『おらんだ左近事件帖』(おらんださこんじけんちょう)は、フジテレビ系列にて1971年10月12日から1972年3月28日まで毎週火曜20時からの1時間枠で放送されたテレビ時代劇。高橋英樹主演。全25回。
概要
尾張大納言の次男・左近は、長崎でオランダ医学を学んだ外科医にして、剣の達人。深川八幡の月心寺に居を構え、左近を慕って住み着いた子供達とともに暮らしている。庶民の味方の正義漢で、様々な事件の解決に、縦横無尽の活躍を見せる。
原作者の柴田錬三郎が第14話にゲスト出演し、円月殺法を披露している。主演の高橋英樹は、本作で共演したことが縁で小林亜紀子と結婚することとなった。次回予告に於いては、その回のメインゲスト俳優の名を列挙することが間々あった。
なお、この番組は当初「おらんだ左門事件帖」というタイトルに決まりかかっていたという。しかし、当時の番組スポンサーが製薬会社で、競合する他の製薬会社が主人公の名前及び番組タイトルと同じ名前の商品(サモン)を発売していたため、局側の配慮によって「おらんだ左近事件帖」に変更されたという[1]。
本作を最後に、フジテレビ火曜20時枠のドラマは、1998年10月14日開始の『走れ公務員!』まで26年半の中断、時代劇については、2001年4月17日開始の『鬼平犯科帳』(二代目中村吉右衛門版第9シリーズ)まで29年の中断となった。
キャスト
- 浪人。実は尾張大納言の次男(徳川治興)だが、身分や家柄に拘る武家社会を嫌って12年前に出奔。医学を学んで月心寺に子供たちと暮らしている。一人称は「儂(わし)」もしくは「私」。髪型は、侍にしては珍しいムシリの町人髷である。成瀬隼人正が来ても、堅苦しい挨拶などを嫌う。
- おぎん … 星由里子(第1話、第2話、第6話、第9話、第18話)
- 小料理屋「かめや」の女将。
- 左近の助手。月心寺で暮らしている。
- 素走り左平次 … 内藤武敏(第1、2、4、7、8、12~14、16、19、22、25話)
- 元盗賊。左近の協力者。
- 丹羽源三郎 … 近藤洋介(第1~3、7、8、10~13、15、16、18、24話)
- 八丁堀の同心。左近とは古なじみ。役目と左近との友情との間で板挟みになることが多い。初めのうちは左平次を捕えようと躍起になっていた。
- 淡海 … 松村達雄(第1、2、4、5、7、8、10~13、15、16、18、22、25話)
- 左近らが住まう月心寺の住職。豪気な人柄。
- 金太(岡っ引) … 林家こん平(第1話~第3話、第5話~第12話)
- 一太(孤児) … 野口英行
- 二太(孤児) … 梅津昭典
- 三太(孤児) … 吉田昌宏(第15話を除く)
- 四太(孤児) … 長谷川裕二(第1~3、5、6、9、10、12~19、25話)
- 本来の素性は武家の子、結城新太郎である。第1話で母を殺され、孤児となったため、四太として月心寺に身を寄せる。
- 尾張藩家老。お堅い人物。時折、左近の様子を見に尾張から所用がてらに出て来ては、月心寺を訪れる。
スタッフ
放映リスト(サブタイトルリスト)
ネット局
特筆の無い限り全て同時ネット。
関連項目
- 1991年にテレビ東京系列他にて放送された、小野寺昭主演・東映製作のテレビ時代劇。本作と同じ原作を用いている。
- 本作の前年にフジテレビ系列で放送された、高橋英樹主演・東宝制作のテレビ時代劇。1973年にはNETテレビ系列(市川右太衛門主演)で1973年版が、2001年にはフジテレビ系列(北大路欣也主演)で2001年版が同じ火曜日夜8時枠で放送されている(いずれも東映制作)。
脚注
- ^ 2013年7月22日からの週に放送された「時代劇ニュース オニワバン!」第38回内にて、能村庸一が証言
- ^ 『北海道新聞』1972年3月テレビ欄。
- ^ 『岩手日報』1972年3月テレビ欄
- ^ 『秋田魁新報』1972年3月テレビ欄。
- ^ 『山形新聞』1972年3月テレビ欄。
- ^ 『河北新報』1972年3月テレビ欄。
- ^ 『信濃毎日新聞』1972年3月テレビ欄。
- ^ a b 『北國新聞』1971年10月12日付朝刊、テレビ欄。
- ^ 『中日新聞』1972年3月テレビ欄。
- ^ 『京都新聞』1972年3月テレビ欄。
- ^ 『島根新聞』1972年3月テレビ欄。
- ^ a b 『山陽新聞』1972年3月テレビ欄。
- ^ a b 『愛媛新聞』1972年3月テレビ欄。
- ^ a b c 『熊本日日新聞』1972年3月テレビ欄。
- ^ 『大分合同新聞』1972年3月テレビ欄。
- ^ a b 『宮崎日日新聞』1972年3月テレビ欄。
- ^ 『沖縄タイムス』1972年3月テレビ欄。