NASDAQ(ナスダック、National Association of Securities Dealers Automated Quotations)は、1971年に全米証券業協会(National Association of Securities Dealers、略称:NASD)主催で世界初の電子株式取引所として設立された証券取引所である。世界最大の新興(グロース)企業向け株式市場であり、AppleやMicrosoftなどのハイテク企業やIT関連企業の割合が高い[3]。世界的にも時価総額でニューヨーク証券取引所(NYSE)と並ぶ規模を誇る[4]。
歴史
証券取引を開始した日時は1971年2月8日。世界初の電子株式市場として、世界中の注目を集めた。
その後自動取引システムを導入し、コンピューターシステムの証券取引市場であることを強調した。それにより多くの企業が集まり、取引高ランキングで世界第2位の巨大市場と化した。
2007年5月、スウェーデンの証券取引所運営会社OMXと経営統合で合意。同年末までに新会社「NASDAQ OMXグループ(現在のNasdaq, Inc.(英語版))」を発足させると発表した。
2016年、アデナ・フリードマン(英語版)が次期最高経営責任者に指名、アメリカの大手証券取引所運営会社のCEOを女性が務めるのは初めて[5]。
注文板
注文板には3段階のレベルがある。市場参加者識別子(Market Participant Identifier)は金融機関の名称。
- Level 1 (Nasdaq Basic) - 最良買い気配値、最良売り気配値、その数量[6]
- Level 2 - 市場参加者識別子別のレベル1の情報
- Nasdaq TotalView - 全ての買い気配値、売り気配値、その数量、市場参加者識別子[7]
取引時間
- プレ・マーケットトレーディング時間 4:00 - 9:30[8]
- 立会時間 9:30 - 16:00
- アフターマーケット時間 16:00 - 20:00[9]
取引時間はいずれも米東部標準時(EST)。
立会時間は、東部時間9:30 - 16:00(日本時間23:30 - 6:00、夏時間の場合は22:30 - 5:00)の「一場制」であり、日本のような「前場」・「後場」といった区分は無いが、お昼時は相場の参加者が少なくなるため、取引量が少なくなり、立会時間の午前中に出来高が多い傾向にある。
Tier
時価総額や流動性などに基づいて3段階のtier(階層)に会社を分類している[10]。
- Nasdaq Global Select Market (NASDAQ-GS) - 大型株
- Nasdaq Global Market (NASDAQ-GM) - 中型株
- Nasdaq Capital Market (NASDAQ-CM) - 小型株
それぞれに対して、Nasdaq Global Select Market Composite、Nasdaq Global Market Composite、Nasdaq Capital Market Compositeという株価指数がある。
株価指数
NASDAQ は多数の株価指数を作っている[11]。主要なものとして以下のものがある。
NASDAQに上場している日本企業および日系企業
日本で登記している企業(日本企業)および日本企業の子会社や持株会社(日系企業)のうち、NASDAQ に上場している企業の一覧。
以下の会社が上場予定。
かつて上場していた会社
1983年10月6日より外国企業も SEC 登録が必要になったが[31]、下記はそれ以降に上場した企業[32]。
初期の NASDAQ は店頭取引市場(OTC)であり、店頭取引銘柄として日本企業も多数扱われていた[39]。歴史的経緯はOTCブリティンボードも参照。
関連する取引所
北欧諸国においてNasdaq Nordicを展開している。またかつての地方証券取引所のボストン証券取引所(英語版)(現在のNasdaq BX)やフィラデルフィア証券取引所(英語版)(現在のNasdaq PHLX)を買収してオプション取引所として運営している[40]。
日本でも2000年に大阪証券取引所と提携した「NASDAQ JAPAN」(ナスダック・ジャパン)市場を開設したが、24時間取引の是非やシステム上の問題なども絡み、2002年12月に提携を解消。後に「ニッポン・ニュー・マーケット ヘラクレス」に改めることとなった。
脚注
出典
- ^ “Stock Screener”. nasdaq.com. 4 May 2024閲覧。
- ^ “Market Statistics – Focus” (英語). focus.world-exchanges.org. World Federation of Exchanges (July 2023). July 17, 2023閲覧。
- ^ “ナスダック(NASDAQ)とは?ダウやS&P500との違いも解説”. OANDA FX/CFD Lab-education(オアンダ ラボ). 2022年11月1日閲覧。
- ^ “参考統計” (PDF). 野村資本市場研究所. 2022年11月1日閲覧。
- ^ “ナスダック、初の女性CEO誕生へ フリードマンCOO指名” (2016年11月15日). 2018年5月26日閲覧。
- ^ Nasdaq Basic | U.S. Market Data Solution
- ^ Nasdaq TotalView | Full Order Book Depth on Nasdaq
- ^ Pre-Market Trading | Premarket Stock Quotes - NASDAQ.com
- ^ After Hours Trading | Afterhours Stock Market Quotes - NASDAQ.com
- ^ Nasdaq Stock Market Tiers | Nasdaq
- ^ Fact Sheet - Index Research & Resources
- ^ “くら寿司USAが来週米国でIPOへ-社名似た企業にご用心”. ブルームバーグ(2019年7月26日作成). 2019年8月2日閲覧。
- ^ メディロム、2020年12月29日にNasdaq新規上場!|株式会社メディロムのプレスリリース
- ^ 米国NASDAQ上場と新規株式公開の募集価格のお知らせ - 吉通貿易
- ^ ハートコア株式会社の親会社HeartCore Enterprises, Inc.、Nasdaq新規上場のお知らせ
- ^ 米証券取引所NASDAQへの上場に関するお知らせ | A.L.I. Technologies
- ^ AERWINS Technologies Inc., an air mobility platform company, announces signing of a definitive agreement for going public via a business combination with Pono Capital Corp., a NASDAQ listed company, to become a public company. | Nasdaq
- ^ AERWINS Technologies Inc.とPONO Capital Corp. De-SPAC契約による企業合併完了のお知らせ|株式会社A.L.I. Technologiesのプレスリリース
- ^ “(株)A.L.I.Technologies | TSR速報 | 倒産・注目企業情報 | 東京商工リサーチ”. 株式会社東京商工リサーチ. 12 February 2024閲覧。
- ^ “【シーラテクノロジーズ】米国ナスダック市場への上場に関するお知らせ - 株式会社シーラテクノロジーズ”. 株式会社シーラテクノロジーズ. 9 August 2023閲覧。
- ^ “新規株式公開の価格決定について”. プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES. 9 August 2023閲覧。
- ^ Earlyworks Co., Ltd. Announces Closing of Initial Public Offering | Earlyworks Co., Ltd.
- ^ “noco-noco 、企業結合を完了 ナスダックでの取引開始を発表 | 株式会社スリーダムアライアンス”. 3dom.co.jp. 2 September 2023閲覧。
- ^ “アーム株、上場初日に大幅高-ソフトバンクG孫氏の戦略勝ちか”. Bloomberg.com. 15 September 2023閲覧。
- ^ 米国ナスダック市場への上場に関するお知らせ - 株式会社リード・リアルエステート (PDF)
- ^ 当社子会社 TOYO Co が米国証券取引委員会に提出した「Form F-4」の効力発生に関するお知らせ - Abalance株式会社 (PDF)
- ^ 当社子会社 TOYO Co の米国ナスダック上場に関するお知らせ - Abalance株式会社 (PDF)
- ^ 子会社(BloomZ Inc.)の NASDAQ Capital Market 上場のお知らせ - サイバーステップ株式会社 (PDF)
- ^ “米国NASDAQ上場承認取得および取引開始のお知らせ | SBC Medical Group Holdings” (jp). sbc-holdings.com. 13 October 2024閲覧。
- ^ Thunder Bridge Capital Partners Ⅳ, Inc.との統合によるNASDAQ上場子会社への移行について |コインチェック株式会社
- ^ 49th Annual Report of the Securites and Exchange Commision (PDF) の13ページ目の Foreign Securites
- ^ 米国証券市場ガイド 第3回:日本企業によるNasdaq上場(その2) - Quantum Accounting Inc.
- ^ 米国証券取引所法に基づくSEC登録廃止及び継続開示義務の終了のためのForm 15Fの米国証券取引委員会への自主的な提出に関するお知らせ (PDF)
- ^ 株式会社Warrantee、⽶国Nasdaq市場への新規上場に関するお知らせ (PDF)
- ^ 社員9人で米ナスダック上場 日本のベンチャーWarranteeが進める“無料保険”とは何か(1/3 ページ) - ITmedia ビジネスオンライン
- ^ “WRNT 6-K & SEC Filings - Yahoo Finance”. October 27, 2024閲覧。
- ^ “ピクシーダストテクノロジーズ株式会社<br>IPOにおける公募価格の決定と米国Nasdaq市場への上場のお知らせ”. Pixie Dust Technologies, Inc.. 9 August 2023閲覧。
- ^ “当社ADR のNASDAQ Capital Market 市場からの非上場化、米国SEC からの登録解除の予定に関するお知らせ”. Pixie Dust Technologies, Inc.. 26 October 2024閲覧。
- ^ 米国証券市場ガイド 第2回:日本企業によるNasdaq上場(その1) - Quantum Accounting Inc.
- ^ 大崎貞和 (2020年10月20日). “米国における新しい株式取引所の開設”. NRI. 2023年9月12日閲覧。
関連項目
外部リンク
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