SKIPシティSKIPシティ(スキップ・シティ)は、埼玉県川口市にある映像制作を目的とした施設。NHK川口ラジオ放送所跡地の産官学連携による再開発事業として、2003年2月1日にオープンした。SKIPは 英語: Saitama Kawaguchi Intelligent Park の頭文字から。 概要SKIPシティが置かれている場所には、かつては日本放送協会(略称:NHK)ラジオ第1放送を送信するNHK川口ラジオ放送所が置かれていた。2本の鉄塔からなる施設であり、近隣の川口市立上青木小学校の校歌にも歌われている。放送所は老朽化が進んでいたため、NHK放送センターはアンテナ施設を埼玉県久喜市に移転させた(NHK菖蒲久喜ラジオ放送所)。NHK放送センターは老朽化した施設用地の売却も検討したが、広大な土地のため売却先が見つからず、NHKワールド・ラジオ日本を送信する暫定送信所として再活用することにした。一部の区画については、国家事業として推進されてきた放送衛星の運用が放送局主体の運用に変ったため、通信・放送機構の地上管制局として運用することになった。 折りしも、埼玉県と埼玉県議会において川口ラジオ放送所の跡地利用に関する検討が行われ、再開発計画として映像産業拠点を設置することが決まった。 埼玉県とNHKが出資する特定目的会社を事業主体として設立して提案を募り、学校法人早稲田大学・NTTコミュニケーションズの案を了承して、施設の建設に着手した。第1期計画として、現在のA街区に相当する地区の建設が始まった(工事受注:竹中工務店・清水建設の共同企業体)。施設関連サービス運営担当として、ソニー株式会社が管理運営を行っている。 A1街区に関しては、埼玉県・川口市を主体にした施設建設が行われ、埼玉県と川口市の外郭団体が入居することになった。2000年に工事着工、2003年11月14日に全館開業。C街区に関しては、第2期計画として予定されているが、計画は凍結状態となっている。将来に関しては不明であるが、特定目的会社の解散(2033年)までには、第2期事業が再開される予定。 なお、B街区についても長らく凍結状態となっていたが、2020年6月にNHKが4つの大型テレビスタジオや付帯設備として編集室や美術倉庫などを備える「川口施設(仮称)」の建設を発表した。現在、B街区の土地は埼玉県や川口市が所有しているが、NHKがC街区の土地との等価交換で取得し、2022年に着工、2026年度の運用開始を目指すとしている[1]。 彩の国ビジュアルプラザ(埼玉県立映画博物館他の施設からなる)、NHKアーカイブス、埼玉県立産業技術総合センター川口支所、 埼玉県立生活科学センター(くらしプラザ)、川口市立科学館などで構成される。このうち、産業技術総合センターの多目的ホールでは2016年からプロレスの興行が開催されている。その他にも、大小様々な映像制作会社がテナントを構えている。 毎年、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭という映画製作者の登竜門ともなっている映画祭も行っている。 昨今では、A1・A2施設間の広場(プロムナード)に、家族連れや小中学生が集まり憩いの場となっている。また、近くの埼玉県立川口高等学校、埼玉県立鳩ヶ谷高等学校、川口市立川口総合高等学校などのダンスチームの生徒がダンス練習を行ったり、バンドチームが練習する様子が見られる。 確定申告の提出会場として、西川口税務署(川口市の一部と草加市を管轄する川口税務署と川口市の一部と蕨市と戸田市を管轄する)がSKIPシティを毎年利用している。 2019年から、川口市主催の夏祭り「たたら祭り」の会場として使用されている(毎年8月に開催)。これは2018年まで使用されてきた川口オートレース場の一部施設が、耐震性不足によって閉鎖されたことを受けたもの(こちらを参照)。 事業主体
行政地区(A1街区)7階建ての本館と3階建ての分館からなる施設。
映像産業拠点(A2街区)ソフト支援製作施設 - 映像ソフト制作のための支援施設
映像データベース - 様々な映像関連資料を蓄積したデータベースセンター
人材育成施設 - 映像製作者養成施設
情報発信支援施設-製作した映像などを、IP通信を活用して発信する施設
商業施設
スキップシティ-特定目的会社
B街区
C街区
川口市消防局の主催で、広域防災訓練などに活用されている。 かつては老朽化が進む川口市役所の移転先の候補地として挙げられていたが、2013年(平成25年)11月22日に市役所本庁舎を現在地(川口市青木)で建て替える方針か表明されため、今日に至るまで空き地である。 現在はNHKが所有しているが、2020年6月9日のNHK新施設計画発表で、着工前の2022年度にB街区の土地と交換する予定であることが明らかになった[1]。 D街区
事業特徴本プロジェクトは埼玉県とNHKが実施したコンペによって選ばれた企業体を主体として運営が行われ、30年間の時限付きプロジェクトとして推進されている。株式会社スキップシティによる運営は2033年に終了するため、その後は各テナント毎に自立することになっている。 交通
放送関係D街区には、株式会社放送衛星システム(日本放送協会、民放各社の出資による放送衛星運用会社)の地上運用局が設置されている。なお、このパラボラアンテナは、電波望遠鏡ではなく、静止軌道上にある放送衛星の地上管制を行う施設である。 脚注
外部リンク
座標: 北緯35度49分40.5秒 東経139度43分14.9秒 / 北緯35.827917度 東経139.720806度 |