第25回東京国際映画祭(だい25かいとうきょうこくさいえいがさい)は、2012年10月20日(土)から10月28日(日)の9日間に開催された東京国際映画祭。
概要
第25回東京国際映画祭の概要は、2012年9月20日に発表された。映画祭公式サイトにも、上映予定の各作品の詳細が9月20日に、上映スケジュールが9月25日にアップされた。
東京の六本木と日本橋で開催された。六本木が主要会場になるのは、第17回(2004年)から9回連続。日本橋で開催されるのは初めて。上映会場にはTOHOシネマズ六本木ヒルズ、シネマート六本木(10月27・28日のみ)、COREDO室町 日本橋三井ホール(10月23・24・25日のみ)が使われ、コンペティション、特別招待作品、アジアの風、日本映画・ある視点、WORLD CINEMA、natural TIFFの計6部門と特別上映や「日本橋で日本映画を観よう」などが行われた。
公式オープニング作品は3D作品『シルク・ドゥ・ソレイユ3D 彼方からの物語』、特別オープニング作品は『JAPAN IN A DAY [ジャパン イン ア デイ]』、公式クロージング作品は『人生の特等席』。いずれも特別招待作品部門での上映。
この第25回から前売りチケットの販売方法等が変更になり、携帯電話・スマートフォン・パソコンなどから購入し、ダウンロードしたQRコードを会場入口で読み取らせて紙の券を発行するようになった[1][2]。第24回まではプレイガイドが発行する紙の券を用いていた。
第19回〜第24回同様に、すべての上映で当日券が販売された(前売券が完売した回も含む)。
第24回で初めて行われた「学生の当日料金=500円」は、第25回でも引き続き行われた。オープニング・クロージング作品以外の全ての作品において、上映当日に会場で販売されるチケットの学生料金が500円となった。ちなみに、学生以外の当日料金は、前売り料金と同額の1000円・1300円・1800円・2500円。
コンペティション部門のプログラミング・ディレクターは矢田部吉彦。アジアの風部門は石坂健治。
上映作品
ワールド・プレミアは世界初上映、インターナショナル・プレミアは製作国以外で初上映、アジアン・プレミアはアジアにて初上映となったことを意味する。
コンペティション部門
特別招待作品
アジアの風
†は最優秀アジア映画賞の対象作品。
アジアの風―中東パノラマ
インドネシア・エクスプレス〜3人のシネアスト
ディスカバー亜州電影〜伝説のホラー&ファンタ王国カンボジア
日本映画・ある視点
WORLD CINEMA
natural TIFF
その他
特別上映
「日本橋で日本映画を観よう」
上映題 (劇場公開題・DVD題)
|
英語題 (原題)
|
監督
|
製作国
|
備考
|
日本橋 [97]
|
Bridge of Japan
|
市川崑
|
日本
|
1956年の作品 1956年10月1日に日本で劇場公開
|
怪盗と判官 [98]
|
Judge and Thief
|
加戸敏
|
日本
|
1955年の作品 1955年12月7日に日本で劇場公開
|
空を拓く〜建築家・郭茂林という男〜 [99]
|
Pathfinder of the Sky An Architect's Life / Story of Morin Kaku
|
酒井充子
|
日本
|
ワールド・プレミア上映
|
二つの祖国で・日系陸軍情報部 [100]
|
MIS -Human Secret Weapon-
|
すずきじゅんいち
|
日本 アメリカ合衆国
|
アジアン・プレミア上映
|
裸の島 [101]
|
Naked Island
|
新藤兼人
|
日本
|
1960年の作品 1960年11月23日に日本で劇場公開
|
エンディングノート [102]
|
Death of a Japanese Salesman
|
砂田麻美
|
日本
|
2011年の作品 2011年10月1日に日本で劇場公開
|
みなと上映会
文化庁映画賞
提携企画
- 第9回 文化庁映画週間
- 日米フィルムアカデミー
- 第25回東京国際女性映画祭:フィナーレ
- 特集 アジア映画の森
- 『終の信託』公開記念 周防正行映画祭
- コリアン・シネマ・ウィーク 2012
- ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 「フォーカス・オン・アジア」&ワークショップ
- 2012東京・中国映画週間
- 新作映画イッキに見せます in 東京国際映画祭
- 第6回 田辺・弁慶映画祭
- ポーランド映画祭2012
- 「今こそ、映画の力〜TIFF/東北連携プロジェクト 映画『JAPAN IN A DAY [ジャパン イン ア デイ]』がつなぐ未来への一歩」
- 映像シンポジウム
- CineGrid@TIFF 2012
- 映画産業とTV放送産業の経済貢献
- 日本―香港間の地域協力
- JFC全国ロケ地フェア2012
- Green Energy Festa in TIFF
受賞結果
- コンペティション
-
- 東京 サクラ グランプリ: 『もうひとりの息子』 (監督:ロレーヌ・レヴィ)
- 審査員特別賞: 『未熟な犯罪者』 (監督:カン・イグァン)
- 最優秀監督賞: ロレーヌ・レヴィ (『もうひとりの息子』)
- 最優秀女優賞: ネスリハン・アタギュル (『天と地の間のどこか』)
- 最優秀男優賞: ソ・ヨンジュ (『未熟な犯罪者』)
- 最優秀芸術貢献賞: 『テセウスの船』 (撮影監督:パンカジ・クマール)
- 観客賞: 『フラッシュバックメモリーズ 3D』 (監督:松江哲明)
- TOYOTA Earth Grand Prix
-
- グランプリ: 『聖者からの食事』 (監督:ヴァレリー・ベルトー、フィリップ・ウィチュス)
- 審査員特別賞: 『ゴミ地球の代償』 (監督:キャンディダ・ブラディ、劇場公開題『TRASHED-ゴミ地球の代償-』)
- アジアの風
-
- 最優秀アジア映画賞: 『沈黙の夜』 (監督:レイス・チェリッキ)
- アジア映画賞スペシャル・メンション:
- 『ブワカウ』 (監督:ジュン・ロブレス・ラナ)
- 『兵士、その後』 (監督:アソカ・ハンダガマ)
- 『老人ホームを飛びだして』 (監督:チャン・ヤン)
- 日本映画・ある視点
-
- その他
-
審査員
コンペティション
アジアの風
日本映画・ある視点
TOYOTA Earth Grand Prix
その他
- アジアの風部門の香港映画『浮城 (うきしろ)』が製作者側の事情により上映中止となることが、2012年9月25日に発表された[4]。
- コンペティション部門の中国映画『風水』の出品取りやめが報道された。2012年9月11日におこなわれた日本国政府による尖閣諸島国有化に抗議するもので、10月18日に中国国営の新華社通信の英語版が報道した[5]。しかし、映画祭側は出品者側からの連絡を受けてないことを理由に、予定通り上映することを10月19日に発表した[6][7]。なお、当初予定されていた監督・出演者の来日は中止された[8][9][10]。また、撮影監督のリウ・ヨウニエンが来日したものの、製作会社の許可が下りなかったために上映会場に登壇できず、映画本編のみの上映となった[11][12]。
- 若松孝二監督が2012年10月17日に亡くなったことを受けて、10月26日に『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』 (第20回東京国際映画祭「日本映画・ある視点」部門 出品作) が追悼上映されることになった[13]。
脚注
外部リンク