エイシンワシントン(欧字名:Eishin Washington、1991年5月5日 - 2014年7月8日)は、アメリカ合衆国で生産された日本の競走馬、種牡馬[1]。主な勝ち鞍に1996年のCBC賞、1994年のセントウルステークス。
戦績
- 特記事項なき場合、本節の出典はJBISサーチ[3]
1993年11月28日、中京競馬場での3歳新馬戦でデビューし、1分9秒3のレコードタイムで勝利[4]。2戦目の朝日杯3歳ステークスは後の三冠馬ナリタブライアンに続く2番人気に推されるも6着。年明けて4歳となり、500万下条件特別の若菜賞とこぶし賞で2戦連続2着ののち、2月小倉競馬場での萌黄賞で2着シンメイリボーンに10馬身差をつけて2勝目を挙げる[4]。中1週で出走のアーリントンカップでこぶし賞に続きメルシーステージの前に2着に終わったのち、剥離骨折で休養を余儀なくされる[4]。このころは、能力を評価されつつも「ゴール前が淡白」という評価があった[4]。9月の朝日チャレンジカップで復帰してツルマルガールの5着となったのち、続くセントウルステークスでは同じ内藤繁春厩舎のダンシングサーパスの差し脚を封じて重賞を逃げ切りで初めて制した[5]。10月阪神競馬場でのスワンステークスでサクラバクシンオーの3着、11月中京競馬場のオープン特別シリウスステークスで4勝目を挙げスプリンターズステークスに駒を進めた。逃げ馬が揃ったレースで先手を取ることができず、特に見せ場なくサクラバクシンオーの4着に終わった。
5歳となった1995年は初戦の洛陽ステークスを勝ち、続く淀短距離ステークスも58.5キロの斤量を背負いつつ1分7秒7のレコードタイムで制して[5]短距離のオープン特別を連勝するが休養に入る。あきは10月のセントウルステークスで復帰も5着、その後も先行するが直線で力尽きるレースが続き、2度目の重賞制覇をすることはできなかった。2度目の挑戦となったスプリンターズステークスではまたしても出遅れて9着という成績に終わる。翌1996年、初戦のマイラーズカップで勝ったニホンピロプリンスとタイム差のない3着に入り、2走目の陽春ステークスも59キロの斤量ながらフラワーパークをおさえて勝利[5]しまだ健在であることをアピールした。しかし、そのあとの2戦、シルクロードステークスと阪急杯はともに二桁着順に終わり休養に入った。秋初戦の11月のマイルチャンピオンシップで復帰して15番人気ながらジェニュインの3着に入ると、連闘で臨んだCBC賞ではフラワーパーク、マサラッキらの追撃を退けて1分7秒3のレコードタイムで重賞2勝目を挙げた[5]。
3年連続出走となったスプリンターズステークスでは、フラワーパーク、ビコーペガサスに続く3番人気で臨み悲願のGI制覇へ挑んだ。レースでは好スタートしたフラワーパークを交し先行すると、終始レースをリードし、フラワーパークとマッチレースとなった。直線で一度差されながらもまた盛り返し、ほぼ並んだ状態でゴールした。10分以上に及ぶ写真判定の末にわずか1センチ差で2着に終わり、悲願のGI制覇はならなかった。[2][5][6][7]。この1センチ差の一戦は後世に「名勝負」の一つとして取り上げられた[6][8]。翌1997年、淀短距離ステークスへ向けた調教中に右第一指節種子骨を複骨折し、一命はとりとめたものの現役を引退した[7]。
競走成績
以下の内容は、JBISサーチ[3]、netkeiba.com[9]に基づく。
年月日 |
競馬場 |
競走名 |
格 |
距離(馬場) |
頭数 |
枠番 |
馬番 |
オッズ(人気) |
着順 |
タイム (上り3F) |
着差 |
騎手 |
斤量 [kg] |
勝ち馬/(2着馬) |
馬体重 [kg]
|
1993.11.28
|
中京
|
3歳新馬
|
|
芝1200m(良)
|
10
|
8
|
9
|
01.20(1人)
|
01着
|
R1:09.3 (35.5)
|
-0.5
|
0溝橋秀吉
|
54
|
(シンメイリボーン)
|
476
|
0000.12.12
|
中山
|
朝日杯3歳S
|
GI
|
芝1600m(良)
|
14
|
2
|
2
|
04.10(2人)
|
09着
|
R1:36.0 (38.3)
|
-1.6
|
0熊沢重文
|
54
|
ナリタブライアン
|
474
|
1994.01.05
|
阪神
|
若菜賞
|
500
|
芝1400m(良)
|
16
|
8
|
16
|
01.50(1人)
|
02着
|
R1:24.1 (37.2)
|
-0.0
|
0熊沢重文
|
55
|
マチカネジンダイコ
|
480
|
0000.01.29
|
阪神
|
こぶし賞
|
500
|
芝1600m(良)
|
13
|
6
|
9
|
02.80(2人)
|
02着
|
R1:37.7 (36.2)
|
-0.1
|
0熊沢重文
|
55
|
メルシーステージ
|
476
|
0000.02.13
|
小倉
|
萌黄賞
|
500
|
芝1200m(稍)
|
16
|
1
|
2
|
01.30(1人)
|
01着
|
R1:09.8 (36.1)
|
-1.6
|
0熊沢重文
|
55
|
シンメイリボーン
|
478
|
0000.02.27
|
中京
|
アーリントンC
|
GIII
|
芝1700m(良)
|
10
|
7
|
8
|
02.60(1人)
|
02着
|
R1:42.9 (35.7)
|
-0.0
|
0熊沢重文
|
55
|
メルシーステージ
|
480
|
0000.09.11
|
中京
|
朝日チャレンジC
|
GIII
|
芝2000m(良)
|
10
|
7
|
8
|
09.20(4人)
|
05着
|
R1:59.1 (35.7)
|
-0.4
|
0熊沢重文
|
53
|
ツルマルガール
|
486
|
0000.10.02
|
中京
|
セントウルS
|
GIII
|
芝1200m(良)
|
16
|
2
|
4
|
02.70(1人)
|
01着
|
R1:08.7 (35.7)
|
-0.3
|
0熊沢重文
|
54
|
(ダンシングサーパス)
|
482
|
0000.10.29
|
阪神
|
スワンS
|
GII
|
芝1400m(良)
|
18
|
4
|
7
|
10.50(4人)
|
03着
|
R1:20.2 (35.4)
|
-0.3
|
0熊沢重文
|
55
|
サクラバクシンオー
|
488
|
0000.11.27
|
中京
|
シリウスS
|
OP
|
芝1200m(良)
|
12
|
4
|
4
|
01.00(1人)
|
01着
|
R1:07.9 (34.2)
|
-1.0
|
0熊沢重文
|
55
|
(ビッグショウリ)
|
492
|
0000.12.18
|
中山
|
スプリンターズS
|
GI
|
芝1200m(良)
|
14
|
1
|
1
|
07.70(3人)
|
04着
|
R1:07.9 (35.2)
|
-0.8
|
0熊沢重文
|
55
|
サクラバクシンオー
|
492
|
1995.01.08
|
京都
|
洛陽S
|
OP
|
芝1600m(良)
|
16
|
5
|
10
|
02.60(1人)
|
01着
|
R1:33.6 (35.1)
|
-0.2
|
0熊沢重文
|
57
|
(ガイドブック)
|
492
|
0000.02.19
|
京都
|
淀短距離S
|
OP
|
芝1200m(良)
|
12
|
4
|
4
|
01.30(1人)
|
01着
|
R1:07.7 (34.2)
|
-0.6
|
0熊沢重文
|
58.5
|
(トーワダーリン)
|
494
|
0000.10.01
|
京都
|
セントウルS
|
GIII
|
芝1400m(稍)
|
16
|
4
|
7
|
02.20(1人)
|
05着
|
R1:22.2 (36.7)
|
-1.0
|
0熊沢重文
|
58
|
ビコーペガサス
|
494
|
0000.10.14
|
京都
|
オパールS
|
OP
|
芝1200m(良)
|
13
|
2
|
2
|
01.60(1人)
|
05着
|
R1:08.2 (34.6)
|
-0.6
|
0熊沢重文
|
59.5
|
ニホンピロスタディ
|
494
|
0000.10.28
|
京都
|
スワンS
|
GII
|
芝1400m(良)
|
14
|
3
|
4
|
04.80(2人)
|
08着
|
R1:21.0 (36.3)
|
-1.2
|
0熊沢重文
|
57
|
ヒシアケボノ
|
494
|
0000.11.19
|
京都
|
マイルCS
|
GI
|
芝1600m(良)
|
18
|
5
|
10
|
19.70(6人)
|
10着
|
R1:34.5 (36.9)
|
-0.8
|
0熊沢重文
|
57
|
トロットサンダー
|
494
|
0000.12.17
|
中山
|
スプリンターズS
|
GI
|
芝1200m(良)
|
16
|
5
|
10
|
12.70(6人)
|
09着
|
R1:09.3 (36.1)
|
-1.2
|
0熊沢重文
|
57
|
ヒシアケボノ
|
494
|
1996.03.03
|
阪神
|
マイラーズC
|
GII
|
芝1600m(良)
|
14
|
7
|
11
|
13.30(6人)
|
03着
|
R1:33.5 (35.6)
|
-0.0
|
0熊沢重文
|
57
|
ニホンピロプリンス
|
500
|
0000.03.23
|
阪神
|
陽春S
|
OP
|
芝1200m(良)
|
14
|
8
|
14
|
02.70(1人)
|
01着
|
R1:08.3 (34.2)
|
-0.2
|
0熊沢重文
|
59
|
(フラワーパーク)
|
496
|
0000.04.28
|
京都
|
シルクロードS
|
GIII
|
芝1200m(良)
|
13
|
7
|
11
|
04.20(2人)
|
12着
|
R1:10.0 (35.9)
|
-2.4
|
0熊沢重文
|
57
|
フラワーパーク
|
486
|
0000.06.16
|
阪神
|
阪急杯
|
GIII
|
芝1200m(良)
|
14
|
8
|
14
|
06.10(2人)
|
14着
|
R1:11.4 (37.2)
|
-2.9
|
0熊沢重文
|
59
|
トーワウィナー
|
484
|
0000.11.17
|
京都
|
マイルCS
|
GI
|
芝1600m(良)
|
18
|
2
|
3
|
89.9(15人)
|
03着
|
R1:33.9 (36.2)
|
-0.1
|
0熊沢重文
|
57
|
ジェニュイン
|
498
|
0000.11.23
|
中京
|
CBC賞
|
GII
|
芝1200m(良)
|
14
|
3
|
3
|
04.90(3人)
|
01着
|
R1:07.3 (34.4)
|
-0.1
|
0熊沢重文
|
57
|
(フラワーパーク)
|
500
|
0000.12.15
|
中山
|
スプリンターズS
|
GI
|
芝1200m(良)
|
11
|
7
|
8
|
06.50(3人)
|
02着
|
R1:08.8 (35.3)
|
-0.0
|
0熊沢重文
|
57
|
フラワーパーク
|
500
|
引退後
引退後は種牡馬として静内レックススタッドにて供用され[7][10]、2009年に種牡馬生活を引退してからは鹿児島県湧水町のホーストラストにて功労馬として第三の馬生を送っていた[7][11][12]が、2014年7月7日朝に右後肢に力が入らない状態で発見され、食欲自体はあったものの翌8日に右後肢脛骨骨折のために死亡した[7][2][6]。種牡馬としては12シーズンで血統登録頭数129頭、出走頭数はそのうちの113頭を記録し、79頭が勝ち上がった[13]。
おもな産駒
血統表
近親にブラッシングジョン(プール・デッセ・デ・プーラン、ハリウッドゴールドカップ)、インディードスルー(京成杯3歳ステークス3着)[4][22]。
脚注
参考文献
- 「関西競馬四季報 1994秋季号」『競馬ブック』第15巻第3号、ケイバブック。
外部リンク