渾身
『渾身』(こんしん)は、2007年8月に集英社から出版された[1]川上健一の小説。 あらすじ結婚式をドタキャンして島を逃げるように飛び出した英明は、妻の麻理と島に戻ることを決意。閉鎖的な島社会の中で子供も生まれたが、麻理の病死を経て、周りの人の温かさに支えられ、麻理の親友であった多美子と再婚する。少しでも皆に認められたいと古典相撲を始め、20年に一度の遷宮相撲の最高位である正三大関に推挙されるまでになる。夜を徹して島中の人が見守る中で行われる300番にも及ぶ取り組みの最後に、英明は地区の名誉や家族の思いを背負って土俵に上がる。 登場人物
隠岐古典相撲→詳細は「隠岐古典相撲大会」を参照
隠岐古典相撲は、隠岐の島に伝わる相撲の原点と言われる相撲。隠岐は相撲が盛んな土地で、島をあげての祝い事に夜を徹しての相撲大会が行われる。その最上位に位置づけられるのが、出雲大社に次ぐ格式を誇る水若酢神社で20年に一度開催される遷宮相撲であり、三重(さんまい)の土俵でとられ、勝負のしこりを残さないように一勝一敗の引き分けで終わることに特徴がある。遷宮相撲は神社のある五箇地区が座元、他の地区が寄方となっての対抗戦で、古式に則って最高位は正三大関となり、一生に一度のチャンスを誰もが望む最も名誉ある最高位である。 書籍情報
映画
『渾身 KON-SHIN』(こんしん、英表記: KON-SHIN)のタイトルで、錦織良成監督・脚本、伊藤歩、青柳翔の主演で小説を原作に映画化され、2013年1月5日に鳥取県及び島根県にて先行公開、同年1月12日に全国公開された。家族の絆や地域の熱い思いを通して「日本の心」を描いた感動作品に仕上げられている。第36回モントリオール世界映画祭正式招待作品。第25回東京国際映画祭特別招待作品。 製作費約5億2千万円に対し、最終興行収入は1億7610万円[2]。映画を製作した出雲ピクチャーズ(松江市)が2015年5月7日、配給元の松竹に約4億5千万円の損害賠償を求め松江地裁に提訴した。東京地裁の森脇博人裁判長は「興行収入や観客動員数に関して法的拘束力のある合意があったとは言えない」松竹が契約前に上映期間を短くする可能性を伝えていたとも指摘し、2018年4月12日請求を棄却した。 キャスト
スタッフ
脚注
外部リンク
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