神戸電鉄三田線
三田線(さんだせん)は、兵庫県神戸市北区の有馬口駅から兵庫県三田市の三田駅までを結ぶ神戸電鉄の鉄道路線。駅ナンバリングで使われる路線記号はKB。 有馬口駅で有馬線と、三田駅で福知山線(JR宝塚線)と接続し、三田地区と神戸市内を結んでいる。有馬口方面へ向かう多くの列車が同駅より有馬線へ直通する運転体系が取られていることから、同線と一まとめにして「有馬・三田線」と案内されることもある。 路線データ
沿線は神戸三田国際公園都市など宅地開発が進んだため大阪・神戸双方への通勤・通学路線となっており、コロナ禍以前は利用客数が増加傾向にあったことなどから、輸送力増強のため全線複線化を望む声もあるが、1983年(昭和58年)の複線化工事認可以来、1991年(平成3年)に横山駅 - 三田駅間、1998年(平成10年)に岡場駅 - 田尾寺駅間が完成したのみである。 1995年の阪神・淡路大震災では、大阪と被災地を結ぶ連絡ルートとして利用された。 運行形態運行形態は有馬線と一体となっており、有馬線新開地方面から三田駅への直通列車に加え、横山駅 - 三田駅間には公園都市線の列車が乗り入れる。普通、準急、急行、特快速が運転されているが、このうち三田線内で通過駅があるのは特快速のみである(各列車種別の詳細については、「神戸電鉄有馬線#列車種別」を参照)。終日、概ね全線を通して15分間隔で運転される。これに公園都市線から三田駅まで乗り入れる列車が15分間隔で運転される。 三田駅 - 横山駅間は公園都市線直通列車が加わるために、神戸電鉄において、有馬線の新開地駅 - 鈴蘭台駅間と並ぶ高頻度運転区間となっており、大阪方面からの福知山線(JR宝塚線)利用客の接続を図って、深夜の1時頃まで運転されている。 1984年10月に、有馬線谷上駅折り返しの半数を岡場駅折り返しに延長した。1988年4月2日のダイヤ改正で、特急が設定されるとともに、道場南口駅 - 三田駅間の入線有効長が3両分しかないため、原則として新開地駅 - 道場南口駅間と道場南口駅 - 三田駅間に系統を分けて運行されていたが、北摂地区の開発進捗と軌道設備改善、そして前述の公園都市線開業準備に伴う横山駅 - 三田駅間の複線化により1991年3月24日から全線で4両編成の運転が可能となった。この時にそれまで有馬温泉駅発着だった列車を岡場駅発着にして、五社駅・岡場駅の停車本数を1時間4本に増やし、同年10月の公園都市線開業に合わせて三田駅発着に統一(横山駅 - 三田駅間は1時間8本、特急通過駅では所々で停車間隔が広がる部分があった)された。震災後の1995年11月26日に、特急を快速に変更して、特急通過駅の停車本数を増やし、1998年3月22日に、特急を全廃、全駅で1時間4本にした。 運行本数2022年3月12日以降の日中1時間あたりの運行本数は以下のとおりである。
歴史
駅一覧
複線化計画沿線開発にともなう輸送力増強計画の一環として「三田線複線化工事」が1984年(昭和59年)より開始されている。これは有馬口駅 - 三田駅間12.0 kmを3期にわけて複線化するというものである。 複線化計画実施概要
今後の見通し三田線複線化工事については近年事実上中断している状況が続いており、神戸電鉄公式ホームページでも「今後の複線化につきましては、お客さまのご利用動向および当社の経営状況を勘案して検討してまいります。」との文面が掲載されている。 しかし有価証券報告書によると2022年(令和4年)現在でもなお三田線複線化工事は計画されており、全線複線化には367億3,300万円が必要であることや、すでに107億100万円を投じていることが記載されている。また2022年(令和4年)現在、今後の所要額である260億2,400万円は、地方自治体無利息助成金90億4,600万円と、自己資金借入金169億7,800万円によってまかなう計画であると公表されている。これは三田線の沿線開発が現在でも進捗し、コロナ禍以前までは利用者数が増加していたことなどが理由と考えられる。 脚注
参考文献
関連項目 |