神戸電鉄有馬線
有馬線(ありません)は、兵庫県神戸市兵庫区の湊川駅から同市北区の有馬温泉駅までを結ぶ神戸電鉄の鉄道路線である。駅ナンバリングで使われる路線記号はKB。 六甲山地を50‰の勾配で越えて、神戸と古くからの温泉地である有馬温泉を結んでいる。各駅周辺には住宅地が広がり神戸市中心部への通勤・通学路線となっている。 鈴蘭台駅から有馬線方面に入る列車の大半が三田線に直通する運転体系が取られていることから、三田線とまとめて「有馬・三田線」と案内されることもある。乗換案内などの経路検索サイト、アプリなどでは、大半がこの呼び名で扱われている。 路線データ
運行形態すべての列車が起点の湊川駅から神戸高速線に直通し新開地駅発着となっている。 ほとんどの列車は鈴蘭台駅から粟生線、有馬口駅から三田線へ直通する。朝夕に新開地駅 - 有馬温泉駅間の列車がある以外、原則として有馬口駅 - 有馬温泉駅間はこの区間折り返しとなる。このほか、新開地駅 - 鈴蘭台駅・西鈴蘭台駅間の区間列車がある。全線でワンマン運転を行っている。 運行本数朝夕ラッシュ時は鈴蘭台以北も通過運転を行う優等列車が設定され、それを補う形で普通列車が運転される。夕方ラッシュ時は15分サイクルを基本としたパターンとなっている。 2022年3月12日以降の日中1時間あたりの運行本数は以下のとおりである。
日中は、1時間に粟生線直通が2本、三田線直通が4本運転される。有馬口駅 - 有馬温泉駅間は三田線直通と接続する形で1時間に4本運転される。鈴蘭台以北は準急含め各駅に停まる列車が15分間隔で運転されるシンプルなダイヤ構成となっている。 列車種別優等列車の変遷は激しく、沿線の開発度合に応じて準急以外の各列車の停車駅は度々変更されている。 現行の列車種別特快速1995年11月26日のダイヤ改正より登場した種別[5]。有馬線・三田線における最速達種別であり、ニュータウン開発で増加した三田駅 - 岡場駅間の通勤客輸送に対応するため、平日朝のラッシュ時に三田発新開地行きのみ1日2本運行されている。三田線においては唯一線内で通過駅のある種別であり、岡場駅を出ると北神線との乗り換え駅である谷上駅までノンストップとなり、谷上駅から新開地駅までの停車駅は急行と同じである。 快速の上級種別であることから、英語では"Special Rapid Express"(直訳すると特別快速急行になる)と表記されている。種別名が「特快速」となったのは、かつて三田方面に運転されていた「特急」と「快速」との間の位置付けであることから。 急行三田線三田駅 - 新開地駅間で朝夕のラッシュ時に運転されている。粟生線の急行は2017年3月25日のダイヤ改正で日中の列車が上りが準急、下りが普通に変更され設定がなくなり、2022年3月12日のダイヤ改正で朝のラッシュ時にあった粟生発・小野発の列車が準急に変更されて廃止された[6]。 1970年代の有馬線・三田線系統の途中停車駅は湊川・鈴蘭台・大池・唐櫃台と有馬口から各駅停車、粟生線系統は湊川・鈴蘭台と押部谷から各駅停車であった。また当時は有馬温泉発着の急行も設定されていた。2020年3月14日のダイヤ改正より花山駅が停車駅に追加された[7]。 なお、時刻表や停車駅の案内などでは青色が用いられているが、方向幕の表記では赤(LED車両はオレンジ)である。 準急終日の運転で、丸山駅と鵯越駅のみ通過し、鈴蘭台駅以北は有馬線・粟生線とも例外なく各駅に停車する。日中は上りは粟生線方面からのみ、下りは三田線方面行きのみ運転。2020年3月14日以降は30分間隔で運転しているが、それまでは15分間隔での運転であった。2007年3月31日のダイヤ改正から2012年5月19日のダイヤ改正までは、日中の準急は普通列車に格下げされていた。 普通三田駅 - 新開地駅間と粟生駅・小野駅・志染駅 - 新開地駅間で終日運転される(ただし昼間の上り粟生線方面からの列車は準急のみ)。各駅に停車し、日中上りは三田線方面からの列車のみ毎時4本、下りは粟生線方面行きの列車のみ毎時4本運転される。また有馬口駅 - 有馬温泉駅間や、車庫がある鈴蘭台駅を始発や終着とした区間運転がある。 2005年に営業休止となった菊水山駅営業時は鈴蘭台駅発着列車など一部をのぞき、「普通」でも同駅を通過していた。そのため、神戸電鉄では同駅停車列車を「各駅停車」と区別していた。 過去の列車種別特急1988年4月に登場し、当初は1日3往復設定されていた。三田線内では一部の普通列車と差し替える形で運転されていた(つまり特急通過駅では特急運転時間帯の普通列車の運転間隔が30分間に開くダイヤとなっていた)。1995年11月の特快速登場と共に一部が快速に置き換えられ、その2年余り後の1998年3月に廃止された。廃止前は途中、湊川・鈴蘭台・北鈴蘭台・山の街・谷上・有馬口・岡場・道場南口・横山に停車していた。三田線三田駅 - 岡場駅の各駅に停車し、有馬口駅を通過する上記の特快速に対して、いわゆる千鳥停車となっていたのは、特快速が通勤・通学客輸送目的であるため。 快速
英語では他社と違い"Rapid Express"と表記していた。直訳すれば「快速急行」となるが、"Express"は優等種別であるという意味をこめたものとされる。なお快速新設当時、他社となる神戸高速鉄道新開地駅ホームに掲出されていた時刻表には“快速急行”と誤記されていた。 通勤急行沿線開発の進捗に合わせて従来の急行の停車駅に北鈴蘭台・山の街を追加した形で1984年まで設定されていたが、従来の急行の停車駅が輸送実情に合わなくなったため通勤急行に統合する形で改正され、その通勤急行を急行と名称変更した(現在の有馬線急行列車・粟生線の急行は上記快速欄を参照のこと)。統合前の停車駅は湊川・鈴蘭台・北鈴蘭台・山の街・大池・唐櫃台・有馬口 - 三田間の各駅であった(当時、谷上は通過)。 大晦日から元日にかけての運転大晦日から元日にかけての終夜運転は、有馬線・三田線・粟生線の一部区間において2000年から2001年のみ行われた。その他の年には「初日の出参拝」臨時列車として、元日の始発列車前に3 - 4時台から臨時列車が運転されているほか、大晦日の最終電車後に1往復程度の増発が行われている。 歴史
駅一覧
廃駅
脚注
参考文献
関連項目 |