ハナビシソウ
ハナビシソウ
分類
学名
Eschscholzia californica Cham.
シノニム
Chryseis californica (Cham.) Lindl.
Omonoia californica (Cham.) Raf. [ 1]
和名
ハナビシソウ(花菱草)
英名
California poppy
亜種
Eschscholzia californica subsp. californica
Eschscholzia californica subsp. mexicana (Greene ) C.Clark
ハナビシソウ (花菱草; 学名 : Eschscholzia californica )は、ケシ科 ハナビシソウ属 の耐寒性 一年草 である。別名、カリフォルニアポピー 。カリフォルニア州 の州花 。
明治時代に渡来し、家紋 の花菱に似ているために、この名がある。同属植物は10種以上存在し、いずれも北米地域に分布している(参照: #ハナビシソウ属 )。
学名
属名はロシア系ドイツ人の医師・博物学者のヨハン・エッシュショルツ (Johann (Friedrich von) Eschscholtz; 1793–1831) に由来する。彼を親友と呼び、世界一周旅行の調査船リューリク号(Rurik)に乗り合わせた仲の博物学 者でロマン派 の詩人・作家でもあったフランス系ドイツ人シャミッソー (1781-1838)により命名された[ 2] [ 3] 。この新種記載 は1820年 に刊行されたクリスティアン・ゴットフリート・ネース・フォン・エーゼンベック の Horae Physicae Berolinenses 上で行われ、基準標本 の産地は米国カリフォルニア州サンフランシスコ 港の乾燥した不毛な砂地である[ 4] 。なおエッシュショルツはこの見返りとして後にカリフォルニア産のマメ科 ルピナス属(ハウチワマメ属) の種(Lupinus chamissonis )にシャミッソーの名を献名 している[ 5] 。
分布
自生地はアメリカ合衆国 西部(ワシントン州 、オレゴン州 、カリフォルニア州 、ネバダ州 、ユタ州 、アリゾナ州 、ニューメキシコ州 )、メキシコ (北西部および北東部)である[ 1] 。
ハナビシソウには亜種 mexicana (Wikispecies ) (Greene ) C.Clark が存在するが、これは上に挙げたものからワシントン州とオレゴン州を除いた地域に分布する[ 6] 。
特徴
ハナビシソウは草丈60センチメートルくらい、茎 は根元からよく出て株立ちになり、葉 は掌状に3裂する。4月から5月にかけて、花径7-10センチメートルくらいの4弁花を開く。花色は、濃い黄色が基本だが、淡黄色・オレンジ色・朱色・サーモンピンクなどのものもあり、八重咲きもある。
花壇や切り花用に用いられている。
同属の植物にヒメハナビシソウ E. caespitosa があり、草丈30センチメートルくらい、花も4センチメートルくらいと小柄で、鉢植えやプランター植えに栽培されている。
栽培
丈夫で、寒さにも強い、育てやすい草花である。乾燥した気候と日光を好むので、通風と日当たりの良い屋外で育てる。乾燥には強いが過湿を嫌うので、鉢植えは水分をやや乾かし気味に管理する。寒冷地では冬の間は苗を防寒する[ 7]
ギャラリー
ハナビシソウ属
Escscholzia androuxii
ハナビシソウ属 (Eschscholzia )はシャミッソーがハナビシソウを新種記載した際に新属として設けられたもので、ハナビシソウ以外には以下の14種が知られている(命名者および産地情報もキュー植物園 系データベース Plants of the World Online に従う)。メキシコ領グアダルーペ島 のものが2種存在するが、それ以外は全てカリフォルニア州に見られる。構成種の半数以上が米国のエドワード・リー・グリーン により19世紀末から20世紀初頭にかけて新種記載されたものである。
脚注
^ a b POWO (2019). Plants of the World Online. Facilitated by the Royal Botanic Gardens, Kew. Published on the Internet; http://www.plantsoftheworldonline.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:30043364-2 Retrieved 2 November 2021.
^ Wells, Diana (1997). 100 Flowers and how They Got Their Names . Chapel Hill, North Carolina: Algonquin Books of Chapel Hill. p. 31. https://www.google.co.jp/books/edition/100_Flowers_and_How_They_Got_Their_Names/be1dPv97Au0C?hl=ja&gbpv=1&dq=poppy+Chamisso&pg=PA31&printsec=frontcover
^ Damkaer, David M. (2002). The Copepodologist's Cabinet: A Biographical and Bibliographical History . Philadelphia, Pennsylvania: American Philosophical Society. p. 203. ISBN 0-87169-240-6 . https://www.google.co.jp/books/edition/The_Copepodologist_s_Cabinet/TgUNAAAAIAAJ?hl=ja&gbpv=1&dq=poppy+Chamisso&pg=PA203&printsec=frontcover
^ Chamisso, Adalbertus de (1820). “Ex Plantis, in expeditione Romanzoffiana detectis, genera tria nova” . In Christianus Godof. Nees ab Esenbeck (ラテン語). Horae Physicae Berolinenses . Bonna : Adolphus Marcus. p. 74. https://www.biodiversitylibrary.org/page/11630590
^ “Adelbert von Chamisso - Presidio of San Francisco (U.S. National Park Service) ”. 2021年11月2日 閲覧。
^ POWO (2019). Plants of the World Online. Facilitated by the Royal Botanic Gardens, Kew. Published on the Internet; http://www.plantsoftheworldonline.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:1212588-2 Retrieved 2 November 2021.
^ 室谷優二『四季の鉢花300』主婦の友社〈主婦の友生活シリーズ〉、1994年、226頁。
^ a b Still, Shannon M. (2014). “Two new desert Eschscholzia (Papaveraceae) from southwestern North America” . PhytoKeys 35 : 45–56. doi :10.3897/phytokeys.35.6751 . https://www.researchgate.net/publication/262530538 .
関連項目
外部リンク
ウィキメディア・コモンズには、
ハナビシソウ に関連するカテゴリがあります。