米露開戦
『米露開戦』(べいろかいせん、原題:Command Authority)は、 アメリカ合衆国の小説家トム・クランシーとマーク・グリーニー共著の軍事小説。2013年に死去したクランシーの遺作となった。偉大なロシアを取り戻すべく、ウクライナに侵攻するロシア軍とNATO軍の戦闘、偽旗作戦やスパイ工作が描かれる。クランシー死去の翌2014年には、作中にも描かれるロシアのクリミア侵攻が、2022年にはロシアのウクライナ侵攻が現実のものとなった。 概要2013年12月3日に出版された軍事・テクノスリラー小説[1]。2013年10月1日に死去[3]したトム・クランシーの遺作となった。日本では新潮文庫より2014年12月に出版された[2]。前作の『米中開戦』を経て、本作ではアメリカ合衆国大統領のジャック・ライアンと、「ザ・キャンパス」のメンバーが、ロシアの大統領ヴォローデンらとの対決を迫られる模様が描かれている。ヴォローデンは、実在のロシアの大統領ウラジーミル・プーチンを彷彿とさせるキャラクターとなっている。本作は発表時、ニューヨーク・タイムズのベストセラー第1位を獲得した[4]。 あらすじ
旧KGB(ソ連国家保安委員会)将校出身のヴァレリ・ヴォローデンがロシア連邦大統領になる。公然とアメリカを非難するヴォローデンは、密かにFSB(ロシア連邦保安庁)に、ウクライナ侵攻を正当化するための偽旗作戦を命じ、SVR(ロシア対外情報庁)の長官を暗殺させる。前SVR長官のセルゲイ・ゴロフコは、旧友であるアメリカ合衆国大統領ジャック・ライアンをホワイトハウスに訪ねている最中に、ポロニウム中毒によって倒れる。ヴォローデンは一連の事件をアメリカによるものだとして糾弾し、SVRをFSBに統合することを宣言した。その新長官には謎の多い人物、ロマン・タラノフが就任する。 ウクライナの都市セヴァストポリでは、CIA(中央情報局)の通信基地が、FSBの工作により親ロシア派武装勢力の攻撃を受ける。ザ・キャンパスの工作員、ジョン・クラーク、ドミンゴ・シャベス、ドミニク・カルーソーらは、時同じくして、ロシアの犯罪組織「七巨人」の情報を集めるためにウクライナの首都キエフに赴いていた。クラークらはCIAからの要請を受け、セヴァストポリに援軍として駆けつけるが、そこでデルタフォースと親ロシア派武装勢力の激しい戦闘に巻き込まれる。さらにヴォローデンはウクライナに軍事侵攻する決定を下し、戦闘は局地戦からNATO軍対ロシア軍の全面戦争に突入する。首都キエフ侵攻を狙うロシア軍を阻止するべく、ライアンは少数の米軍を派兵する。 その頃ライアン・ジュニアは、ロシアの狙いを探るべくスイスに赴くが、そこでヴォローデンやタラノフなど旧KGB将校らの正体・陰謀を知ることになる。ジュニアからの情報を得たライアンは、ヴォローデンに一本の電話をかける。 登場人物アメリカ合衆国
ザ・キャンパス
ロシア連邦
書誌情報
脚注
関連項目
外部リンク
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