
せき 石狩国 石州、勝線
かり 石狩国 勝峠
てん 天塩国 天州、北線
ほく 北見国 北州、本線
にち 日高国 日州、
[読み疑問点] 日高国 高州
[読み疑問点] 十勝国 十州
しょう
かち
十勝国
せん 釧路国 釧州、台地
こん 根室国 根州、釧台地
[読み疑問点] 千島国 千州
おう 陸奥国 奥州、羽山脈 [1]
りく
ろく
陸奥国 陸州 [2]
りく 陸奥国 海岸 [2]
りく 陸前国 海岸羽東線 [2]
りく 陸中国 海岸 [2]
ばん 磐城国 磐州、越道 [3]
がん 岩代国 岩州
出羽国 羽州、山脈越本線 [4]
羽前国 羽州、東線 [4]
羽後国 羽州 [4]
下野国 野州 [5]
じょう 上野国 上州、信越道信電鉄 [6]
ぼう 安房国 房州、 [7]
あん 安房国 安州
そう 上総国 総州、武本線 [8]
そう 下総国 総州、武本線 [8]
じょう 常陸国 常州、磐線総線 [9]
武蔵国 武州、本線西鉄道鉄道 [10]
そう 相模国 相州、 [11]
伊豆国 豆州、駿 [12]
駿 すん 駿河国 駿州、駿豆線 [13]
えん 遠江国 遠州、南信 [14]
さん 三河国 三州 [15]
さん 三河国 参州 [16]
尾張国 尾州、平野 [17]
こう 甲斐国 甲州、信越地方 [18]
美濃国 南線 [19]
のう 美濃国 濃州、尾平野飛横断自動車道地震 [20]
飛騨国 飛州、越地震横断自動車道 [21]
しん 信濃国 信州、越地方三遠南 [22]
佐渡国 佐州 [23]
佐渡国 渡州
えつ 越後国 越州、甲信地方新幹線本線 [24]
えつ 越中国 越州、地震 [24]
加賀国 加州、越台地 [25]
のう 能登国 能州、越道 [26]
えつ 越前国 越州、山若水台地美北線 [24]
じゃく
わか
若狭国 若州、越山鉄道
[27]
ごう
こう
近江国 江州
若鉄道濃地震
[28]
さん 山城国 山州
じょう 山城国 城州 [29]
たん 丹後国 丹州 [30]
たん 丹波国 丹州 [30]
たん 但馬国 但州、 [31]
ばん 播磨国 播州、但線
たん 淡路国 淡州、海峡 [32]
せつ 摂津国 摂州 [33]
せん 和泉国 泉州 [34]
河内国 河州 [35]
大和国 和州
紀伊国 紀州、淡海峡勢道 [36]
せい 伊勢国 勢州、 [37]
伊賀国 伊州 [38]
志摩国 志州 [39]
阿波国 阿州 [40]
土佐国 土州、薩長讃線 [41]
伊予国 予州、讃線土線諸島海峡 [42]
さん 讃岐国 讃州、本四備
美作国
さく 美作国 作州 [43]
備前国 備州、本四讃線 [44]
備中国 備州、本四讃線 [44]
備後国 備州 [44]
げい 安芸国 芸州、備線予諸島 [45]
ぼう 周防国 防州 [46]
しゅう 周防国 周州
ちょう 長門国 長州、土肥 [47]
せき 石見国 石州
うん 出雲国 雲州、伯方言 [48]
いん
おん
隠岐国 隠州 [49]
はく 伯耆国 伯州、備線方言 [50]
いん 因幡国 因州、美線 [51]
ちく 筑前国 筑州、豊炭田肥線方言
ちく 筑後国 筑州、方言
ほう 豊前国 豊州、日方言炭田本線 [52]
ほう 豊後国 豊州、日方言予海峡本線肥本線 [52]
肥前国 肥州、筑方言薩長土 [53]
肥後国 肥州、筑方言薩線本線 [53]
いち 壱岐国 壱州 [54]
たい 対馬国 対州 [55]
にち 日向国 日州、豊本線方言 [56]
こう 日向国 向州
ぐう 大隅国 隅州、方言 [57]
さつ 薩摩国 薩州、隅方言長土肥

都道府県・市区町村名に由来するもの

以下は、軸字が都道府県市区町村の名に由来する略表記。

軸字 読み 元となった地名 用例 出典 備考
どう 北海道
さつ 札幌市 樽道
かん 北海道函館市 トンネル [58]
そん 北海道小樽市
せん 北海道釧路市 網本線
もう 北海道網走市 本線
せい 青森県青森市 函トンネル
青森県五所川原市 能線
せん 仙台市 山線石線
せき 宮城県石巻市
のう 秋田県能代市
ざん 山形県山形市
よね 山形県米沢市 坂線
こう 群馬県高崎市
さい 埼玉県 京線
よう 千葉県千葉市
せい 千葉県成田市 電鉄
とう 東京都 名高速道路横線 [59]
けい
きょう
東京都 浜工業地帯葉線
[60]
東京都
はち 東京都八王子市 高線
おう 東京都八王子市
よこ 横浜市
ひん 横浜市 工業地帯東北線 [61]
いと 新潟県糸魚川市 静線
ふく 福井県福井市 武線電鉄
福井県旧武生市
岐阜県多治見市
せい
しず
静岡県静岡市 清バイパス
しん 静岡市清水区 バイパス
めい 名古屋市 高速道路神高速道路
しょう 三重県松阪市
滋賀県 バイパス
しん 滋賀県大津市
けい 京都府京都市 阪神阪式アクセント阪電車 [60]
ふく 京都府福知山市
まい 京都府舞鶴市 若道
みや 京都府宮津市 福線
はん 大阪府大阪市 神工業地帯和線急電鉄電車 [46]
かい 大阪府堺市
しん 神戸市 京阪高速道路第二明道路 [62]
ほう 宝塚市
あま
尼崎市 宝線
めい 兵庫県明石市 第二神道路姫幹線
兵庫県姫路市 新線幹線
奈良県奈良市 トンネル
和歌山県和歌山市
こう 島根県江津市
しん 岡山県新見市
ふく 広島県福山市 塩線
さん 広島県三次市 江線
かん 山口県下関市 門海峡
がん 山口県岩国市 徳線
とく 山口県旧徳山市
とく 徳島県徳島市
こう 香川県高松市 徳線
きゅう 福岡県久留米市 大本線
もん 北九州市門司区 海峡
だい 大分県大分市 本線
宮崎県都城市

その他の広域地名に由来するもの

以下は、軸字が旧国名、都道府県、市町村以外で、主要な地理的名称に由来する略表記。

軸字 読み 元となった地名 用例 出典 備考
ほん 本州 四備讃線
四国 備讃線
かん 関東地方 越道
ほく 北陸地方 信越地方
きん 近畿地方

参考文献

  • 藤堂明保、松本昭、竹田晃、加納喜光『漢字源』(改訂第五版)学習研究社、2011年。ISBN 978-4-05-303101-3 

脚注

  1. ^ 言語学者の鈴木英夫により設定された概念で、「二字漢語において、一定の位置を占め、同じような意味内容で他の漢字(付加字)と結び付いて、一群の漢語を構成する漢字」を指す。

出典

  1. ^ 『漢字源』改訂第五版、375頁。
  2. ^ a b c d 『漢字源』改訂第五版、1706頁。
  3. ^ 『漢字源』改訂第五版、1130頁。
  4. ^ a b c 『漢字源』改訂第五版、1272頁。
  5. ^ 『漢字源』改訂第五版、1632頁。
  6. ^ 『漢字源』改訂第五版、13頁。
  7. ^ 『漢字源』改訂第五版、608頁。
  8. ^ a b 『漢字源』改訂第五版、1240頁。
  9. ^ 『漢字源』改訂第五版、487頁。
  10. ^ 『漢字源』改訂第五版、851頁。
  11. ^ 『漢字源』改訂第五版、1099頁。
  12. ^ 『漢字源』改訂第五版、1500頁。
  13. ^ 『漢字源』改訂第五版、1795頁。
  14. ^ 『漢字源』改訂第五版、1597頁。
  15. ^ 『漢字源』改訂第五版、9頁。
  16. ^ 『漢字源』改訂第五版、225頁。
  17. ^ 『漢字源』改訂第五版、452頁。
  18. ^ 『漢字源』改訂第五版、1053頁。
  19. ^ 『漢字源』改訂第五版、1267頁。
  20. ^ 『漢字源』改訂第五版、953頁。
  21. ^ 『漢字源』改訂第五版、1773頁。
  22. ^ 『漢字源』改訂第五版、91頁。
  23. ^ 『漢字源』改訂第五版、74頁。
  24. ^ a b c 『漢字源』改訂第五版、1529頁。
  25. ^ 『漢字源』改訂第五版、183頁。
  26. ^ 『漢字源』改訂第五版、748頁。
  27. ^ 『漢字源』改訂第五版、1322頁。
  28. ^ 『漢字源』改訂第五版、878頁。
  29. ^ 『漢字源』改訂第五版、323頁。
  30. ^ a b 『漢字源』改訂第五版、29頁。
  31. ^ 『漢字源』改訂第五版、77頁。
  32. ^ 『漢字源』改訂第五版、923頁。
  33. ^ 『漢字源』改訂第五版、653頁。
  34. ^ 『漢字源』改訂第五版、875頁。
  35. ^ 『漢字源』改訂第五版、888頁。
  36. ^ 『漢字源』改訂第五版、1215頁。
  37. ^ 『漢字源』改訂第五版、192頁。
  38. ^ 『漢字源』改訂第五版、65頁。
  39. ^ 『漢字源』改訂第五版、548頁。
  40. ^ 『漢字源』改訂第五版、1695頁。
  41. ^ 『漢字源』改訂第五版、311頁。
  42. ^ 『漢字源』改訂第五版、41頁。
  43. ^ 『漢字源』改訂第五版、75頁。
  44. ^ a b c 『漢字源』改訂第五版、112頁。
  45. ^ 『漢字源』改訂第五版、1316頁。
  46. ^ a b 『漢字源』改訂第五版、1694頁。
  47. ^ 『漢字源』改訂第五版、1676頁。
  48. ^ 『漢字源』改訂第五版、1727頁。
  49. ^ 『漢字源』改訂第五版、1713頁。
  50. ^ 『漢字源』改訂第五版、79頁。
  51. ^ 『漢字源』改訂第五版、303頁。
  52. ^ a b 『漢字源』改訂第五版、1501頁。
  53. ^ a b 『漢字源』改訂第五版、739頁。
  54. ^ 『漢字源』改訂第五版、345頁。
  55. ^ 『漢字源』改訂第五版、437頁。
  56. ^ 『漢字源』改訂第五版、699頁。
  57. ^ 『漢字源』改訂第五版、1709頁。
  58. ^ 『漢字源』改訂第五版、159頁。
  59. ^ 『漢字源』改訂第五版、781頁。
  60. ^ a b 『漢字源』改訂第五版、52頁。
  61. ^ 『漢字源』改訂第五版、909頁。
  62. ^ 『漢字源』改訂第五版、1139頁。

関連項目

その他の国における地名の略表記の例
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