ナミヤ雑貨店の奇蹟
『ナミヤ雑貨店の奇跡』(ナミヤざっかてんのきせき)は、東野圭吾の長編小説。2011年4月号から2011年12月号まで角川書店の月刊誌『小説 野性時代』に連載され、2012年3月28日に角川書店より単行本が出版された。第7回中央公論文芸賞受賞作品。2014年11月22日には角川文庫版が、2017年9月15日には角川つばさ文庫版が刊行された。 2013年と2016年、2017年に舞台化。2017年には日本と中国でそれぞれ映画化された[1][2]。 あらすじ第一章 回答は牛乳箱にコソ泥をして逃亡中の敦也・翔太・幸平は突然盗んだ車が動かなくなり、仕方なく以前翔太が見つけた廃屋「ナミヤ雑貨店」に逃げ込み夜が明けるのを待つことに。三人が店を物色していると、突然シャッターにある郵便口に手紙が投げ込まれる。手紙を開けるとそこには、月のウサギと名乗る者からの悩み相談が書かれていた。店に残っていた雑誌によると、ナミヤ雑貨店はかつて店主が投函された相談に一生懸命答えてくれる事で有名だった。敦也は放っておこうというが、翔太と幸平はこんな機会でないと人の相談に乗れないと返事を書く事を決意する。 第二章 夜更けにハーモニカをミュージシャンを目指す克郎は、慰問演奏で児童養護施設「丸光園」を訪れた。子供達は演奏を楽しく聞いてくれていたが、その中に一人だけ克郎を見ようとしない女の子が居た。克郎はその子を喜ばそうと様々な曲を演奏するが、全く効果はなかった。音楽に興味がないんだと諦め演奏会の終わりに必ず演奏する自分のオリジナル曲を演奏すると突然女の子は興味を示し、克郎に話しかけてきた。 第三章 シビックで朝まで貴之は父親の雄治が運営するナミヤ雑貨店を訪れ、店を畳んで二世帯同居をしようと持ち掛ける。しかし雄治は悩み相談に答える事を生きがいにしており、いつもその話に聞く耳を持とうとしなかった。だが突然、雄治が潮時だと言って店を畳んで貴之と同居すると言い出す。 第四章 黙祷はビートルズで浩介は事故で急死した従兄の遺品であるビートルズのレコードを譲り受け、それをキッカケにビートルズのファンになる。裕福な家庭だったので部屋には最新型のアンプやスピーカーが置かれ、友人達にビートルズを聞かせたりしていた。そんなある日、友人からビートルズ解散の話を聞かされる。 第五章 空の上から祈りを夜明けまで一時間となった時、新たに手紙が投函される。迷える子犬と名乗る十九歳の女性から、OLを辞めて水商売に専念したいので如何すれば良いかという物だった。敦也・翔太・幸平の三人は軽い女子だと決めつけ返信を書くが、その後の返信で迷える子犬が詳しい事情を告げると三人の考えは一変する。 登場人物
舞台2013年版2013年5月11日から6月2日までサンシャイン劇場、6月9日から16日まで新神戸オリエンタル劇場で、演劇集団キャラメルボックスによって上演された[3]。脚本・演出は成井豊。一部ダブルキャスト。 上演されたのは「夜明けにハーモニカ」「シビックで朝まで」「空の上から祈りを」の3編で、時間の都合上「回答は牛乳箱に」と「黙禱はビートルズで」はカットされた[4]。それに伴い、本来その編では出てこないはずの人物が出てきたりなどの変更がある。また、翔太が翔子、皆月良和が皆月良子と性別が変更された。 キャスト(2013年版)
2016年版2016年4月21日から5月8日に、「ネビュラプロジェクト・ぴあ・シアターBRAVA!presents」版としてZeppブルーシアター六本木とシアターBRAVA!で上演された[5]。2013年の演劇集団キャラメルボックスの公演と同じく脚本・演出は成井豊だが、今回はプロデュース公演である[6]。 キャスト(2016年版)
ミュージカル版(2017年)2017年5月17日から21日に、「ミュージカル」版としてポケットスクエア ザ・ポケット(東京都中野区)にてミュージカルカンパニー イッツフォーリーズにより上演された[7][8]。 キャスト(ミュージカル2017年版)
スタッフ(ミュージカル2017年版)
ミュージカル版(2020年)2020年3月26日から31日まで、ミュージカルとして俳優座劇場(東京都港区)にてミュージカルカンパニー イッツフォーリーズが再演[9][10]。 キャスト(ミュージカル2020年版)
スタッフ(ミュージカル2020年版)
2022年版2022年2月26日から3月6日に「NAPPOS PRODUCE」版としてサンシャイン劇場にて上演予定。脚本・演出は2013年版、2016年版と同様に成井豊[11]。 キャスト(2022年版)映画日本版→詳細は「ナミヤ雑貨店の奇蹟 (映画)」を参照
2017年9月23日に公開。主演はHey! Say! JUMPの山田涼介[1]。 中国版→詳細は「ナミヤ雑貨店の奇蹟 再生」を参照
香港・中国・日本合作映画。中国で2017年12月29日に公開[2]。メインキャラクターが男性3人から男性2人と女性1人に変更されており[2]、時代背景は1993年と2017年になっている[12]。日本では2018年10月13日公開。 脚注
外部リンク小説 舞台
香港・中国・日本合作映画 |