地行(じぎょう)は、福岡県福岡市中央区にある地名。現行の行政地名は、地行一丁目から四丁目まで[2][3]。面積は351,130平方メートル (35.11 ha)[1]。2022年9月末現在の人口は6,044人[4]。郵便番号は810-0064[5]。
地理
福岡市中央区の北西部に位置する。北でよかトピア通りを挟んで地行浜と、東で菰川を介して唐人町と、南で明治通りを挟んで今川と、西で樋井川を介して早良区西新と接している。
概ね閑静な住宅地となっているが、シーサイドももちの手前に位置しており、町内をシーサイドももちへ至る道路が通っているため、人や車の往来が盛んである。
河川
町内には次の河川がある。
歴史
1709年(宝永6年)貝原益軒が著した地誌『筑前国続風土記』には、筑前国に入った黒田長政が、不毛の砂地だった荒戸から室見川河口の辺りに防潮目的で松を植えさせて松原を造らせた。このうち、唐人町西側の松林が慶安年間・黒田藩二代目藩主黒田忠之の時代に足軽の屋敷町となり、新たに土地を開いて宅地を造成することを意味する「地形」(じぎょう)と名付けられた、と書かれている[6]。それがいつの頃からか「地行」と改められたという[7]。
1872年(明治5年)に地行東町と地行西町に再編され、大正時代には地行西町は、福博電気軌道(現在の西鉄の前身の一つ)によって貸し邸宅地として開発され、豪邸が建ち並んでいた[8][9]。1968年(昭和43年)の町界町名整理で現在の町域に再編された。
町域の変遷
住居表示実施後 |
実施年月日 |
住居表示実施前(各大字の一部)
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地行一丁目から地行四丁目 |
1968年(昭和43年) |
地行東町・地行西町
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人口
地行一丁目から四丁目までを合わせた人口の推移を福岡市の住民基本台帳(公称町別)[4]に基づき示す(単位:人)。集計時点は各年9月末現在である。
- 2001年(平成13年):4,224
- 2002年(平成14年):4,450
- 2003年(平成15年):4,488
- 2004年(平成16年):4,536
- 2005年(平成17年):4,448
- 2006年(平成18年):4,447
- 2007年(平成19年):4,422
- 2008年(平成20年):4,732
- 2009年(平成21年):4,669
- 2010年(平成22年):4,651
- 2011年(平成23年):4,835
- 2012年(平成24年):5,028
- 2013年(平成25年):5,298
- 2014年(平成26年):5,513
- 2015年(平成27年):5,704
- 2016年(平成28年):5,740
- 2017年(平成29年):5,663
- 2018年(平成30年):5,738
- 2019年(令和元年):5,851
- 2020年(令和2年):5,903
- 2021年(令和3年):6,015
- 2022年(令和4年):6,044
交通
道路
主な幹線道路は次の通り。
鉄道
鉄道については、町内に福岡市交通局が運営する福岡市地下鉄空港線が通っている。最寄りの駅は唐人町駅で出入口も町内にあるが、町西部の一部は西新駅のほうが近い。
1975年までは明治通りを西鉄福岡市内線が通っており、「今川橋」電停があったほか、今川車庫と西福岡営業所が設けられていた。今川車庫の跡地は地下鉄今川橋変電所に、西福岡営業所の跡地は西鉄今川自動車営業所に継承された。
バス
バスについては、西日本鉄道株式会社が運営する西鉄バスが運行しており、次の停留所がある。かつては地行の南西部に今川自動車営業所(後に福岡貸切営業所、西鉄観光バス福岡中央支社)があり、整備工場や長距離バスの車庫もあった。現在、跡地は高層マンションとにしてつストア レガネット地行店になっている。
主な施設
公共・公益施設
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地行交番
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地行公園
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地行1号公園
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菰川公園(こもがわこうえん)
商業施設
町の北東側は、よかトピア通りを挟んでホークスタウンと隣接している。
名所・旧跡
寺院
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浄満寺山門(福岡市指定有形文化財)
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浄満寺本堂
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亀井南冥及び照陽一家の墓(福岡県指定有形文化財)
神社
脚注
注釈
出典
- ^ a b 福岡市総務企画局企画調整部統計調査課 (2020年10月1日). “令和2年(2020年)国勢調査”. 福岡市. 2023年7月11日閲覧。→1-11/参考/面積、人口密度、人口及び世帯数-公称町別(令和5年1月31日)
- ^ 角川日本地名大辞典40.福岡県
- ^ 福岡市. “福岡市区の設置等に関する条例”. 2022年8月9日閲覧。→別表第1
- ^ a b 福岡市統計調査課. “登録人口(公称町別)- 住民基本台帳(日本人)男女別人口及び世帯数”. 福岡市. 2022年8月10日閲覧。
- ^ 日本郵便株式会社. “郵便局”. 2022年10月7日閲覧。→「郵便番号を調べる」→キーワード検索等
- ^ 南当仁公民館「地行は地形から」『南当仁校区ちょっと昔ひすとりい』第1巻、2018年、1頁。
- ^ 福岡市都市計画局『福岡・博多の町名誌』(1982年)
- ^ 上野雅生『現在の福岡市』(九州集報社、1916年)
- ^ 『九電鉄二十六年史』35頁
- ^ a b “公園等検索”. 公益財団法人福岡市緑のまりづくり協会. 2022年11月6日閲覧。→キーワード検索
- ^ 福岡市財政局財産有効活用部財産活用課公有財産係. “固定資産台帳の公表”. 2023年7月24日閲覧。→固定資産台帳データの「固定資産台帳(令和3年度末時点)」※Excel形式
- ^ にしてつストア レガネット地行
- ^ “青雲山傳照寺”. 2023年5月7日閲覧。
- ^ “真福寺”. 浄土真宗本願寺派福岡教区. 2023年5月7日閲覧。
- ^ “連正寺”. 大谷派九州教区. 2023年5月7日閲覧。
- ^ “円徳寺”. 円徳寺. 2023年5月7日閲覧。
参考文献
- 塩柄盛義 編『九電鉄二十六年史』東邦電力、1923年。
外部リンク
- ウィキメディア・コモンズには、地行に関するカテゴリがあります。
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一覧は「福岡市区の設置等に関する条例」(昭和47年条例第1号)に基づく
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