仮面山荘殺人事件
『仮面山荘殺人事件』(かめんさんそうさつじんじけん)は、東野圭吾の長編推理小説。1990年12月に徳間書店からトクマ・ノベルズとして単行本が発行され、1995年3月に講談社文庫から文庫本が発行された。 あらすじビデオ制作会社の社長・樫間高之は、運転中に急ブレーキを踏んだ際、後ろから資産家令嬢・森崎朋美に追突される事故に遭う。朋美は左足の先を失って義足となり、バレエが出来なくなったことから絶望して自殺を図るものの、偶然に高之が見舞いに来たことから未遂に終わる。それをキッカケにして朋美は高之を気に入り、2人は交際するようになる。 そして2年後、婚約していた2人は結婚式を数日後に控えていた。ところが、細心の注意をして運転するようになっていた朋美が、自動車事故により崖から転落して亡くなってしまう。結婚式目前であり、目撃者もいたことから事件や自殺とは考えられず、居眠り運転での事故と結論付けられた。 それから3ヶ月後……。朋美の父である森崎製薬の社長・森崎伸彦・厚子夫妻が所有する山荘に、親族やその秘書、主治医、朋美の親友など、8人の男女が集まった。早世した朋美の思い出を忍ぶ意味合いも兼ねた、ごく内輪の者だけが集ったささやかなパーティーだった。 監禁 1日目そんな中、深夜に逃走中の銀行強盗犯の ジン・タグの二人組が山荘に逃げ込んできたことから、穏やかな雰囲気は一変してしまう。外との接触を禁じられてしまった8人は、警察に知らせようとSOSの文字を書いたり、タイマーを使って停電を起こすことで脱出を試みるが、何者かにSOSの文字は消されてしまい、タイマーは破壊されて失敗に終わってしまう。8人の中に、犯人に協力しようとする裏切者がいたのだ。 さらに犯人の一人が、何者かにビールに入れられた睡眠薬により眠り込んでしまう。そのため、8人のうち7人は窓を施錠した部屋にそれぞれ入れられ、厚子だけが人質となり一夜をすごすことになる。 監禁 2日目翌朝、朋美の従姉妹にあたる篠雪絵が何者かに背中を刺されて、ベッドで死亡しているのが発見される。だが、部屋の中から鍵をかけられる状況から、雪絵が深夜に強盗犯たちを部屋に入れるとは考えられず、「後で行く……ドアの鍵をあけて……」というメモの残骸が残されていたことから考えても、犯人は銀行強盗たちではありえなかった。 さらに、雪絵の日記からは『朋美が死んだ日のページ』が切り取られていたことから、犯人は「朋美の殺害」にも関与したか、朋美の復讐のためである可能性が浮上する。 監禁 3日目強盗犯の一味であるフジが、山荘に到着する。姿も声も出さないフジを「銀行の職員ではないか」と推理したことから、強盗犯たちは7人を殺害して逃走すると言い始める。それを回避するために、誰が雪絵を殺害したのかを特定しないとならなくなる。 伸彦の秘書である下条玲子が推理を披露し、裏切者は伸彦であると告げる。「雪絵がピルケースに睡眠薬を補充したのを見た伸彦が、雪絵が睡眠薬を朋美に飲ませたと思って復讐をした」と言及すると、追い詰められた伸彦は窓から湖に飛び降り自殺を図る。 その後、森崎製薬の弱みを握った強盗犯たちは、皆殺しを撤回して翌日に出ていくことになり、全員が部屋にそれぞれ入れられ、人質として高之が縛られる。 監禁 4日目縛られた高之が一人で考え事をしていると、飛び降り自殺をしたはずの伸彦がなぜか山荘に戻ってきて、高之にこれまでの自分の経緯を語り始める。 雪絵への復讐のために8人をこの山荘に集めた伸彦は、2日目の夜に雪絵を殺害した際に、死に際に雪絵は「違うんです、でも同罪ですね」と言い残し、日記のページを破って口の中に飲み込んだという。その行動から考えて、雪絵は犯人ではなく、誰かを庇っていたのではないかと言う。 犯人でない雪絵を殺害した後悔から警察に自首をするという伸彦を、高之は伸彦の首に手をかけていた……。高之の脳裏に、高之の過去の出来事が浮かんでいき、そして物語は予想外の展開を見せて、終わりを告げるのであった。 登場人物8人の宿泊者
強盗犯
その他
キャッチコピー
書籍情報
舞台2019年9月から10月にかけて、東京・大阪・新潟で舞台化された[1]。2023年9月から10月にかけて、東京・大阪で再公演予定[2]。脚本・演出は成井豊[1][2]。 なお、この舞台のDVDが2020年3月に発売されている。 2019年公演
キャストスタッフ
2023年公演
キャストスタッフ
脚注
外部リンク
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