サン・カルロス・デ・バリローチェ(San Carlos de Bariloche)は、アルゼンチンのリオネグロ州にあるナウエル・ウアピ湖に面した都市。「バリローチェ」の名で知られる。
概要
もとはパタゴニア地方のイエズス会の最初の布教地であったが、インディオとの抗争で18世紀に荒廃した[1]。20世紀初頭にスイス系、ドイツ系、北イタリア系の移民が入植して都市が建設された。湖と雪を戴くアンデス山脈の風景と住民の出身地を照らし合わせて、南米のスイスと呼ばれるようになった[2]。
第二次世界大戦前から多くのドイツ人が移民している上、ドイツの敗戦後も多くの元ドイツ国防軍やナチス党の戦犯容疑者を中心にしたドイツ人が、亡命もしくは移民した。
主要産業は、付近に存在するナウエル・ウアピ国立公園に関連した観光業で、人口約12万人の町に年間約80万人が訪れる。
交通
サン・カルロス・デ・バリローチェ空港が郊外に立地しており、ブエノスアイレスとの間を結ぶ便がある。
陸路は、ブエノスアイレスなどに向けた長距離バスが多数発着するほか、チリのプエルト・モントとの間の国際長距離バスも発着する。また、ロカ将軍鉄道の終起点の一つとなっている駅が市内に存在し、ビエドマとの間にリオネグロ州の運営するSEFEPA社が旅客列車及び観光列車"Tren Patagonico"を走らせており、沿線の住民はもとより観光客にも重宝されている。冬場には道路が積雪で通行止めとなる日があり、そのような時はバリローチェへ繋がる唯一の生命線となる列車の需要はさらに増加する。
姉妹都市
気候
ケッペンの気候区分では地中海性気候(Csb)であり、夏季は乾燥して風が強く、冬季は湿潤乾燥している。
サン・カルロス・デ・バリローチェの気候
|
月 |
1月 |
2月 |
3月 |
4月 |
5月 |
6月 |
7月 |
8月 |
9月 |
10月 |
11月 |
12月 |
年
|
平均最高気温 °C (°F)
|
21.5 (70.7)
|
22 (72)
|
19.0 (66.2)
|
14.6 (58.3)
|
10.1 (50.2)
|
6.7 (44.1)
|
6.4 (43.5)
|
7.9 (46.2)
|
10.7 (51.3)
|
14.0 (57.2)
|
17.3 (63.1)
|
19.7 (67.5)
|
14.3 (57.7)
|
日平均気温 °C (°F)
|
13.9 (57)
|
13.8 (56.8)
|
11.5 (52.7)
|
8.2 (46.8)
|
5.3 (41.5)
|
2.7 (36.9)
|
2.5 (36.5)
|
3.5 (38.3)
|
5.1 (41.2)
|
7.5 (45.5)
|
11.3 (52.3)
|
12.5 (54.5)
|
8.1 (46.6)
|
平均最低気温 °C (°F)
|
6.4 (43.5)
|
5.7 (42.3)
|
4.0 (39.2)
|
1.8 (35.2)
|
0.6 (33.1)
|
−1.0 (30.2)
|
−1.4 (29.5)
|
−0.9 (30.4)
|
−0.5 (31.1)
|
1.1 (34)
|
3.5 (38.3)
|
5.4 (41.7)
|
2 (36)
|
降水量 mm (inch)
|
22.2 (0.874)
|
21.7 (0.854)
|
29.2 (1.15)
|
53.5 (2.106)
|
134.0 (5.276)
|
140.7 (5.539)
|
128.7 (5.067)
|
115.6 (4.551)
|
57.8 (2.276)
|
38.8 (1.528)
|
24.8 (0.976)
|
32.0 (1.26)
|
779 (30.67)
|
出典:worldweather.org[3] 2007-09-04
|
出典
ウィキメディア・コモンズには、
サン・カルロス・デ・バリローチェに関連する
メディアおよび
カテゴリがあります。
- ^ ラテン・アメリカを知る事典、p.308 バリローチェの項(松下洋執筆)
- ^ アルゼンチンの地理在アルゼンチン日本大使館
- ^ Climate figures, World Weather Information Service, Accessed September 4, 2007
参考文献