象山県
象山県(ぞうざん-けん)は、中華人民共和国浙江省寧波市の管轄下にある県。東シナ海に浮かぶ漁山列島や韭山列島などを含む。県政府所在地の南西に象がしゃがんだ形の象山があることにちなむ[1]。 地理象山県は西は寧海県、北は鄞州区と接し、奉化区とは象山港の対岸に位置する。主要部は半島上にあり、三方が海に面している。山がちな地形で、山地面積は71%、森林カバー率は59%を占める。バビショウ・クロマツなどの針葉樹林と、クスノキ科の木を主とする広葉樹林とモウソウチクなどの竹林が混じる。県内の最高峰は東搬山(海抜810.8メートル)。平地は東部の南荘平原と西南部の定山平原に大きく分かれ、「上八万(畝)」、「下八万(畝)」と称され、このような県全体の地形は「七山一水二分田」と称される[1]。 半島の南及び東海上に、漁山列島(13島)・韭山列島(27島)・泗礁列島・三岳列島・半招列島がある。 アリソフの気候区分で亜熱帯海洋性モンスーン気候地域に属する。年平均気温は約17℃と温暖湿潤で、四季がはっきりしており、平均降雨量1463ミリメートルと雨量も十分にあるが、梅雨、台風時期に集中している。山がちですぐに海に流れ込むため、水資源の利用はしづらい。東側には入り組んだ海岸線と島が多く、海洋資源が豊富で、古来漁業が(かつては製塩も)盛んに行われているが、21世紀になってからは海浜観光保養地としての開発も行われている。島嶼部には韭山列島国家級海洋生態自然保護区と漁山列島国家級海洋生態特別保護区が設置されている。 行政区画歴史
産業伝統的に優勢を持つ漁業の他、臨港地区における造船業、発電等の産業が大きく、メリヤス製品、金型、自動車部品、水産加工などの工業と建築業も一定の規模を有している。新たに海洋生物資源開発、IT関連の産業を推進している。 農業総生産額は浙江省トップレベルで、経済作物は水稲、綿花、カラムシ、大豆など、山中にはクワ、アブラギリ、ユチャ、チャノキ、かんきつ類、ヤマモモ、ビワ、モモなどの経済用樹が植えられている。 水産物総生産量は全国的に上位にあり、タチウオ、マナガツオ、ワタリガニ類、アキアミの水揚げやマガキ、マテガイの養殖で有名。海洋レジャーなどを中心とした観光業も伸びている。 2014年の県内総生産額は388.7億人民元、公共財政収入は54.8億人民元で、都市部住民の一人当たり可処分所得は40,175人民元、農漁民一人当たりの純収入は18,127元であった[2]。 観光県南部に位置する港町石浦鎮には、清代の町並みを観光用に保存した「石浦古城」という一角があり、中国歴史文化名鎮に指定されている。石浦漁港から船で漁山列島に行くことが出来る。 交通
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