ミニミニ大作戦 (1969年の映画)
『ミニミニ大作戦』(ミニミニだいさくせん、原題: The Italian Job )は、1969年製作のイギリス・アメリカの映画である。 ストーリーロンドンのとある刑務所を出所したチャーリーは、ボスであるブリッジャーの指示により、トリノで400万ドルの金塊を手に入れる計画を立てる。手練の泥棒仲間たちに加え、コンピュータの第一人者であるピーチ教授を仲間にしたチャーリーたちは、一路イタリアへ向かった。 そして、当時のイギリスの象徴とも言うべき、赤、白、青のユニオンジャックカラーの小型車「ミニ」が3台、作戦のためにトリノに送り込まれた。イタリア警察のアルファロメオと、ミニのカーチェイスが展開されることになる。 キャスト
出演者と出演車B級映画ではあるが、随所の洒脱な展開と、スピード感溢れるカーチェイスシーンによって、後年まで人気の高い作品である。 チャーリー役のマイケル・ケインを始めとする登場人物たちのとぼけた演技も秀逸である。特に、自身収監中の刑務所を我がもののごとく支配するビッグ・ボスのブリッジャーは、同時に女王陛下の熱烈なファンである愛国者、という誇張たっぷりのキャラクターであり、名優ノエル・カワードならではの演技であった。終盤の刑務所内で囚人たち一同に歓喜のコールを受けながら闊歩するシーンでは、カワードは得意の貴族的演技で堂々と喝采に応える貫禄を示し、彼の生涯最後の映画出演を華やかに飾った。 その他の登場人物もエキセントリックで、例えばコンピューター技術の天才であるピーチ教授は、太った女性に執着する嗜好(デブ専)があり、報酬以外にデブの女性を紹介するという条件でイタリア行きを引き受けるという暴走ぶりである。 この映画のもう一方の「主役」は、1960年代のイギリスのアイコンの一つである小型車ミニであり、その他の出演車にも俳優たちに負けない個性的な車が多数見られる。 ユニオンジャックの三色をまとったミニはもちろん、冒頭に登場し、3分間近くに亘り峠のワインディングロードを華麗に舞う姿を見せるも壮絶にクラッシュするランボルギーニミウラや、ミラノの街中にあふれる二代目フィアット・500、アルファロメオ・ジュリアのパトカー、アストンマーティンやジャガー。華麗なドライブシーンから派手な破壊シーン、スピード感あふれるカーアクションなどを彩っている。 原題The Italian Job (イタリア人の仕事)とは、イタリア警察の後手後手ぶりを皮肉ったユーモアであるが、タイトルからして笑い者にされる立場にもかかわらず、イタリア当局はこの映画のロケ撮影に全面協力するという度量の広さを見せた。このため英伊両国の国産車がイタリアの街中を派手に疾走する、映画史に残るカーチェイスシーン撮影が実現した。 カースタントのコーディネートはレミー・ジュリアンが担当した。ジュリアンは困難なスタントのアイディアをプロデューサーと監督に提示し成功させたことで、ハリウッド映画などにも起用されるようになった。 未公開シーンDVDには未公開シーンが収録されている。その解説によるとこの映画はもともと低予算のため全てのシーンを使用する予定でいた。「美しき青きドナウ」を生オーケストラで演奏し、その曲にあわせ三台のミニと三台のパトカーがワルツを踊るというもの。 撮影はモーターショウで有名なホールを使用した。脚本のトロイ・ケネディ・マーティンはこの撮影を知り激怒した。彼はスピード感あふれる逃亡劇をこの作品に求めていたからだ。 リメイク2003年にリメイクされた。原題、邦題ともに同じ。ミニはBMWの生産するニューミニになっているが、カラーリングは前作と同じユニオンジャックの三色(チリレッド・インディブルー・ペッパーホワイト)で登場する。 →詳細は「ミニミニ大作戦 (2003年の映画)」を参照
ゲーム題名『ザ・イタリアンジョブ』。 日本ではカプコン(海外ではロックスター・ゲームス)が2003年7月25日に発売したPCゲーム。開発元はSCIで多くのイギリス車などが登場。内容は映画版と同じでトリノで金塊を盗み逃げるというカーチェイスに特化したもの。なおヨーロッパではPS版も発売されていた。 脚注外部リンク |