しゅはまはるみ
しゅはま はるみ(1974年9月29日 - )は、日本の女優。東京都世田谷区(下北沢)出身[1][2]・在住[3]。エイベックス・マネジメント所属[4]。 2016年頃までは苗字が漢字表記の主浜 はるみ名義で活動[5]。 来歴藤村女子中学校[6][注 1]在学時に新体操部に所属[7]。補欠から外されたときに周囲とぎくしゃくしてしまい、別の学校に転校している[8]。幼少期は暗い性格だったといい[8]、学生時代は家の中で絵本をずっと読んでいるインドア派だった。しかし、勝手に絵本の主人公になりきっていたことが役者を目指すきっかけにもなったという[9]。 親に勧められてジャパンアクションクラブ(JAC)の養成所に入所し[8]、高校生時代から演劇を始める[10]。JACでは千葉真一に気に入られ、真一の「真」の字を使った夕真緒という芸名を貰って活動[11]。1992年にテレビドラマ『徳川無頼帳』(テレビ東京)で女優デビューするが[1]、アクション系の事務所だったにも拘らずアクションがあまり得意ではなくバク転もできなかったことから[2]、その後はフェードアウトする形で高校卒業後に[12]JACを退所している。 JAC退所後も芝居が好きだったことから自力でオーディションに応募し、19歳の頃[12]、堤泰之、白井晃演出の舞台を経験[8][13]。1995年には劇団東京乾電池研究生を経て、1996年に同劇団に入団した[14]。20周年記念公演『しとやかな獣』にも出演したほか、舞台以外ではナオミ・キャンベルに変身するTBCのCMに出演してそのCMが話題になったり、端役ながらもテレビドラマ『成田離婚』(フジテレビ)にレギュラー出演したりなど[15]舞台以外でも活躍の兆しを見せ始めていた。しかし、当時付き合っていた男性と結婚を前提とした付き合いを始めるために[8]1998年に劇団東京乾電池を退団し[16]、女優業を一度引退する[13][17]。その男性はしゅはまの女優業をあまり快く思っておらず、結婚したいから女優を辞めてくれと言われたことが引退の大きな理由であった[8]。 結婚するまで5年ほどかかり、その間に舞台の手伝いなどで女優復帰の意思が芽生え始め、結婚の際に女優復帰を懇願[8]。2002年頃より役者活動を再開した。再開後にはイーピン企画に所属し[5]、同社の企画するミステリーイベント(ミステリーナイト他)への出演や[3]、小劇場を中心とした舞台出演が主な活動となる[15]。2006年には同世代の女優と3人で演劇ユニット「Qluck宴」を立ち上げての活動も行っていた[18]。その他、CMやテレビドラマといった映像作品にも出演[14]。なお、結婚生活はあまり長く続かず、33歳の頃に離婚している[8]。 映像の仕事をするきっかけに[19]と映画のワークショップを探していたところ、映画監督の山岸謙太郎から[20]上田慎一郎を紹介され、2017年、上田も関わることになっていたENBUゼミナール・シネマプロジェクト第7弾の応募を決断[8]。無事にオーディションを通過し、上田監督の映画『カメラを止めるな!』に出演を果たす[1][13]。同作は翌年に劇場公開が始まると、当初はミニシアター2館での公開だったところから累計300館以上に拡大公開が行われ、動員200万人を記録するというインディーズ映画としては異例の大ヒットを記録[21]。しゅはまによる主人公の妻・日暮晴美役の快演も高く評価された[22]。 『カメラを止めるな!』の出演後は、「それまでは仕事自体がほぼないに等しいような状況だったので、新しい人生が始まったみたいな感じです」と表現するほどで[19]、メインで出演するCM(損保ジャパン日本興亜ひまわり生命[23]やJ-オイルミルズ[24]など)があったり、『痛快TV スカッとジャパン』(フジテレビ)で番組内再現ドラマに準レギュラークラスで出演したり[25]など活躍。2018年12月1日、女優業再開後より所属していたイーピン企画からエイベックス・マネジメントに移籍[26]。 2019年には『カメラを止めるな!』での演技が評価され、第28回東京スポーツ映画大賞の助演女優賞にノミネートされた[27]。同賞の受賞はならなかったものの、「彼女が出てるシーンが印象に残ってるから」という審査委員長のビートたけしの独断により、ノミネート外から新人賞に選出された[28][29]。スケジュールの都合で授賞式への出席はかなわなかったもののビデオメッセージを寄せ、「ドラマの仕事と授賞式がダブルブッキングするなんて、想像すらしていなかったことが起きている」と述べた[30]。 同年9月公開の映画『かぞくあわせ』にて、単館公開の作品ではあるが映画作品初主演。同作は俳優の藤田健彦、映画監督の長谷川朋史と結成した自主映画制作ユニット「ルネシネマ」の一作で[31]、企画立ち上げの段階から関わっている[32]。以降も「ルネシネマ」による自主映画が制作されている。 同年10月11日、神奈川県川崎市の中原警察署の一日署長に任命され、振り込め詐欺防止などの啓発活動を行った[33]。 2020年6月にはパーソナルジム「RIZAP」でのプログラムにより、-14.7kgのダイエットに成功(詳細後述)。年齢を感じさせない身体に仕上がり、6月30日発売の週刊ポストで45歳にして初のグラビア撮影に挑戦し[34]、同日にデジタル写真集もリリースした[35]。 2021年3月、エイベックス・マネジメントが企画し、ワールドデザインテーブルが制作するYouTubeチャンネル「しゅはまるチャンネル」を開設。2020年に英会話スクールに通い始めたしゅはまがハリウッドへの挑戦、アメリカの連続テレビドラマに出演する夢を叶えるべく、TOEIC800点を目指して邁進する姿をレポートしていくチャンネルとなる[36][37]。なお、5月26日投稿をもって休止している。 人物・エピソード趣味はアメリカドラマ鑑賞[2]。好きな言葉は七転び八起き[38]。2018年12月発売の書籍では、百貨店の惣菜屋やスナックでアルバイトをしながら女優業を続けていると発言していた[2]。2019年4月放送の『有吉大反省会』(日本テレビ)に出演した際には、エイベックス・マネジメント所属後もスナックでのアルバイトを精力的に続けており、チーママの座に上り詰めてしまったと語っている[11]。 主浜の性格について劇作家の佐々木奈史からは、竹を割ったような性格と言われている[39]。映画監督の上田慎一郎からは、ときどき我を忘れるほど前のめりに頑張ってしまうときがあると言われ、また、役者の立場でも演出や制作にも積極的に参加して、いい意味で面倒臭いところがあると称している[40]。映画で共演した浅森咲希奈からは、常に他の人のために動いていてくれて、疲れた顔を見せないエネルギッシュな存在だと称されている[41]。CMディレクターの遅塚勝一からは、普段は口下手で引っ込み思案で、また、かつてはここ一番に弱く大事な場面で緊張しやすかったと言われている[42]。しゅはま自身は、すぐ物事をネガティブに考えてしまい、「鬱っぽいところ」があると語る[19]。 離婚から1年ほどしたとき、突如虚無感や孤独感に襲われ、仕事や友人からの誘いも全て断り、引きこもり状態だった期間が半年ほどあったという。過去に出演したTBCのCMを担当した山内ケンジから舞台出演の依頼があり、事務所経由で一度は断りを入れたものの山内から直接しゅはまに連絡が入り、主浜のために役を用意するから舞台に出てみないかと誘われたことが救いとなり引きこもり状態を脱した。その後は主浜の意識にも変化があり、主体性のなかった性格から、能動的に動くようになったという[8]。この他、「人間としての転機」として語る出来事として、2011年、福島県に住んでいる母方の親戚が東日本大震災に被災したことを挙げている。それまでは「自分一人で勝手に生きて勝手に死ねばいい」って思っていた主浜だったが、大切な親戚らが大変な状況下で、そんな自堕落な考えだったことから何かしようにも貯金がなく、何もできなかった後悔に見舞われ、自身がダメ人間だったことを自覚した。「大事なものを守るためには、自分が自立してないとダメ」と気付き、当時患っていた軽い睡眠障害も克服して真剣にアルバイトに取り組めるようになり[19]、更に「俳優としてステップアップを」という意欲にもつながったという[38]。 愛嬌のあるおばちゃんタイプの見た目で、シリアスからコメディまで多彩な役柄をリアルに演じられる演技力を持つ[43]。映画『カメラを止めるな!』はワークショップから始まった映画であるため演技経験の浅いキャストが多い中で、映画の出演経験は浅いものの舞台やCMなどの出演経験が豊富だった主浜は、役同様にチームの母的な存在だったという。他のキャストへのアドバイスのみならず、映画の宣伝も自らが先導することもあった[40]。舞台で共演した福田愛依からは表情の変化が繊細であると称され、また、演出の指示に呼応してすぐに対応できる姿も福田から尊敬されている[44]。 劇団東京乾電池所属時代は、舞台以外での仕事もこなさせるという劇団の方針から映像作品にも出演していたが、主浜自身はテレビでの仕事をあまり得意としていなかった[8]。若い頃のしゅはまは、みんなで練習して作り上げていき、毎日完成したものが変化していく舞台に楽しさを見出しており、そういった「みんなで練習して作り上げる」という感覚のない映像作品は楽しいと感じられなかった[19]。しかし、女優活動再開後は徐々に映像も楽しいと感じ始め、2016年になってからはそれまで出演の少なかった映画にも目覚めはじめた[10]。2017年の映画『カメラを止めるな!』の出演をもって、「ああ、映像ってこんなに楽しいんだ!」って本格的に実感できたという[19]。2019年公開の主演映画『かぞくあわせ』では前述の通り、企画立ち上げの段階から関わっており、初日舞台挨拶では開場前の準備や進行も担当。「企画段階から俳優が関わってやっていく時代」「せりふを言うだけじゃなく、企画から考える女優になろう」と映画作品に対して意欲的に取り組んでいることが感じられるコメントを述べている[32]。 「主浜」という苗字は本名。全国でもあまりいない苗字(岩手県に多い)のため、あまり読んでもらえず、現場で「ちょっとそこの彼女」みたいに名前で呼ばれなくなってしまうことを嫌い、平仮名表記に芸名を変更した[45]。 映画『カメラを止めるな!』中で主浜演ずる日暮晴美が発する「ポンッ!」というセリフは、舞台挨拶でしゅはまが一本締めならぬ“一ポン締め”を披露したり[46]、公開拡大時の惹句やイベントタイトルなどで「パンデミック」(感染)にちなんで「ポンデミック」と表現されたりする[47]など、同作中もっとも特徴的なワードとして扱われている。特徴的な役を演じたことでしゅはま自身も「ポンッ!」の人として親しまれるようになり[30]、知名度の向上からCMのオーディションの合格率が高くなったといい[42]、前述の第28回東京スポーツ映画大賞新人賞受賞もこのセリフがビートたけしに評価されたことによるものである[30]。 ダイエットに取り組んでもすぐにまた太ってしまったり、トレーニングが継続できなかったりすることが多く、体重の増減を繰り返している[19][48][49]。イーピン企画所属時のプロフィールでは、2013年末時点で体重60kg、ウエスト75cmだったが[50]、2015年5月時点でウエストが87cmにまで増え[51]、2016年9月時点で体重64kg、ウエスト80cmだった[52]。但し、これらは事務所プロフィール上の数字であり、実際には2013年のときが一番太っており、体重は72〜73kgあったと後年語っている[53]。2018年8月には以前より痩せた姿に宣材写真が更新され、体重58kg、ウエスト79cmになっていたが[54]、エイベックス・マネジメント移籍後の翌2019年の年始には正月太りしてしまったことをブログで明かしている[55]。マネージャーに痩せたいと相談し、当初は地道にブログにダイエット記録をつけていこうとしていたが、そのうち「何か仕事と連動できないか」という話が持ち上がり、2019年11月より「RIZAP」のプログラムを実施することとなった[45]。2019年10月時点では体重64.0kg、ウエスト87.5cmだったが、約4ヶ月で体重49.3kg、ウエスト75.0cmと、体重-14.7kg、体脂肪率-13.0%のダイエットに成功。痩せたことによる美貌もフィーチャーされ、同グループの2020年6月からの新CMに起用された[48][49][56][57]。RIZAPに取り組んでいたことが明かされる1,2ヶ月前にウェブ映画『カメラを止めるな!リモート大作戦!』に出演。その際、主浜の容貌が前作から変化していたため、ファンからは「だれか分からなかった」などという反響があり[56]、同映画の座談会動画では「役に合わせて隠すのをやめられたんですか?」という質問が読まれた[58]。CM公開後は「衝撃的なんだけど」「変わり方凄い!! 綺麗!」などと更なる反響があり、日本テレビプロデューサーの栗原甚も「同一人物だと思えないくらい綺麗になってた」とツイートしている[7]。後日、しゅはまはZoom配信イベントで「私のことをいつ知りましたか」と質問し、そのときに「ライザップのCMで」という回答が多かったことで、CMという媒体の凄さを改めて実感したという[45]。 出演テレビドラマ
ウェブドラマ
その他テレビ番組
インターネットテレビ
映画
オリジナルビデオ舞台
イーピン企画 ミステリーイベント
CM
ウェブ広告
その他
作品舞台(作品)写真集脚注注釈
出典
外部リンク
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