NAONのYAON
NAONのYAON(ナオンのヤオン)は女性ミュージシャンのみによる日本のロック・フェスティバル。 概要SHOW-YAの提唱により企画・実現され、日比谷野外音楽堂(大音楽堂)で開催されている。タイトルは“女”の“野音”(野外音楽堂)に由来する。基本的には女性ミュージシャンのみの出演になるが、回によっては寺田と親交のある女子プロレスラーや女性お笑い芸人の出演もある。 来歴1987年 - 1991年SHOW-YAのボーカリスト、寺田恵子が、1987年当時に担当していたラジオ番組『寺田恵子のオールナイトニッポン』での、THE ALFEEが東京のベイエリアにおいて観客10万人規模のコンサートを開催するという話を聞いたことに対し、「悔しくて、負けたくない」と思い「うち等で、女性だけでコンサートをやりたい」といった発言がきっかけとなって構想が膨らんで企画され[1][2]、1987年9月20日に第1回が日比谷野外音楽堂で開催された。出演者のみならず制作スタッフまで女性限定で揃えるこだわりようだった。以降、1991年まで毎年秋に行われるのが通例となった。 寺田には「野音というとロックの聖地であり、人に何かを伝えるためにぴったりの場所。みんなで時代を築き上げるならここだと思ったんです」と、会場となった日比谷野音に対する強い思いがあったという[2]。 また、寺田は日比谷野音について「都心の公園の中にある野音は、ステージも客席にも屋根がないため、どうしても天候に左右されてしまいますが、そこがホールとの違いですね。天気がよければ、お客さんみんなの顔がはっきり見えるし、流れる雲を見ながら演奏する瞬間は格別で、気持ちよく演奏できます。ただ……私が出るときはなぜか天候不良のときが多いのですが(笑い)。雨が降るとお客さんとの不思議な一体感が生まれるんですよ。あれは野外ステージならではですね。とはいえ、雨が降ると楽器が傷んだりトラブルも起きやすいので、1か月前から天気予報を細かくチェックして、私は毎朝神社に行って『晴れますように』とお参りします。お客さんはお金を出して見にきてくれる以上、雨でも最高のステージにしないといけないですからね。そのためにも全力で頑張る。それもいい思い出です」と振り返っている[2]。 この時期の出演者には寺田が深く敬愛したカルメン・マキや同じ女性メンバーのみによるロックバンドとして親交のあったプリンセス プリンセスなどの著名な女性ミュージシャンがいる。特にプリンセス プリンセスは毎回オープニング・アクトを務めるなどこのフェスティバルの中心的な存在だった。 これについて、寺田は「当時、女性バンドといえばプリンセス プリンセスとSHOW-YAくらいだったんです。プリプリは出演を快諾してくれましたが、フェスというからにはいろんな人に出てもらいたいと思って、歌番組で一緒になった人や、ちょっとでもロックっぽいスピリット(魂)を持っている人に片っ端から声をかけました。」と述べている[2]。その上で、「ちょうど、1980年代はアン・ルイスさんがロック歌謡を世に広めていた時代。アイドル歌手もロックっぽいファッションをしていたんです。それで、革ジャンっぽい服装で歌っていた石川秀美ちゃんや私が尊敬するカルメン・マキさんにも出てもらって、うれしかったですし、そのほか、歌手ではないですけど、ロックっぽいっていう理由から美保純さんにも出ていただきました」とも話している[2]。 寺田はプリンセス プリンセスとSHOW-YAの共演について「多くのメディアがこの2つのバンドを比較して、番組や誌面で取り上げてくれたお陰で話題性は充分でした。実は私たちはとても仲がよく、いろんなところに遊びに行ったり、飲みに行ったりして親交を深めつつ、切磋琢磨していたんです。特にプリプリは女性バンドの地位をグンと上げてくれましたからね。『NAONのYAON』の成功からは、レコード会社もいろんな女性バンドと契約するようになり、テレビ番組で人気を博したPINK SAPPHIREや関西出身の4人組TWIGGYなど続々と活躍するようになりました」とも述べている[2]。 しかし、1991年に寺田はSHOW-YAを脱退し、それに、SHOW-YAが新しいボーカルを迎えると共に、アメリカに進出したため、このイベントも休止されることになった[2]。これについて、寺田は「脱退したのは体がキツくて限界を感じたからです。」と述べている[2]。 出演者
1999年 番外編1991年の第5回を最後に一度終止符を打たれた「NAONのYAON」だが、1999年に番外編として一度だけのイベントが開催されている。この時は会場が日比谷野外音楽堂ではなく川崎市のCLUB CITTA'だったため「NAON NO NAON」と題して行われた。出演者はこの時すでにともに解散していたSHOW-YAとプリンセス プリンセスの元メンバーなど、以前のフェスティバルの出演者が中心だった。 2008年そして2008年4月29日に6回目のNAONのYAONが開催された。17年ぶりとなったこのフェスティバルにはSHOW-YAや杏子など以前の出演経験者に加えて相川七瀬、長澤奈央など新たな世代のミュージシャンが参加した。特にプリンセス プリンセスの元メンバー、富田京子、渡辺敦子とZONEの元メンバー、長瀬実夕、舞衣子の4人によるスペシャル・ユニット「ゾンプリ」が結成されたことは大きく報道され注目を集めた[3]。 復活のきっかけとして、寺田は「1995年に阪神・淡路大震災が起きたとき、やっぱり何かをしないといけないと思ってメンバーにバンドの再結成をもちかけたのですが、そのときは断られました。それ以降もずっとメンバーとは密に連絡をとっていて、ようやく2005年に再結成。『NAONのYAON』が再開できたのは2008年でした。このときは、“またここ野音で、みんなで力を合わせて頑張っていこう!”と誓い合いました」と述べている[2]。 また、1988年の第2回に「MINAKO with WILD CATS」として出演した本田美奈子.の遺志を継ぐNPO「LIVE FOR LIFE」もこれに参加して募金活動を行った。寺田は翌年以降の開催にも含みを残している[3]。
2013年日比谷野外大音楽堂の90周年事業と連動し5年ぶりに復活。4月29日に開催された[4][5]。
2014年2013年と同じ4月29日に日比谷野外大音楽堂で開催された。 またこのライブ模様は5月18日にNHK・BSプレミアムで午後11時から放送される[6]。
2015年初の年2回開催となる。1回目は前年と同じく4月29日開催。8月23日開催の2回目は『NAONのYAON 2015~SUMMER~』というタイトルで行われ、この日はNAONのYAON10回目を記念した曲『Rock Love』(作詞:秋元康)が発表された[7]。
2016年2016年6月12日(日)に行われた。
2017年今回で通算12回目。初開催から30周年。4月29日の開催は2015年以来2年ぶりとなる。 また、女性ギタリストが集結し演奏する「WORLD GUITAR GIRLS COLLECTION (WGGC)」も初開催となる。
2018年テーマは「80年代アイドル」であり、コラボ曲もそれに則した曲が披露された。 2018年6月10日、歌謡ポップスチャンネルで放送された。番組名「NAONのYAON 2018」(180分)
2019年テーマは「平成」であり、平成を代表する曲のメドレーが披露された。 また、北欧からいかだで来たMETALLIC SPINのノーズとLiLiCoが会場を沸かした。
2020年2020年4月29日の開催を予定していたが[8]、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて延期され[9]、翌2021年4月29日に振替公演が行われることになった[10]。 上記とは別に、同年11月にはスピンオフ企画として「〈NEMOPHILA×Gacharic Spin〉with寺田恵子 ONLINE LIVE」が開催された[11]。 2021年出演者、スタッフ全員が抗原検査・PCR検査を受け、大雨が降る中、初の無観客オンライン配信ライブとして開催された[12]。
2022年大雨が降る中、有観客ライブとして開催された[13]。
2023年
脚注出典
外部リンク
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